すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女40日目:スノーホワイト(ACES)

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは77。ACESでのスノーホワイトでした。

 スノーホワイトについて書くのはこれで二度目です。無印から3年を経てACESのスノーさんは高校二年生かな……多分……。がんばります。

 

 

 スノーホワイト。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。言わずと知れた主人公ちゃん。今回のACESで本当に主人公枠お墨付きを貰ってしまいました。

 スノーさんはJOKERSからの連続登場です。16人内で連続登場を果たしたのはスノーホワイトとデリュージが初めてかな。スタンチッカは別枠としまして。

 

 JOKERS→ACESで立ち絵は変わりましたが見た目上はそこまで変化なし。いよいよもって表情筋が死んでるような気がしまして不安です。

 スノーさんの特筆すべき外見上の変化と言えば、無印から段々と頭の花飾りが開いてきているということです。もうかなり大きくなっています。満開になったら散るとかそういうことはないと思いたい。

 


 JOKER終盤で「今の自分は本当に魔法少女狩りなんだろうか」と考え、無印最終盤からの軸がぶれつつあったスノーホワイトですが、ACES序盤ではそのぶれをある程度自分の中で収めたのか、言動に現れることはありません。(そのぶれが自己解決したのかと言えば、間違いなくしていないと思います。それでも「魔法少女狩り」としての活動を続けているのは偉い……)


 ACES第一章冒頭のスノーさんがどの程度プクの魔法の支配下にあったのかはまだ分かりません。勝手に「スノーちゃんはもううちの子ってことにすれば」と言われたり、「友達を探すお手伝いも出来る」と言われたりなんなり。読者視点だとプクの印象は真っ黒なんですが、それでもファルと同じく「スノーホワイトが了承したという事は、プクは白いんだろう」と考えます。少なくとも自分は考えました。

 

落ち着きを見せ始めていたスノーホワイトの心拍数が再び上昇していく。
「『魔法の国』を心から心配しているし、儀式で救おうと本気で思っている。プレミアム幸子のことも儀式を抜きにしても案じているし、それはプク・プック以外の魔法少女も同じ。さっきのソラミも」

声を落とし、「襖の向こうにいる人も」と付け加えた。

 

 この辺り……儀式に必要な要素(シャドウゲール)の確保についてや、儀式のリスクや、幸子がやること(シャドウゲール殺し)については、スノーホワイトはプク様の心を読めていない(読んだ上で認識していない?)んですよね。うーん。

 ここの描写、どこからどこまで信用してよいものやら。プクの魔法はやっぱり超高級魔法少女・グリムハートと同じく、一般魔法少女が相手取るのは不可能に近い強力なものなのかな。

 


 まあそんなこんなあって、スノーホワイトは「スノーホワイト・うるる・中野宇宙美」の三人組で幸子捜索の旅に出発します。敵意バリバリのうるると、それをフォローするソラミの二人とスノーホワイトは、即席グループながらも何だかんだ上手くやっているように思います。

 あのほのぼの散歩道中では、比較的リラックスした――というよりも、柔らかい感情を持ったスノーホワイトを見ることが出来ました。よかった……。点呼に応じてあげたり、 ソラミを仲介してうるるとも比較的温和に仲良くしていたり。親指立てスノーさんかわいい。


 JOKERSだとこういう、普通の魔法少女……というか、スレてない魔法少女達(ピュアエレメンツ、プリズムチェリー)は、皆当初はスノーホワイトと敵対寄りの存在だったし、そこまでほのぼのできる余裕もなかったので……うるる宇宙美とのこうした時間はスノーさんの心を少しでもほぐしてくれたかもしれません。

 移動中に「人助け」を挟むというのは、スノーホワイトにとってかなり心象が良かったのではないでしょうか。人助けガチ勢だし……。

 

 

 平和な探索の時間はあっという間に過ぎ、ACESの展開は段々と血がしぶき人死にの出る(いつもの)凄惨なものへと変化していきます。いつの間にか魔法少女を緊迫(ママ)し身動きを封じるための結び方」を習得しているスノーさん……。

