すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女69日目:マナ


 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは43。マナでした。

 まいにち魔法少女と言いながらマナさんは魔法少女じゃない! しかしながらとらのあなポータルページのキャラクターページにはマナさんも居ますし、「16人の魔法少女たち」枠にきちんと入っているのでマナさんもまいにち魔法少女枠で取り扱います。

 マナさん。トップスピードに続く魔女っ子スタイルの魔法使いちゃんです。魔法少女育成計画の世界を深める存在ですねー。がんばります。

 

 

 マナ。登場話は「魔法少女育成計画limited」。
 彼女は魔法少女かと思いきや……なんとびっくり「魔法使い」なのでした。いや本当驚きました。limitedまでで登場した魔法使いは、restartでスノーホワイトが会いに行った、管理部門の魔法少女嫌いのお爺さんとマナただ二人きりです。若い魔法使いも居るところには居るんですねえ。考えてみれば当たり前ですが。

 

 魔法少女育成計画limitedでは、魔法使いは魔法少女とはいろいろと異なるのだということが強調されていました。

 自分の目だと魔法使いよりも魔法少女の方がかなり優れた生きもののように感じてしまうのですが、実際のところどうなんでしょう。魔法使いたちはまだ魔法少女よりは人間してるような気がします。limitedの魔法少女達の中にはとりわけクリーチャーに片足突っ込んでる子も居ますし。怖い。

 

 

 マナさんについて話を戻します。彼女は結構衣装持ちの子です。
 立ち絵の衣装は何なんでしょうか。制服の上着を脱いだバージョンでしょうかね。三角帽がキラキラしていて素敵です。トップスピードよりはオールドスタイルの魔女をイメージさせます。

 7753がプフレの指示で向かったカラオケボックスの中では変装モード。

 

もう一人は、恐怖は無かったが違和感を覚えた。十代半ばと言う外見年齢は他三名と共通しているものの、なにかが違う。ふち無しの丸眼鏡、無造作に後ろで纏めた髪、飾り気のない衣装……衣装というより普段着のようにさりげない。紺一色のカットソー、ゆったりとした若草色のチュニックにグレーのカーディガン、ベージュのコットンパンツ、ソファーの肘掛にブラウンのコートを畳んで置き、足は知らない外国ブランドのスニーカー。頬にうっすらそばかすが散って、きりりとした眉からは意志の強さを感じる。表情は苛立たしげだ。

 

 よい文章だ。まとまった外見描写は幸せです。
 魔法少女と魔法使いはやっぱりなにかしら「違う」ものなんですねということが描写からわかります。魔法少女カワイイブースト無しに魔法少女の中に混じっていられるマナさんは実際美少女なので強い。

 

 しかし美少女であるところのマナはlimitedにおいて基本的にイライラしっぱなしなのでかわいい顔も台無し……いや不機嫌な美少女もそれはそれでかわいいので問題ない。

 彼女がイライラしているのは「そういう子」なことも勿論理由としてあるのですが、limitedでの初登場時には既に班長として連れてきた魔法少女の一人をレイン・ポゥちゃんに首の骨を折られて殺されているので、その辺りの緊張やら責任やらを抱えた結果神経質になっているものと思われます。
 のちのち羽菜さんと連絡が取れなくなったマナさんはこれ以上なく動揺して7753に八つ当たりしたりしています。不安になればなるほどイライラが表面に出てしまうのでしょうか。作中でも言及されていましたが、不安を怒りで押し隠している姿は無印リップルを彷彿とさせますね。

 

 そのマナさんを羽菜がフォローする形でどうにかこうにか成り立っていました監査チームですが……。7753のゴーグルから発生した電波ジャミング効果で分断されて、各々が離れ離れになった後、羽菜のフォローを失ったマナは精神的にどんどん追い詰められていきます。

 

 

