すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女24日目:プリンセス・クェイク

 

 さて本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは53。プリンセス・クェイクでした。

 初のピュアエレメンツかな。がんばります。

 

 

 プリンセス・クェイク。登場話は「魔法少女育成計画JOKERS」。人造魔法少女4人(プラス魔法少女1人)組ことピュアエレメンツのリーダーです。

 外見がすごくかわいいですクェイクさん。非常に好みだ。

 もともと重量感のある巨大武器が好きなので、クェイクがブンブン振り回しているトゲ付きハンマーはピュアエレメンツの固有武器の中でもトップでお気に入りでした。あんまり使われなかったけど……

 

 オレンジと紫のストライプ、目玉っぽい砂漠っぽい雰囲気の装飾、ひらひらフリル付きのハイレグなど、どこを取っても素晴らしいコスチューム。趣味ど真ん中です。尻尾魔法少女勢なのもポイントが高い。

 ちなみにアイシャドウは紫。でネイルがオレンジ……寄りのベージュと紫のツートンカラーになってます。かわいい……

 ピュアエレメンツの挿絵はきらきら眩しくていつまでも見ていられます。コンセプトが似通っている魔法少女4人組、というのは、最初は少し残念な思いもあったのですが(個性的なコスチュームを見るのが好きなので)、でも最終的には超可愛い!ピュアエレメンツ最高!ってところに収まりました。

 

 

 さてそんな可愛らしく頼りになりそうで、まさにリーダーといった雰囲気の漂うオトナなクェイクさんですが……その中身といえばすごいことになってます。

 何と表現すれば良いんだろう。クェイクさんの中身こと茶藤千子さんは、すごく子供に優しいです。子供に優しすぎて……子供を常に見ています。

 

 子供の魅力に夢中で、子供が不幸になるのならそれを絶対に助けてあげなければと思っており、子供達の姿を遠巻きに見つめながらスケッチブックを子供で埋めています。

 こう書くと本当に変質者っぽいですが……自分の存在によって子供を怯えさせることは彼女の本意ではないため、全身全霊でその趣味が社会に、子供達に露見しないように努めています。変質者と見咎められない限り変質者ではないですからね。本当にそうか?

 

 幼い頃から、自分にはない子供たちが持つ愛らしさについてコンプレックスに思いつつも妬まず(!)ただ憧れをもって惹かれ続けた千子。一種信仰に近いその愛は異常ですが、異常ですが、素晴らしいものだと思います。愛の総量と熱量が。

 

 

 月刊魔法少女育成計画にて公開されたJOKERS短編第一弾こと「三角形の彼方」では、そんな千子さんが日頃どれほどの配慮をしながら子供達を愛でていたかの一端を伺い知ることができます。

 この人もなかなかに努力の形があさっての方向に全力疾走しちゃったタイプの子だなあ……と思わされるすばらしい短編です。いや本当に、誰も止めてくれる人が居なかったせいで頭がおかしい方向にずんずん突き進んじゃったタイプの人大好きです。

 

 

 そんな後ろめたさ漂う趣味を高尚で学術的なものだと嘯きつつこっそり愛でていた千子ですが……人造魔法少女育成計画に参加したのが運命の変わり目でした。

 魔法少女プリンセス・クェイクとなったことで、憧れていた少女の身体を得て、そして同じ少女たちと共に友情を育んで行けるという夢のような環境に大ジャンプします。ハーレム転生ものみたいですね。

 

 人間関係については悲観的で、女の集まりに関してはもっと悲観的なクェイクでしたが、自分が卑屈な立場から脱出したということも大きな要因となり、ピュアエレメンツというチームで育んだ友情のことは本当に大切に思っています。

 研究所に唐突に押しかけてきた闖入者から絶対に自分の楽園を守ると決め、リーダー然として振る舞い、年下の少女たちであるメンバーを傷つけさせまいと戦います。

 

 

 そして、展開は進み、クェイクはプリズムチェリーが操っていたはずの悪魔に襲われたのち、チェリーが居たはずのブリーフィングルームに駆け戻ります。インフェルノと共に駆けながら、プリズムチェリーに迫る危険を案じています。

 しかしそこにはブリーフィングルームを占拠したグリムハート・シャッフリンが控えているわけで、相手が悪い。チート中のチートことグリムハートには、戦闘特化の人造魔法少女が繰り出したアルティメットプリンセスエクスプロージョンだろうと通用する筈もありません。

 クェイクはグリムハートが呼び出したスペードのエースのシャッフリンからインフェルノを逃がすために、一人ブリーフィングルームに残ります。

 

 

 震えながら、怯えながら、それでもインフェルノテンペストのことを守ろうと自分の身を捧げるクェイク。

 魔法少女に変身することで、自分自身が自分に愛され愛することのできる少女になれるという喜びを知っていた彼女です。自分が生き残ることを優先して動くことだって出来たはずですが、クェイクはやはり、子供達を守ろうと動きます。

 

 あーー。ここの自己犠牲は本当に、すごい。彼女が守ろうとした二人は、しかし結局シャッフリンの狂刃に倒れたのですが……それでもクェイクがまっすぐに自分の正義を貫いたことには変わりはありません。

 スノーホワイトが聴いたクェイクの最期の声は相当堪えるものだっただろうなあ。

 

 

 エレメンツは生き残り以外無情な死を迎え、そして生き残りのデリュージも後日ものすごい壊れようを見せるという現状凄まじい有様です。デリュージはああなった理由が何かしらあるにせよ行くところまで行っちゃってるからなあ……

 

 

 

 さて好きなイラストについて。JOKERS口絵のピュアエレメンツ絵が好きです。華々しくて。再読時に見返して切ない気持ちになりました。みんながキラキラ笑顔でポーズを決めているのがとてもつらい。

 

 好きなセリフについて。本編中だと序盤のピュアエレメンツ和気藹々シーンでの「スカート透けてる人が関係ないといってますがどう思いますかインフェルノさん?」がなんとなく印象的です。

 

 以上。明日も頑張ります。