 

 スノーホワイトは基本的に熟練魔法少女として、実戦経験のないうるる・ソラミを導いていましたが、オスク派チーム、大連合プフレチームがやってきた辺りからは流石に苦しくなってきます。

 特にダークキューティー。彼女にはかなりの苦戦を強いられます。

 彼女はスノーホワイトにとって明確な「強敵」でした。ただ戦闘においてではなく、総合力で完全に上をいくプフレチームを一人で相手にすれば、恐らくプレミアム幸子は確保されてしまっていたことと思われます。

 

 しかしそこにリップルの補助投擲が入り。それによりスノーホワイトは窮地を救われたものの、当然大きく動揺し、今までのソツの無さはどこへやら、ちょいちょいポカをし、ソラミを失い、かなり苦しい立場に追いやられます。

 

 

 うるるが助けを求めても救援は来ない。絶望的な敵の数を、自分と、うるると、幸子で乗り切るしかない。それでもどうにかこうにか逃げて逃げて、ダークキューティーの追撃に対しても、自分が囮になることで二人を逃がすことに努めます。 

 ここの、ダークキューティー戦第二ラウンド。ものすごく好きです。ダークキューティーちゃんの日の方で話しますがものすごくものすごく好きです。

 

 

 そんなこんな(ハムエルの直接演説など)があって、スノーホワイト――もとい、潜伏用に人間体に戻っての姫河小雪――はついに、プク屋敷の門前までたどり着きます。うるると幸子は袋の中。敵も居なくなっているし、目標達成か、と思いきや。

 

魔法少女反応、スノーホワイト以外に一名!」

スノーホワイトが走った。袋からうるるが飛び出し、追い縋る。

(中略)

うるるの抗議に構うことなくスノーホワイトの足は動きを走行から徒歩へと変化し、やがて止まった。

十メートルの距離に魔法少女がいる。よく知っている魔法少女だ。高歯の下駄、手裏剣の髪留め、忍者モチーフのコスチューム、隻眼隻腕でアームカバーを風に泳がせている。

事件に巻き込まれ、行方不明になったはずだった。スノーホワイトがどれだけ探しても見つけることは叶わなかった。街灯の灯りに照らされ、右半身が薄い黄色に染まっていた。

「……リップル

「久しぶり、スノーホワイト

懐かしい、懐かしい顔が、微笑んでいる。

 

 あー。あああ。うう。あああこの後の引用は以下省略です。激昂したうるるがリップルを殴り、それをとっさに庇ったスノーホワイトもまた殴られ。リップルは混乱し、悲しみ、怒り、感情を転換させながら、「もうスノーホワイトと一緒にいることはできない」 と心の中で叫び、スノーホワイトから背を向けます。

 

 ここ、スノーホワイトさんがリップルがなぜこれをさせられたのか、を理解していない(っぽい)のは謎です。フレデリカがやったという可能性に思い至っては居るんだろうか。そこは本当に次巻以降を待つばかり。

 

 

 これでスノーホワイトの「魔法少女狩り」という立場はまたしても大きく揺らぐことになります。リップルは明確にプレミアム幸子を殺そうとした。それは間違いのないことで、うるるにとってはリップルは「狩られるべき存在」です。フレデリカに洗脳されていたのだと言って通じるかなあ……。

 とにかくリップルは殺してはいけない子を殺そうとしてしまった。「悪いやつを狩ってくれ」というインフェルノの言葉だったりなんだったりを経て、うーん、どうするんだろうスノーさんは。フレデリカが全部悪いってことで決着してくれないかな。リップル本人は絶対にそれを許さないだろうなあ……。

 

 

 というわけでスノーさんの色々な表情が見れたACESでした。それはよかったんですが展開が非常に重苦しいものに。今回文字数がアレなので好きなイラスト/セリフは省略しまして以上です。明日もがんばります。