すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女67日目:シャッフリンⅡ

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは69。シャッフリンⅡでした。

 シャッフリンⅡ……。JOKERSであれだけの猛威を振るったシャッフリンのバージョンアップ版です。ひい。ラフ絵でその存在を確認した時はまたあれが始まるのか音楽家……という感じの心境でした。がんばります。
 

 

 シャッフリンⅡ。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。
 JOKERS,ACESとトランプシリーズが続いていますが、それに対応するようにトランプ魔法少女のシャッフリンも続投です。
 
 いえ、正確に言えば続投ではありません。前巻、JOKERSでグリムハートの側に控え、シャッフリン達を指揮し、ブレインとして暗躍した存在、シャッフリン・ジョーカーちゃんが不在のシャッフリンⅡです。
 名前はほとんど同じ、見た目もほとんど同じですが、実際別個体。姉妹型です。
「姉妹型」って表現、ものすごくロマンに溢れている気がします。しかしおよそ魔法少女にあてる呼び方ではないと思う。
 
 描写を追う限りシャッフリンⅡは結構いろいろな種類居るようです。カスタム可能とのことなので。今回はハムエル指揮官の元でがんばるシャッフリンⅡの話です。ハムエルの魔法が有用に働くようにチューニングされています。
 シャッフリン系列、オスク派の元にどのくらいいるんでしょうかね……。製作コストとかどの程度のものなんだろう。謎。
 
 
 JOKERSシャッフリンと、ハムエルさんちのシャッフリンⅡの主な違いとしては、まずはやはりジョーカーが居ないこと。
 総員が52体のシャッフリンⅡです。意思の統括をする存在が欠けたことで、シャッフリン達は実際烏合の衆と言えます。個々でなんとなくの感情・意思はあるようですけど、あの人間味に溢れていたジョーカーちゃんほどの感情はありません。「よりホムンクルスに近くなった」存在。
 そんなシャッフリンのまとめ役として、CQ天使ハムエルが魔法を活用して指示を飛ばしてくれています。
 
 ジョーカーが居ないということは、すなわちJOKERSでのゾンビ戦法が使用できないということでもあります。シャッフリン達は、死んでしまったらそこでおしまい。復活は無しです。
 なので(ハムエルの指示に従ってですが)個々を守りあうような行動がシャッフリンⅡ間で見受けられます。それが魔法少女の心に追い打ちをかけた訳ですが。
 
 
 このバージョンアップについては、JOKERSでグリムハートとシャッフリンの存在が周知のものとなり、敵方にとって「捕虜=死」という等式が生まれてしまったことによってその戦法が取りづらくなってしまったので、ハムエルがいっそジョーカーの存在ごと切り捨ててしまったという感じですね。非常に自然な思考だと思います。
 ジョーカーが居なくなった分、個々の能力が少しだけ引き上げられているそうです。ブーツのリボンが一つ多いらしいです。お洒落。
 
 後はハムエルがカスタムした能力として、探索の助けとなるように言語能力が付与されているとのこと。そういえばシャッフリンⅡはキィキィ言ってなかった気がします。と言っても言葉は喋っていませんでしたが。その気になれば会話も出来たのだろうか。
 
 
 違いとしてはその程度でしょうか。結構現実的な改良をされていることと思います。
さあではこの改良シャッフリンⅡがどのような活躍をしてくれたんでしょうかと言えば、なんとびっくり基本的に被害担当でした!
 
 あー。いやこれは相手が悪い。相手が悪い……。スノーホワイト・うるる・ソラミを追い詰める、トリモチ銃を使っての追い込み漁はすごく見事で、おー理詰めだ素敵だ、と思っていたんですが。
 悪魔の大群、そして「鬼か悪魔かのような形相で」脇目も振らずにシャッフリンをばったばったとなぎ倒す地獄から蘇ったシャッフリンハンターちゃんの襲来により、シャッフリンは狩る側から狩られる側へと立場を変えたのでした。
 
 可哀想に。高所を安全区域として陣取って指示を飛ばしていた司令塔のハムエルも、悪魔に襲われて退散してしまい、シャッフリンⅡは指示のないまま撤退戦をしなければならなくなります。武器がトリモチ銃なシャッフリンⅡは悪魔に歯が立ちませんし、槍を持ってるシャッフリンⅡもデリュージが相手では屠られるだけです。ああ地獄。
 
 
 そんな地獄のシャッフリンⅡの殺され方はバリエーションに溢れています。内側から氷漬けにされて砕かれる。氷の矢で頭部を撃ち抜かれる。喉を矢で射抜かれる。目を矢で貫かれる。槍で首を薙がれる。首の骨を踏み折られる。震えて隠れている背中から心臓を貫かれ、内部から氷漬けにされる。
 
 ははは。ひっどいなー!JOKERSでのシャッフリンの所業を無関係のシャッフリンⅡが償わされています。シャッフリンⅡは一人の魔法少女の怨念によりハムエルちゃんも思わず諦めるほどの大被害を被ります。
 負け戦ではあるのですが、デリュージちゃんを相手取ったシャッフリンⅡの戦いぶりとしては、やはり耳栓・手錠というハンデを負った上でなおデリュージをギリギリまで追い詰めたスペードエースの戦闘が見事でした。あの矢継ぎ早の戦闘描写、好きです。
 
 
 スペードエースもデリュージの前に敗北し、今回のシャッフリンⅡは本当に踏んだり蹴ったりな有様でした。ACESを読む前はシャッフリンⅡ……コワイ……コワイ……という気持ちだったのに、今となってはひい可哀想なね……でもデリュージも可哀想だからもう何も言えない……って感じでした。
 シャッフリンⅡを殺すデリュージは全然気が晴れてなくて、むしろ行ってはいけない方向にズブズブ潜っていってる気がして、殺されたシャッフリンⅡ達も浮かばれません。悲しい。
 
 さて今巻では散々の酷い目にあわされたシャッフリンⅡ。ACES次巻では再登場するのでしょうか。ここまで酷い目にあわされて、何かしらの意趣返しをしに来ないとも限りません。シャッフリンⅢの登場はあるのでしょうか。
 
 個人的にはシャッフリンシリーズ、結構好きなので、シャッフリンⅢが以降で登場するかもしれないとしてもそれは大歓迎です。ただ貴重な「16人の魔法少女」枠の一つをシャッフリンシリーズが占めてしまうというのは残念ではある。再登場魔法少女が多いとそこが辛いところですね。
 Ⅲが出るとして、どういう子になるんでしょうか。物量戦なあたりはコンセプトとして残ったままかなあ。数で押すの、単純に「強い」ですから、そこは外さないだろうか。気になるばかりです。
 
 
 さて好きなイラストについて。巻末のマルイノ先生後書きの涙目♡3シャッフリンが可愛いです。多分デリュージに背後から心臓貫かれた子です。ひい。
 
 好きなセリフ。セリフなし!
 
以上。明日も頑張ります。