すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女56日目:カフリア

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは57。カフリアでした。

 カフリア―。カフリアさんか……。この企画を始めるにあたってまず初めに不安に思ったのが「カフリアさんの日どうしよう」というところでした。短編も無いしJOKERSで長生きな方でも無いし……。

 いやカフリアさんにも喋るところはいっぱいあるはず。がんばります。

 

 

 カフリア。登場話は「魔法少女育成計画JOKERS」。

 「寡婦」リアさんという名前が伝えてくるように、喪服モチーフの魔法少女です。キュートでキッチュ、ストロングでパワフル、そんな「魔法少女」の世界に、明確に「死」という要素を運んできたお方です。

 魔法少女が死んだりするわけないでしょ!というのはrestart後編あとがきで紹介された遠藤先生の姪っ子さんの至言ですが、しかしながらカフリアさんは魔法少女の死をバンバン予言していく魔法少女です。いやそこまで予言したというところでもありませんでしたが。あまり魔法を生かし切ることなく脱落してしまったように思います。

 

 しかしまあこの人はとにかくコスチュームがよいです。どの世界観からやってきたんだという感じで、最早魔法少女とは……? という気持ちになりますがそれでも良いデザインなことには変わりありません。

 あちらこちらに仏花を纏わせ、彼岸花がデザインされたヴェールで口元までを覆い、不幸を象徴するような烏羽を背負い、帯留めは水引仕様になっています。すごい。見れば見るほど素敵だなあという感じです。

 

 全体的に真っ黒で低露出で、そして機動性に欠けるお着物なコスチュームです。

 ヴェールに隠されたカフリアさんの素顔はどんな感じなんでしょうかね。見えないことで想像力が働いてきっと美人さんなんだろうななんて考えてしまいます。実際ヴェールの裾から覗く紅を引いた唇はセクシーです。いいのかな口紅して。

 カフリアさんは外見年齢が気になる魔法少女です。結構高めなのではないだろうか。

 

 

 彼女の魔法は「誰が一番早く死ぬのかわかるよ」。初見時にうわあマジかと思った記憶があります。そんな魔法があってよいものだろうか。というか日常生活だと一切役に立たない魔法です。

 

 同じJOKERSでプリズムチェリーが自分の役に立たない魔法に悩んでいましたが、プリズムチェリーの「鏡に映し出すものを自由に変えられるよ」はまだ人の目を和ませるという活用方法があります。太陽光攻撃だってできます。

 しかしカフリアさんの魔法は活用が難しい。これは……彼女が見た「一番早く死ぬ」という未来、これは不変のものなんでしょうか。それとも彼女の努力次第でずらせるものなんでしょうか。

 変えられないものだとすれば魔法少女にはどうやっても跳ね除けられない運命というものが存在するということになりまして、魔法少女運命論者の自分は狂喜乱舞です。

 カフリアさんの魔法については補足が待たれます。過去短編書いてくださいお願いしますって一年前から言ってます。カフリアさんの日常生活が見たい……見たいんだ……

 

 

 カフリアさんの魔法が登場したことによって、まほいく魔法の可能性がまた一つ広がったように思います。

 カフリアの魔法は言い換えてしまえば「未来視」の一形態です。魔法少女が時空間を越えられることは既にマジカロイドやねむりんが証明していましたが、それにしてもこれほど直接的に魔法少女達の運命を見定めることが出来る魔法が登場するとは思いませんでした。

 

 カフリアさんの魔法がどのように働くかというと「視界内にいる人間の中で、誰が一番最初に死ぬかがわかる」という機構になっているそうです。

 あー。これ、自分は「一人でいる状態で鏡を見れば常に自分の頭にはドクロが浮かんでいる」という空しい魔法だと解釈していたのですが、よくよく考えてみれば7753が自分を鏡で見た時に魔法が使えていないのと同じように、カフリアは自分自身を見ることが出来ないので自分がいつ死ぬかは常に魔法の範疇の外にあるような気がします。

 

 いやでもカフリアさんは「少なくとも次は私じゃないから」と言えてるんですよね。うーん。そうなると自分も対象に入れた上で魔法が発動しているような気もするけど。

 まあブラフの可能性もあるしなあ。カフリアさんが自分も魔法圏内に入れることができるのかどうかは謎のままですが……自分が魔法の対象になったとしても、ならないでも、どちらにせよ嫌な気分になる魔法なことに違いはありません。

 

 

 さてカフリアさん、本編では正直なところほとんど活躍のないままに脱落という運びになってしまいました。

「揉め事がある場所へ顔を出して解決を手伝い心ばかりのお礼を貰って暮らしている」という彼女の生き方は、傭兵寄りのウッタカッタと比較して非戦闘的なものだったように思えます。彼女は戦闘向きの魔法少女というわけではなかった。

 歴戦の魔法少女でさえばたばた脱落する地獄以下の場所こと研究所なので、カフリアさんはたとえ不意を突いてシャッフリンに捕獲されることがなかったとしても相当に脱落濃厚だったような気がします。

 

 それにしてもなあ。カフリアについて印象的なのはビルの屋上でのデリュージ・テンペストVSフリーランス三人組のシーンです。彼女は身体能力が♡3つと、少し控えめなものなのでテンペストにものすごい勢いで頭突きされて吹っ飛ばされてました。うーん、ピュアエレメンツは強いのでどうしようもないことですがそれにしたっても弱い。

 

 身体能力♡3と、♡4の魔法少女の間には結構力としての隔たりがあるような気がします。♡4つ以下で戦う魔法少女をやっている魔法少女は、何かしら魔法の活用などでそのハンデをカバーしているのですが、カフリアさんについては魔法の活用のしようがありません……。

 うーん。厳しい。しかしそれでもカフリアさんは強気でした。本国の魔法少女(グリムハート・シャッフリン)を目にした後でも引き返す気はありません。そこまでの自信に繋がる経験値があったからこその強気だったのかな。実際経験豊富感はあります。

 

 しかしながら悲しいことにクビヲハネラレ勢として脱落してしまうカフリアさんでした……。第一号です。「一番早く死ぬ」と予言したシャッフリンと同じ顔のシャッフリン・ジョーカーちゃんに自分自身が殺されてしまうという皮肉。どうにか助かろうとしていたのか、色々と喋っていたようで、その辺がまた胸に来ます。

 グリムハート・シャッフリンの視点だと、魔法少女達は本当に動物程度の扱いしかされていなくてひええという感じです。うるさいから一番最初に殺されちゃうカフリアさん、悲しい……。

 

 

 さて好きなイラストについて。デリュージ・テンペストVSフリーランス三人組のあの挿絵が好きです。カフリアさん爪塗ってたんですね(立ち絵では確認できなかった)。何色に塗ってるんだろう。黒かな。

 

 好きなセリフについて。「一番早く見つけた人が、あんな大声出してればダメよねえ」が好きです。カフリアさんの微妙になれなれしい感じの言葉遣い、新鮮で好きです。というかフリーランス三人組の言葉遣いの絶妙なバランスが好き。はーー活躍が見たかった……全滅するとは思わなかった……。

 

 以上。どうにかなりました。明日もがんばります。