すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女51日目:トットポップ

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは47。トットポップでした。

 トットちゃん。魔法少女界で最もロックな子と言っても過言ではありません。

 がんばります。

 

 

 トットポップ。登場話は「魔法少女育成計画limited」。

 ざっくざっく切り揃えられた短髪を一部血の如く赤く染め上げ、トゲトゲヘアバンドを垂らし、チョーカーと言うか首輪と言うべき何かしらを身に着け。背中には謎の耳付きドクロを背負う。だるんだるんとしたボーダーのトップスに、骨柄サイハイソックスで全体的に黒っぽく纏まっている魔法少女です。

 黒っぽいというかパンクです。パンク魔法少女!格好いい。格好いいですトットポップ。固有アイテムの、返り血デザインの十字架ギターもイカしてます。

 この手の音楽に全く触れた事がないのですがロックなのかな。ファンクなのかな。よくわかりませんが素敵です。今のところあの方向性に尖った魔法少女はまほいく界でもトットポップちゃんだけです。唇ピアスは衝撃的だった。

 

 トットポップの喋り方は中々独特です。「~のね」「~よね」という語尾、「トット」という一人称、「ういっひっひっひ」って何て愛らしい笑い方。お喋りに秀でた子だけに会話の一つ一つがきらきらと輝いているようです。

 トットちゃんは名言がいっぱいです。彼女がマスターと慕う師匠・フレデリカとの和やかな掛け合いはほほえまです。

 

可愛らしく美しいのは魔法少女共通の特徴であるため特筆すべきことではなかったが、遠慮のない大きな笑顔はフレデリカの好みだった。なにより額にかかった一筋の髪が良い。艶やかで瑞々しいというだけでなく、短いながら一本一本の髪の毛に活力が詰まっているようだ。フレデリカはトットポップの頭に手を置いてよしよしと撫で、撫でられたトットポップは飼い主に甘える猫のように目じりを下げた。

 

 かわいい……。師匠と弟子の会話をもっと見ていたかった。フレデリカさんは浮気性なのでそこまでトットポップ一筋という訳でもないんですが、それはトットポップちゃんの方でもいえる事なのでお相子です。そんな関係性もまたオツなものです。

 


 名前の響きも超絶好きです。「名前」が好きな魔法少女を上から挙げろと言われるとまず無印の衝撃スイムスイム、続いて初代も拘るスーパー最強ネームことラピス・ラズリーヌ、その次にトットポップちゃんが来ます。
 余談ですがその次に好きな名前がシャッフリンで五位がピティ・フレデリカさんです。名前は魔法少女の魅力の一部を担っています。素敵です。大好きです。毎日語呂のいい魔法少女の名前を声に出して読み上げたい気持ちでいっぱいです。

 

 

そんなこんなでいろいろと素敵なトットポップちゃんは「魔法のギターで実体のある音符を作り出すよ」という見事に応用の効かない魔法を持っています。
 トットポップがギターをかき鳴らす時の「ぎゃりん」という効果音が好きです。音符は主に打撃攻撃の手段となりますが、遠距離攻撃には向かないらしく。うーん選ばれしレア度♡1魔法持ちに恥じない単純さです。ちなみにレア度♡1の魔法所持者はJOKERSまでシスターナナ・ウィンタープリズン・プフレ・ファニートリック・トットポップ・プリズムチェリー・アンブレンってな感じです。ピュアエレメンツはちょっと例外気味なので除外するとして選ばれし7人です。
 少し話がそれますが、ある程度ベテランな魔法少女が応用の効かない(それ単体では生き抜けないような)魔法を持ってるときは、その魔法少女は魔法とは別に、何かしら別の武器を持っているように思います。固有魔法ではないところで魔法めいたなにかしらの力を持ってて、それを武器にして生きてる子です。そういう魔法少女も居るんですよね、その辺十人十色って感じです。


 トットポップは(流れで)反体制派のリーダーを務める尖った経歴を持つ魔法少女です。スノーホワイトリップルの手によって刑務所にブチ込まれた師匠を助け出しつつ、反体制派の魔法少女部隊の上の「パトロン」さんが望んでいる、「『魔法の国』のある部門が飼ってる暗殺者を捕まえて大々的に告発する」という任務を遂行しようといろいろな魔法少女の手綱を取りつつ振り回されつつ軽やかに頑張っていました。

 パトロンさんからは魔法の端末にカメラを取り付けられ、向こうから状況が常に確認できるような状態になっていたようです。あはは。

 

 

 で、そんなこんなでプキンとソニアという世にも恐ろしい中世魔法少女を師匠が引きずり出し、任務に同行することが決定し。その辺りでトットポップのもう一つの武器といえる魔法めいた謎パワーが炸裂します。

 それは何か30分だか1時間だかの時間会話すると誰とでも仲良くなってしまえるというトットポップの天性の才能です。

 相手は虚偽を絶対に許さない地獄の監査官プキン様から魔法少女嫌いの魔法使いおじいちゃん、果ては半分殺意交じりのクラムベリーさんに至るまで誰でも。トットポップは聞き上手の話し上手で、誰とでも仲良くなってしまいます。「自己主張をせず相手に合わせるというのが彼女の自己主張」という遠藤先生のお言葉がトットポップのパワーの源を少しだけ説明しています。

 

 そんな素晴らしい天性の才能、フレデリカも真似できない固有能力を持っているトットポップ。彼女の脱落に、その力が生かされることはありませんでした。

 そこがすごく惜しいところですよね。会話を許さないままに無慈悲に殺す「魔王殺し」の暗殺者ことレイン・ポゥの素晴らしいところはトットポップとは一切会話せずさっくりうち倒したところです。思い切りが良い。会話してたらどんなことになってたのかわかりませんし。良手だ。

 

 

 トットポップの脱落は本当に「気がついたら死んでいた」というもので。初読時うっかり読み飛ばしました。魔王の死に呆然としていたらうっかり。あるあるだと思います。

 道端の石をどける程度の気軽さで殺されてしまったトットポップは虚しい死に方の極みです。「よくわかんないやつもくたばったよ」「ハズレ引いた」とまで言われちゃう。ひええ。怖いもの知らずな暗殺者ちゃんです。

 こういう死も好みではあります。魔法少女の世界は厳しくて、いつ何時さっくりやられちゃうのかわかんない感じが。でもトットちゃんの活躍は過去を遡る形でもっと知りたいです……。

 

 トットポップの脱落には、あの淀んで腐り切っていたフレデリカをまっとうに激昂させるだけのパワーがあって。それだけの魅力を持っていた魔法少女でした。あの辺とても好きです……。フレデリカがフレデリカに驚く場面。現在のフレデリカにとって、トットポップはどういう位置にあるんだろう。

 

 会話能力についてはちょっとばかし「チート」気味だなあと感じるので、出来れば戦う方の活躍が見てみたい。トットポップはともすれば何でもアリになっちゃう魔法少女で、そういうキャラクタって個人的には警戒してしまいます。けど、好きです、トットポップ。魅力的だ。ずるい……。

 

 

 さて好きなイラストについて。イラストー。トットは挿絵が1枚しかない魔法少女です。プキン犠牲者の怨嗟を目の当たりにしてちょっと気圧されちゃうトットポップ、かわいい。あんな様相を目の当たりにしてもたじろがないフレデリカさんは化物です。

 

 好きなセリフ。「日本語で伝えないとまずかった系の匂いはするね」がそうだねって感じでほほえましくて好きです。ほほえんでる場合じゃないんですが。

 

 以上。明日もがんばります。