すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女36日目:プレミアム幸子

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは73。プレミアム幸子でした。

 おお……幸子か……がんばります。ACES魔法少女だ。

 

 

  プレミアム幸子。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。

 魔法の国の頂点に立つ三賢人が一人のアヴ・ラパチ・プク・バルタ様の魔法少女の現身「プク・プック」によって、孤児院なのかな、施設という場所から拾い上げられた三姉妹(血のつながりは不明、たぶん無いのではないかな)の次女です。次女。末っ子ではない。

 次女にしてはかわいいぐずの子っぷりがすさまじくて、幸子のアワアワっぷりにふと誰を思い出したかと言えばたまでした。三姉妹の過去エピソードでは常になにかしでかしている幸子。かわいい。

 

プク・プックにスカウトされて屋敷に招かれるまでは幸子とソラミとうるるの三人だけでずっと一緒にいた。一緒にいる方が生きやすかったからだ。一人一人バラバラになっていれば奪われる人になる。三人一緒にいれば、三人分の強さがあって、簡単に奪われてしまうことはなくなる。誰か一人が風邪をひいた時は、二人の内一人が看病して、もう一人が風邪薬をくすねてくる。誰か一人が腹を空かせている時は、別の誰かがキープしておいたパンやお菓子を出してやる。寝るときはお互いの手を握り合い、誰かが怖がれば慰めてやる。

(中略)

屋敷に入ってからは、そんな生き方をする必要が無くなった。もう一緒にいる必要は無くなったけど、それでも ソラミと幸子と一緒にいた。

 

 そんな環境で育ってきた三姉妹です。この三人の過去は……重いですね。

 風邪を引いても医務室で休んで風邪薬が出されて、という訳ではない施設。満足な食事を与えられず、誰かがひもじい思いをしなければならない環境の施設。そんな奪い奪われる者がいる世界で、身を寄せ合って暮らしていた三人です。

「物心がつく前に」プク様に拾われたそうなので、その厳しい世界で過ごしていたのは物心がつくかつかないかという頃で……少なくとも六歳未満です。すさまじい幼少期だ。のっこちゃんの最年少魔法少女記録「四歳」を揺らがしかねない存在は宇宙美です。どうでしょう。

 

 幸子はプク様に拾われて以降、遠足に行ったり遊園地に行ったりお使いに行ったりDVD鑑賞会をしたりおいしいディナーに行ったりと三人で仲良く楽しい日々を送っています。このACES全域にちりばめられた楽しい記憶、読んでいてまきびしの如く心にグッサグサ刺さってきます。これ後後で更につらい思いさせられるやつだ……。

 先程の引用文から、「一人一人バラバラになっていれば奪われる人になる」という表現がありましたが、ACESラストで推定一人になってしまったうるるの運命やいかに。うるるはもう十分各方面の魔法少女から妹を奪われ続けていますが。というか彼女の元にはもうほぼ何も残ってないわけですが。心配です。

 

 

 プレミアム幸子は、ずっと昔に自分の魔法によって特別な友人二人をHTF的というかコミカル無残な手法で喪ってしまった――という経験を経て、プク様の「儀式」で自分がどういう役割を果たすのかをはっきりと理解していました。

 幸子が引き起こしてしまった「ほとんどの大人からは白い目で見られるようになった」という凄惨なその事件は、幸子が絶対に自分を許すことが出来なくなってしまった罪であり、絶対の正義たるプク様に反抗して家出をするきっかけの出来事となります。(プク様の魔法を受けていた幸子が、プクにある程度抵抗することが出来たというところは面白い。もしかするとプク様は三姉妹にはあまり強く魔法を使っていなかったのかもしれませんが)

 

 その家出が原因となって、妹・宇宙美がダークキューティーに屠られ。また一つ後悔を重ねつつも、幸子は自分の魔法を二度と使うまいという幼き日の誓いを守ろうと、家に帰りたくない、と踏ん張ります。

 この幸子の強いこだわりは、実際のところあまり他の姉妹には伝わっていなかったような気がします。プク様至上主義たるうるるには勿論のこと、姉二人をよく見てフォローする立場のソラミからも「プレッシャーに負けて家出をした」と思われている。

 うーん。どうなんだろう。幸子はプレッシャーと言うよりは自分の誓いを守る、これ以上自分の魔法で人死にを出さないために家出をしたのですが。

 

 幸子はふらふらぐずぐずしているように見えて、結構芯が強い子だったのかもしれません。日常的には普通にぐずの子ですけど、何かしらあれば家出をするという負の行動力はありますし。あれで厳しい幼少期を乗り越えた強い子だからなあ。

 

 

 そしてプク様の手に戻る直前、幸子はスノーホワイトの「なんでも入る袋」に入っていたところを、突然現れたリップルに引きずり出されて喉をクナイで一撃されます。死んだかどうかは定かではないのですが、とりあえず意識を失って魔法少女状態を解除してしまっています。生死不明。

 不明なんですが、不明なんですが……生きてるとほぼ確実に儀式がつつがなく執行されてシャドゲちゃんがぽけーっとしながら契約書に丸つけて装置が動いて世界(とシャドゲちゃん)がヤバいのでううう……作劇上生きていられると本当に厳しいところになる……意識不明程度で何とか……幸子ちゃんが死んじゃうとうるるの精神値とリップルの罪値がえらいことになるのであちらを立てればこちらが立たぬでえらいこっちゃです……

 

 幸子が生き残っていると世界がヤバイというのはフレデリカと初代ラズリーヌの反応から見て事実のようですね。幸子の魔法のレア度はもしかすると♡5あたりなんでしょうか。隕石に作用できるあたりはそれっぽい。丸をつけてサインさえさせれば現状殺すのが最も厳しそうなアリスにでも殺せる何かしらのミラクルが起きるんでしょうかね。

ACES魔法少女たちのFANBOOK的情報公開が欲しい。心から。FANBOOK2出ないかなー(欲張り)(追記:出た!!(魔法少女育成計画オフィシャルファンブック)嬉しい! QUEENSとF2Pとbreakdownも合わせたFANBOOK3出てほしい!

 

 

 好きなイラストについて。リップルにグッサーされている挿絵はあまりにもあまりにもなので、遊園地の猿山で発見されて怯えている挿絵……で。幸子の衣装はなかなか正統派にメジャー魔法少女のようないでたちでしたね。あの立ち絵ラフを見た時にこの子さっくり死ぬ枠か!?と思いました。実際初日犠牲者はパトリシアさんでしたが……。

 

 好きなセリフについて。セリフ……「わかんない!わかんないよ!でも、でも!儀式のことを考えると、嫌なことばっかり頭に浮かんで離れてくれないの!なんだかわかんないけど……」が印象的です。「いつもの幸子じゃない」とうるるが感じた幸子の言葉。幸子が過去の友人の死を悔いていることにあまり思い至っていないうるるからすれば、そう思うのは当然かもしれません。

 

 以上。明日もがんばります。