 そんな神経質な振る舞いの多いマナさんの見所といえばやはり、羽菜の脱落以降のありかたでしょう。
 監査部門がどうとかいう題目は吹っ飛び、私刑によって友人の仇を討とうという怒り狂う少女としてのマナ。このまま彼女が突き進んでいたら、無印当時のリップルとほぼ同じような思考で敵討ちに向かって、そしてあのプキン将軍が相手なのでどうしようもなく返り討ちにあって……そんな結末もありえたのかもしれませんが。

 しかしながらプフレの入れ知恵を受けた7753による説得、「羽菜さんがなんのために、この仕事に志願したと思っているんですか」うんぬんかんぬんを受けてマナさんは少しだけ踏み止まります。踏み止まったのだろうか。ともかく自殺的な行動は先延ばしになります。

 無印リップルはトップスピードを失って一人ぼっちで、それでスノーホワイトの静止も振り払って一人私刑を行うことを選びましたが、マナはまだ側に羽菜が信用した(という体の)7753が居た、ということが自暴自棄にならない支えになってくれたのではないでしょうか。

 

 

 そこからのマナさんはlimited前巻でのヒステリック具合からは比べ物にならないような落ち着きを見せてくれます。フレデリカに「下克上羽菜さんはお元気ですか?」なんて聞かれようとも冷静に振る舞っています。すごい。

 余談ですがこの時の挿絵の衣装もほかとは違うものです。「魔法学校の制服」モードですね。挿絵にはありませんがマナさんにはキャミソール一枚モードもあります。ここのお着替えシーンを見とれて眺めてる7753は一体なんなんでしょうね。素質がある。

 

 フレデリカの電話を受けて以降、何だかんだの何だかんだで事態は急転し。大量破壊兵器がB市に投入されると知り、マナは中学生魔法少女や7753を結界の外に逃がしてピティ・フレデリカとの共同戦線でプキンを殺そうと意図します。

 このあたりまだやっぱり羽菜さんを失ったことによる自殺的な振る舞いへの欲求が消え切っていない気がします。「刺し違えてでもどうにかしてやる」という覚悟ですから、そもそも生き残る気があんまりなかったのかもしれない。

 

 しかし中学生魔法少女達と7753は各種様々な想いの元にその場に残ったので、マナ&ピティ・フレデリカVSプキンという意味不明な展開は立ち消え、あの怒涛の最終決戦が始まります。

 マナは注射首筋6本という文章にするにも悍ましい過剰ドーピングによりプキンと15秒押し合えるパワーをゲットします。その結果ファニートリックと繰々姫の合わせ技が発動してプキン将軍の胴体を2分割することに成功したのですが……ドーピングの結果マナはばったり倒れて、limited本編の登場としてはそれきりです。

 彼女の生存はエピローグにおいて黒幕ちゃんの「近々班長が表彰されるらしい」という言葉でのみ語られます。ひっどい。limited後日談の短編「ゴーグルと亀」で生存確認できたマナは可愛かったですね。生きててくれてよかった……。

 

 生き延びて、しかしそれで満足して足を止めることなく、ひたむきにB市の謎を追おうとするマナさん、よい。丁度当人が記憶をなくしていることですし、上手いことlimitedの黒幕魔法少女の足元をすくってはくれないでしょうか。今後のマナさんの活躍にハラハラドキドキです。

 

 

 さて好きなイラスト。魔法学校の制服モードで割れた眼鏡でスマホ持ってるマナさんの挿絵が好きです。あのスマホは希先生のもちものですが、それっぽいキーホルダーがついていてかわいい。

 

 好きなセリフ。これに関してはまず間違いなく「よくよくのクソだな!お前を信じて死んだ羽菜は死に損だ!」ですね。「よくよくのクソ」という言葉は本当に強い。あと羽菜さんは実際死に損なので胸が痛い。

 

 以上です。これでlimited魔法少女について書くのは全員終わりです!シリーズ最初の16人全員終了ですねー。明日もがんばります。