すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女49日目:プリズムチェリー

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは54。プリズムチェリーでした。

 プリズムチェリー。ピュアエレメンツの5人目の魔法少女。ピュアエレメンツは全員が全員過酷な運命を強いられてますがチェリーもわりあい難儀な子です。がんばります……。

  

 

 プリズムチェリー。登場話は「魔法少女育成計画JOKERS」。

 きらきらつやつやすけすけの可愛い子です。とても可愛い。衣装がなかなかレアリティの高そうな感じです。口絵のピュアエレメンツ+プリズムチェリーページはピュアエレメンツメンバー内でのチェリーの異質さを際立たせています。

 自分はマルイノ先生の発言まで一切気付かなかったんですが、プリズムチェリーは羊モチーフ魔法少女でもあるんですね!知ってから一層好感度が跳ね上がりました。欲を言えば角もついてて欲しかった。ツヤスケコスチュームにふわもこアームカバーレッグカバーという尖ったセンスは素敵です。

 チェリーは本当にキラキラした魔法少女です。かわいい。自分の事を「普通の魔法少女だと考えてますが少なくとも外見においては普通ではないです。その辺は素敵なポイントです。

 

 そんな彼女の魔法は「鏡に映し出すものを自由に変えられるよ」

 窓のないブリーフィングルームに鏡を一杯持ち込んで素敵な景色を一杯映し出して楽しんでいたというプリズムチェリーのエピソードがものすごく好きです。ファンタジックです。ピュアエレメンツとプリズムチェリーの和気藹々とした日々のことを思うと胸が苦しくなります。

 

 

 さて、プリズムチェリーは自分のことを「普通」「平凡」だと思い込んでいる魔法少女でした。

 中学一年生で魔法少女という特別な存在に召し上げられ、戦闘狂サークル「魔王塾」の見学をしてみたり(すごい)、自分の魔法をあれこれいじくり回してみたりして。そして自分が凡庸であると感じ……彼女はただ一人で淡々と人助けをして一人S市の担当魔法少女をやっていました。

 魔法少女になっても平凡な自分に呆れ、落ち込み、ふさぎ込みがちになっていた――プリズムチェリーはそんな、「平凡」から抜け出せずに苦しんでいた魔法少女でした。

 

 そしてそんな日常の中、スーパーマルダンの屋上で花火を見ていた時、チェリーの担当でない区域で「ピュアエレメンツ」として活動していたクラスメイト・青木奈美……の魔法少女体「プリンセス・デリュージ」に発見され。プリズムチェリーは紛う事無き「特別」製の魔法少女達と出逢う事になります。

 

 自分が持っている違和感を隠し持ったまま、ピュアエレメンツの5人目・「輝く曙光」として、不思議な研究所での日常を共にするプリズムチェリー。

 そんな非日常的日々を過ごすうち、彼女は自分があれほど憧れていた「特別」と触れているからではなく――「彼女たちと居るから」、ただそれだけの理由で自分が楽しく笑えていることを自覚します。素敵だ……。プリズムチェリーはJOKERSが始まる前段階で既に、「平凡」を嫌がり、自分自身に絶望していたかつての自分から一つ成長していたのでした。

 

 

 JOKERSの物語が進行し……自分側の魔法少女達がS市に現れたと知り、チェリーはとんでもなく慌て、怯えます。それは「ピュアエレメンツと自分との関係性が維持できないかもしれない」という怯えでした。

 このあたりで繰り広げられるデリュージとのすれ違いがちょっと微笑ましく悲しい。プリズムチェリーが悩んでいた時とまた同タイミングで、デリュージはプリズムチェリーこそが「人造魔法少女」なのではないか、護ってやるべきなのではないか、と考え、悩み、すっぱりと護ると言いきれない自分にも悩み、うだうだ考えています。

 この二人のうだうだが奈美と桜の学校での会話で双方ふっ切られるのがいいですね。奈美ちゃんの浮かべたすっきりとした笑顔は今となってはとんでもなく辛いものとして胸に来ます……。

 

 奈美と会話して吹っ切れたプリズムチェリーは「何があってもピュアエレメンツを守る」と心に決め、行動します。それは彼女が「特別」であることに拘っていたからではなく、ただただピュアエレメンツの事が好きだったがためです。

 

 だからこそ! チェリーはこの世で一番彼女を愛し、評価し、「特別」なものとして扱ってくれたであろう、ピティ・フレデリカの手により掬い上げられたとしても、その「特別」を選ばなかったんです。

間違いなく。間違いなく、フレデリカはチェリーをかつてなく「特別」だと見做してくれた魔法少女でした。プリズムチェリーはそれでも、「平凡」から脱出したがってあがいていたかつての自分なら取ったかもしれない手を振り払い、ピュアエレメンツを守るために死地に再度赴くのです。

 

 あがー……完璧です。プリズムチェリーは、示された選択肢を蹴って、自分の信じる道を進んだ魔法少女です。彼女は明確に提示された「特別」よりも、自分が愛した日常を選んだのでした。

 もしかしたらそれは正しい選択では無かったのかもしれません。あの激戦のただなかに、身体能力♡2の「戦わない魔法少女」が飛び込んだのなら、死は避けようもないものだったでしょう。プリズムチェリーは死ぬべくして死んだ魔法少女です。

 ですが、チェリーは自分の筋を通して生きました。素敵だ……。魔法少女になるような子(変な子)は多かれ少なかれ何か譲れないものを持っている気がします。そのために死ぬようなことがあったとしても、その死は「理不尽」なものでは決してありませんし、その決断を止める権利は誰にも無いのです。

 彼女の最期は苦しく無残なものでしたが、信じる道を選んだのは確かに彼女自身です。JOKERS読後、プリズムチェリーやクェイクの、怯えながらも真っ直ぐに自分の守るべきを守るありかたを「尊いなあ」と感じたのを憶えています。好きです。プリズムチェリー。

 

 

 さて好きなイラスト。JOKERS口絵のあわわってなってるカラープリズムチェリーが好きです。プリズムチェリーは高露出魔法少女なんですが、個人的には性的感は一切無くて不思議です。きらめき度が高すぎて神聖さのほうが高めです。

チェリーの少しだけ水色掛かった髪色が好きです。フレデリカさんが囚われるのもわかる気がする。

 

 

 好きなセリフ。「私も……私も、皆のことを守るよ。その、あんまり強くないけど」が好きです。チェリーは実際強くない子なんですが、シャッフリン・ジョーカーにすっぱり切り裂かれて、まだ戦いの場に戻ろう、皆を守ろう、と思えるその心は間違いなく魔法少女している(語弊のある表現)し、強い子だったと思います。

 このあたりの台詞、生き残っちゃたデリュージにものすごく呪いになってそうだなあ。ピュアエレメンツでは一番抱え込みそうな子なんですよね、デリュージ。

 

 以上です。明日もがんばります。