すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女26日目:レディ・プロウド

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは58。レディ・プロウドでした。

 JOKERS魔法少女が続くなあ!それにしてもレディ・プロウドかー。短編・魔王塾主催地獄サバイバルに言及しつつがんばります。

 

 

 レディ・プロウド。登場話は「魔法少女育成計画JOKERS」。

 外交部門のサラリー魔法少女ですが、外交部門所属にしては珍しく魔王塾所属ではありません。魔王塾が権益を身内で回していることが気に食わず、魔王パムをライバル視し、いつか自分が魔王パムを使役する立場になってやる、と心の内に炎をめらめら燃やし血を滾らせる熱き吸血鬼です。

 

 魔法は「自分の血を好きな液体に変えられるよ」。爆発物から魔法少女を酔わせる酒にまで、何でも変化が効く魔法です。魔法の活用として、定期的に血を抜いて小瓶に保存していたらしい。偉い。字面の上ではかなり応用の効きそうな魔法でしたが、JOKERSの舞台が閉鎖空間の物量戦だったためにあまり役には立ちませんでしたね。残念です……。

 

 短編・魔王塾主催地獄サバイバルの方では魔法少女を千切っては投げ千切っては投げの大活躍でした。JOKERSでは不完全燃焼気味だったプロウドさんの活躍が読めて嬉しかったなー。

 魔王パムに血で作った酒を振る舞った経験があるそうで字面が完全に魔法少女してません。結構な大言壮語してたらしいんですが酔っ払って気が大きくなって記憶飛ばしたんじゃないかなと勝手に想像してます。可愛い。

 

 

 コスチュームの話。プロウドさんの吸血鬼コスチュームが好きです。

 頭にはニンニク様のツノ。所々にコウモリモチーフがあしらわれています。巨大なマントもコウモリの羽のようです。多分あの羽マント飛べるってわけでは無いようで正真正銘のお飾りです。暗いところで光る目は一度見てみたかったものです。

 レディ・プロウドは牙持ち魔法少女です。貴人っぽい人に牙が生えてるのいいな。

 

 あの気高げな雰囲気とクラムベリーさん並に頭身が高そうなすらりとした背格好は、ああこの人格好よさそうだな~~と思わせてくれますが、プロウドさんの色々な激情を秘めた内面とは少しばかりギャップがあるような気がします。そんなギャップもかわいい。

 

 

 プロウドさんは自分の直属の部下ことアンブレンにご執心です。実際どういうことを考えていてのあの愛でようだったのかは定かではありませんが、クェイクさんと比べると比較的ボディタッチが多いタイプの愛情表現をしています。

 

 単にセクハラを気にしつつ触る上司と部下……という関係というわけでもなく。プロウドとアンブレンは、戦闘面でも息のあったコンビネーションを見せます。ふたりぐみで魔王塾以外の魔法少女に厳しい外交部門を生き抜いてきただけのパワーがあります。

 ただ、アンブレンが味方と思われていたシャッフリンに奇襲をかけられ、強奪させられてからプロウドは精神の平衡を大きく乱します。

 

 そこまでにアンブレンに思い入れがあったのか……。描写を追っている間はちょっと愛が行き過ぎた上司と部下の関係程度にしか思っていなかったのですが、あの取り乱しようを見る限りプロウドとアンブレンの裏にはもっと重い絆があったのかもしれません。もしくはプロウドさんが一方的に偏愛していたのかもしれません。

 

 動揺し、怒りを露わにし、冷静さを欠いたまま悪魔との戦闘にもつれ込んだプロウドは、ベテラン魔法少女らしからぬポカミスで行動を封じられ、一斉にタコ殴りにされて殺されかけ、最終的には鬨の声と共に体内の血液を魔法によって爆発性の液体に変え、悪魔数体を道連れに爆死します。壮絶だ……。 

 魔王パムと世代が近いということなので、死体が残ればひょっとしたら魔王の人間体の年齢推測の取っ掛かりにもなりうるかな〜って感じでしたが死体は残りませんでした残念。

 

 

 さてここの、ベテラン魔法少女らしからぬ失態について。個人的にここはJOKERSで腑に落ちない部分だったのですが、魔王塾主催地獄サバイバルの方で見事に説明というか、なぜそうなってしまったのか? という部分に関する示唆が得られました。

 レディ・プロウドの魔法少女は思いが全てだ」という言葉。魔王塾主催地獄サバイバルでこの言葉を呟いていたプロウドは、自分の体内の血液を脳内麻薬に変換して思考を鈍らせつつ戦いに特化させるという物凄い戦法を取っていました。魔王曰く奥の手とのこと。

 JOKERSで悪魔と戦っていたプロウドもその時と同じ戦い方をしていて、思考力が鈍っていたのではないでしょうか。

 

 これまでその猪突猛進的戦闘スタイルでも無事勝ちをもぎ取り続けていられたのは、地獄サバイバルの描写を見る限り、アンブレンによる素早く的確なフォローがあったためで。アンブレンを奪われたプロウドが、悪魔に片足を抑えられるという失態を見せたのは当然だとも言えます。

 というわけでプロウドのやるせない死もなるほどという気持ちになったのでした。いつか正面切ったプロブレンのコンビネーションも見てみたい。

 

 

 さて好きなイラストについて。これはJOKERS序盤の、手の甲でアンブレンの頬を撫でているプロウドの挿絵でしょうか。心が和みます。頬をプクーッと膨らませているアンブレンはとても可愛い。パワハラに注意しているプロウドさんはどこかズレているような気がします。(追記注:この部分は初版特有の誤植だったようで、増刷の折にセクハラに修正されていました。セクハラを気にするのは別にずれてない……ずれてないのかな?)

 

 好きなセリフについて。セリフかーー。安直ですが印象的だしまほいくワールドの魔法少女をうまく表現しているなあと感じる魔法少女は思いが全てだ!それが魔法少女だ!それが!」がやっぱり好きです。

 この辺は魔王と同意見なんですよねプロウドさん。プロウドさんは魔王が死んだことを喜んでましたが、それでもまあ魔王的には友人に近かったらしいし、いい感じの関係を築いていたんじゃないでしょうか。プロウドとパムには双方ちょっと天然の気配がある。

 

 以上です。明日も頑張ります。