すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女18日目:ウェディン

 

本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは36。ウェディンです。

何だかlimited魔法少女の登場の度にビクビクしていますが元気に頑張ります。

 

 

 

 

ウェディン。登場話は「魔法少女育成計画limited」。その名の通りウェディングドレスをモチーフにした重い魔法少女です。鎖に剣。頭にロウソク。limited後編の表紙を飾るウェディンですが、あの表紙だけを見ると何となく怖い子のような印象を受けます。

キラキラ目が狂信者オーラを発しているからかもしれません。たしかに実際作中では一時的にプキン様の狂信者やってましたけど。

 

そんな彼女ですが人間体の名前は結屋美祢。効率を重視する現実的な堅物キャラであり、理詰めで物事を考える性格のきついオタクであり、筋金入りの魔法少女ファンでもあります。

魔法少女になることについて(本来は魔法少女が幼い頃からの夢だったということを黙っておいて)「受験勉強以外に道が開けるかもしれないならばそのメリットを取る」と表向き発言するところは「頑張れば良い大学に入ることができるが、頑張る事だけでは魔法少女にはなれないので受験勉強はひとまずおいて魔法少女になる」という無印リップルを何となく彷彿させ、魔法少女ファンであるという部分には無印スノーホワイトをイメージさせます。

ウェディンとスノーホワイトラ・ピュセルあたりで中学生魔法少女オタクトーク会を開いてほしい。ダークキューティーちゃんとマジカルデイジーあたりをスペシャルゲストに招きたい。

 

ウェディンといえば魔法少女論。魔法少女育成計画シリーズのコンセプト的に、魔法少女の定義に拘りを持つキャラクターは出るべくして出たと言えます。

彼女4ページにも渡って仲間および読者に語って聞かせた魔法少女論は、正直に言うと「興醒め」なものです。面白いんですけどね、そんなこと聞かされてもねというところがあります。魔法少女と戦闘美少女の違いはいつか話されなければならない話題だったんでしょうけど。オタクの屁理屈と言われればそれまでなんですというところでオチがつきます。

 

「タイトルに『魔法少女』とある作品もあるでしょう?」

「いえ先生。それは魔法少女をモチーフにしているだけで魔法少女物ではありません」

魔法少女育成計画魔法少女物だよ(激怒)

ウェディンの魔法少女論が興醒めに感じるのはちょっと魔法少女の定義トークが露骨すぎるってところもあるんですよね いやウェディンはそういう子なんですけど limitedまでこういう子が登場しなかったのが遠藤先生はすごいなあと思います。

 

ともかくウェディンが幼い頃から憧れ夢見てきた魔法少女とは「日常に魔法の要素を持ち込む」ものなんです。現実(戦闘美少女寄りの魔法少女たち)との乖離がすさまじい。このあたりは魔法少女育成計画を追っていく経緯で「森の音楽家クラムベリー」「キーク」「ピティ・フレデリカ」などの各種悪徳魔法少女の存在を知っている読者側にとっては非常に心苦しい場面です。

limitedに登場する中学生魔法少女と読者には明らかに魔法少女界の認識に差異があって、そのせいで時々やきもきさせられます。ウェディンに対しては結構やきもきさせられます。プキンに舌戦を挑もうとしたり、フレデリカに自分の生存を優先させなかったり。

 

 

ところでウェディンは満足死勢ではありません。

limited中学生魔法少女たちは(テプセケメイを除いて)基本的に最終的には圧倒的な暴力や権力、悪意に翻弄され、振り回されて倒れます。しかし、他の魔法少女達が(グレースは特殊としても)まだ何かしらの満足を感じている可能性がありうるとしても、ウェディンにはそれはありません。完全にフレデリカに裏をかかれ、沢山の人々を巻き込んだ脱線事故の原因となって悲惨な死を迎えます。

 

満足死になれなかったのは相手が悪かったとしか言いようがありません。世の中には絶対に勝てない戦いもあります。フレデリカは相当な狐なので、ちょっと中学生かつ初心者魔法少女であるウェディンには荷が重かった。

それはそれとしてウェディンは死ぬべくして死んだのです。リーダーとして、虹の檻に囚われたテプセケメイを見捨てないと誓い、レイン・ポゥに命令する事ができる最高のチャンスを三度頂いたにも関わらず端的でストレートな命令(じさつしろとか)でレイン・ポゥを処分しようとせず。

しかし彼女が憧れ続けてきた魔法少女であろうとするとき、テプセケメイを見殺しにしたり、レイン・ポゥを冷酷に処分したりするようなことはできなかったでしょう。ウェディンはうーん死ぬべくして死んだ子です。それが満足死でなかったのは残念です。

 

 

好きなイラストについて。前編の繰々姫のリボンで縛られているウェディンが好きです。いやらしいゲームみたいなやつ。

余談ですがlimitedは名前からしていやらしいゲーム感がありますが登場する魔法少女もなかなかにいやらしい魔法を持つ魔法少女が多い気がします。クソどうでもいいはなしでした。limitedアニメ化して薄い本がバンバン発売されてくれ。

 

 

好きなセリフについて。感動的な最終盤のセリフを引用するのは(そりゃそうだ)って気持ちになっちゃうのでlimited前編から持ってくるとして、そして名言だらけの魔法少女論は省くとして、「あのファッキン忍者め!クナイで身動きを封じるなど味な真似を!まずは助けてください!」がズドンと印象に残ってます。

好きだ……。ウェディンのセリフ回し好きです。羽菜さんとのやりとりも好きだし、プキンハーレムでゴロゴロ言ってるウェディンも好きです。やっぱかわいい。limited魔法少女ってかわいいんですよね……

 

以上です。苦しい。明日もがんばります。