すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女23日目:グラシアーネ

 

本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは68。グラシアーネです。

久々のACES魔法少女です。ACESの魔法少女は地味にツボをついてくる子が多くて、描写が少ないのになぜか心を掴まれます。グラシアーネちゃんもそんな魔法少女の一人です。がんばります。

 

 

 

 

グラシアーネ。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。人事トップのプフレにより呼びつけられた、「プレミアム幸子の強奪」という作戦においては名目上最強の三人チームが一人。

普段は市井の魔法少女ヅラして生活しているようです。月一でケーキ屋を開き、パティシエモチーフの魔法少女と魔法のケーキを売っているらしいです。ペチカに次ぐお料理魔法少女の存在を検知しました。かわいい。

 

 

「後ろ暗い記憶を処理済み」のプフレにとって初対面ではないということ、一応裏とはいえども人事部に所属しているあたりを考えると、暗殺専門で人事とは名目上完璧に関係のない存在だったレイン・ポゥクラスの後ろ暗い魔法少女ではないようです。

そういう意味ではプフレがかつて手にしていた「最強」のメンツではないのかな。人事に名前が載ってないタイプの魔法少女についてはプフレはきっちり忘れたことと思うので。

 

それでも強い。ダークキューティー・物知りみっちゃん・グラシアーネの三人組は……なんというか、殺意に特化しているでもなく、圧倒的な制圧力を持つでもなく、生存力がずば抜けているわけでもないのですが、安定感があります。純粋に強い。下克上羽菜とまともなスタイラー美々と袋井魔梨華がいるイメージ。そんな表現でいいんだろうか……。

とにかく下克上羽菜さんあたりの、「最強でもないけど相手どるとかなり厄介」程度の強さを持つ魔法少女が自分は大好きで。

観測手として役割を果たすグラシアーネは戦闘力的には前線組二人と比較してそこまででもないような描写(突然現れたブルーベルへの対応が二人よりも半テンポ遅い)があります。しかしそれでも、能力がかなり便利なものですし、あの三人組に組み込まれるのだからある程度足を引っ張らないレベルの戦闘力もしくは戦況判断力は持っているかなと思うし、つまり好きです。

 

 

人事三人衆はかなりどうしようもなく好きになりつつあって困っているんですが、それはそれとしてグラシアーネ単体について。グラシアーネちゃんについての描写はわりかし少ないんですが、それらの多くが自分のツボをついてきて本当に困ります(二度目)。

 

初登場シーンから好きです。ちょっとダルそうなグラシアーネと、それを窘める物知りみっちゃんの楽しそうなお芝居気味の会話。このかるーく役作りしている感じがたまりません。好きだ……。

「賑やかなようで目が笑ってない」グラシアーネ。こいつ絶対性格悪い。クズ魔法少女好きの血が騒ぎます。

人事勢については初読時はプフレ、そのあとはダークキューティーちゃんにかかりきってて、そこからアーネちゃんにもじわじわやられました。みっちゃんはストレートに初読時から好きでしたかっわいい……人事は変な子が多くて幸せです。

 

金持ちの庭を見て腹を立ててるあたりとか、デリュージの協力相手とは思えない程度に非協力的な態度を見て「十代の尖っている頃だったら奇声をあげてぶんなぐって」やっていたと考えるあたりとか、ああこの子クズっぽいな……昔はやんちゃしてたと言いつつ今でも棘抜けきってないっぽいな……と思わせてくれて最高です。

 

 

それでもただクズがクズを極めているだけの子ではないのがグラシアーネちゃんのいいところです。

物知りみっちゃんがリップルに殺されたとき。みっちゃんが殺される可能性を一応頭の中では考えているアーネですが、しかしその死を受け止めきれずに溜息を繰り返します。激怒・激昂というような激しい感情の昂りはありませんが、しかし心は浮ついたままで、集中に欠けていることを自覚しています。

こういう、ベテラン魔法少女がある程度思い入れのある仲間の死に相対する瞬間はとても好きです。フレデリカ然り、魔梨華ちゃん然り。アーネはサラリー魔法少女でもあるので前述二名よりも割合冷静を装ってますね。

ダークキューティー・物知りみっちゃん・グラシアーネの三人組は、ビジネスライクしつつ楽しそうでいいものです。かわいい。とても好きです……。

 

 

魔法について。グラシアーネの魔法は「一度見た事のある場所なら瞬時にメガネに映し出して見ることができる上に、まだ見た事のない場所も低速の視点移動で確認することができ、以降は瞬時に確認することができる」という索敵・司令塔としてはスペシャルな代物です。手出しができないけれどより都合が効くフレデリカという感じですね。チーム戦においては非常に具合の良い魔法です。みっちゃんと雑談をしながらもプク家の前を通る車に即反応したあたり、重ねて風景を見て同時に複数の場所を監視することもできるのでしょうか。

すぐれた魔法に胡坐をかかないのがベテラン魔法少女たる所以。グラシアーネは身体能力の恩恵として良い動体視力を持っているらしいですが、それを特訓で伸ばし、高速の風景シャッフルにも対応したとのこと。努力する魔法少女はすばらしい。

 

物知りみっちゃんを喪い、大きく戦力を欠いた上にダークキューティーのストッパーを失った人事チームですが、これ以降の活躍はあるのでしょうか。

ダークキューティーはスノーホワイトに執着していますが、アーネちゃんはそんなリーダーに一人でついていくのかな。ただプフレちゃんがあの状態なので次巻もこき使われそうです。

 

 

好きなイラストについて。アーネちゃん挿絵ない系魔法少女なんですよね……次巻の再登場を待ってます。ちなみにグラシアーネはコスチュームでは全然ピンとこなかった魔法少女でした。

 

 

好きなセリフについて。独白で言えば「天国で見守っていてねとみっちゃんに祈り、いるとしたら地獄かなと考え、あの世で見守っていてね、と修正する。」が非常に好きです。

セリフ……セリフによる効果を考えると、「それってプレミアム幸子よりも重要な人物ってことでオッケーなんです?」が非常に強い。

それまで感情に蓋をして蓋をして蓋をしてつとめて冷静にいつも通りに振る舞ってきたプフレのしっぽを見事に踏んづけた一言です。

そりゃあ自分の世界の中心たるシャドウゲールと、そのシャドウゲールを掠め取った敵が目くらましに使った囮(とも取れる)でありシャドウゲールの命を確実に奪うであろう存在を比較されたらまあ頭にくる。にっこりされてアーネも真顔になる。

自分はプフレが感情をあらわにする瞬間がこの上なく好きなのでこのセリフについてはグッジョブ!!という気持ちでいっぱいです。

 

 

以上。明日もがんばります。