すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女64日目:アカネ


 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは28。アカネでした。
 アカネちゃん……。目が死んでる系魔法少女です。がんばります。

 

 

 アカネ。登場話は「魔法少女育成計画restart」。
 クラムベリーみたいに露出度高くないほうがいいなぁ、という本人の意思が反映されたのかどうかは知りませんが、比較的露出度が控えめなコスチュームの魔法少女です。それでも片袖を落としているので胸がガッと晒されています。


 そんなコスチュームがよく見て取れるrestartでのアカネの立ち絵の表情は壮絶です。くっと眉根が寄った姿はepisodesに収録された「アカネと愉快な魔法少女家族」を読んだ後に見返すとううう……という気持ちになります。何が愉快だ。

 アカネは短編の読前読後で印象がさっくり変わってしまう魔法少女です。アカネのことがあったので、魔法少女は補完短編が出てナンボというイメージがあります。limited以後の短編補完も待ってるよ……。

 


 アカネの魔法は「見えているものならなんでも斬れるよ」。「固有アイテムである刀か脇差を振り上げて下ろす」事を一過程として、任意の場所で剣を振るった結果を発生させることが出来ます。
 魔法少女は視界が大事なカギになっている子が多いです。リップル然り7753然り。アカネもその一人です。

 

 アカネの魔法については、初めてアカネとまともにやりあったマジカルデイジー「斬撃を飛ばしているのかとも思ったが、動いてから破壊までの時間差が全く無い。なにかを飛ばすというのとは少し違う」と表現しています。余談ですがこういう、初見状態でぶつかり合った魔法少女が相手の魔法を把握しようと慎重に動いているシーンとても好きです。

 アカネもデイジーも戦闘に関していえばrestart勢ではなかなか秀でた部分のある魔法少女なので、序盤のこの戦闘はとても見ごたえがあります。

 


 デイジーやペチカに喧嘩を売ったりなんなりしつつ、アカネは序盤から音楽家を探してふらついています。精神的に強化され、人間では耐えられないような精神的ショックも乗り越えることが出来る現代製魔法少女でありながら、アカネの精神は明らかに崩壊しています。

 同じrestartで言えば、@娘々が少し魔法少女のままでも暗く、落ち込みがちになっていましたが、それでも正気を保ってはいました。アカネのそれは完全発狂状態に近いものです。


 彼女の行動原理は「せめて音楽家に一太刀でも浴びせたい」ただそれだけ。

 魔法少女が集められ、これが森の音楽家クラムベリーがかつて開催した試験と非常に似通った雰囲気を纏っていることを理解した時、アカネは「またやらされるのか。もう終わったのではなかったのか」と虚空に向けて呟きます。
 彼女にとってはクラムベリーの試験が再度行われると言うことは、「せめて一太刀」と誓った怨念・執念がついに晴らされる機会であり、同時に自分の家族全員を失った絶望の日の再来でもあります。アカネはもうぐちゃぐちゃです。

 

 それでも一応「音楽家かどうか見極める」ことはやろうとしているアカネちゃんは偉いです。彼女は狂人ではありましたが、音楽家ではないものの命を無意味に奪おうとすることはしませんでした。えっと、暴走するまではの話です。

 アカネはゲームも生き残りも気にかけることなく(再度開かれたデスゲームで生き残りたいという思いがあったならば、ペチカは最序盤での犠牲者になっていたはずですから)ただひたすらに音楽家を探し、探し、探し、そしてついに探し求めていた音楽家と出合います。

 その音楽家とは夢ノ島ジェノサイ子です。

 

 ……いや、ここに関しては、アカネちゃんはぶっ壊れているのでこんな取り違えが起きちゃうのも仕方がないことだと思います。「音楽家か?」と尋ねて「そうだ」と答えられたらもう全力で殺しに行くしかないわけです。

 非常に冷静に、ジェノサイ子を守っているスーツの内側を斬りに行ったアカネの判断力はすごい。狂っていながらも、研ぎ澄ませてきた殺意が形になった瞬間です。

 

 

 というわけでアカネは音楽家を斬ってしまいました。彼女が生きるよすがにしていた復讐は、彼女の中でだけ果たされてしまいました。

 なのでアカネにはもう生きる理由は無いのです。家族を失い、病院でただ音楽家を斬ることを夢見続けた彼女は満を持して完全に精神崩壊します。

 

 後はrestart序盤の大立ち回りことアカネ戦のあるままです。@娘々によりビルで押し潰されて彼女の復讐劇は完結します。音楽家に重度の精神的ダメージを負わされたアカネを殺してしまったことが、音楽家に中度の精神的ダメージを負わされていた@娘々の負荷になっていきます。音楽家被害者の会が殺し合っている……。

 

 もしも、もしもアカネがあのタイミングでのっこちゃんを斬っていれば、restartの犠牲者は比較的少なかったんですが。しかしそんな推測はどこをどうしても無意味です。なるようになるのが魔法少女育成計画であるので、もしもの話をしてもどうしようもない……。

 そういえば、アカネは精神が完全崩壊していたからこそ、のっこちゃんの魔法の影響を受けずにのっこちゃんを無作為の攻撃対象に選ぶことができたのでしょうか。その辺りは謎ですね。しかし実際のところメルヴィルの攻撃対象リストからは完全に逃れていたのっこちゃんだけに、アカネさんが魔法の対象外だったとしたら対アカネ戦はのっこちゃんにとって一番厳しい対戦カードだったのかもしれません。

 

 

 さて好きなイラストについて。あーー。episodesの「アカネと愉快な魔法少女家族」の挿絵が好きです。崩壊前のアカネすごく良い子だった。あの子があそこまで壊れたってことは、ただ家族が死ぬ以上の悲惨な体験をしたのかなあと思います。嫌だな……

 

 好きなセリフについて。セリフ……?こっちは本編からで、「音楽家ァ」がやっぱり印象的ですね。「かぁ」で振りかぶるところ。ぜひ動画で見たい。

 そういえばプフレVSアカネっていう謎カードもrestartには存在していたのでした。アカネ戦中のプフレとシャドウゲールはどういう会話をしていたんだろうか。あそこはシャドウゲールのナイスセーブでした。

 

 以上。明日もがんばります。