すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

コミカライズ感想 4話

今日もコミカライズの感想です。4話。

 

3話感想:

mgrp.hatenablog.com

 

3話はメアリとリップルが戦い、どうにか相打ち程度のところでトップスピードが仲裁して一安心、リップルの魔法でも人助けはできるんだねよかったね、そしてハードゴア・アリスがついに魔法少女デスゲームに参戦!というところまででした。

 

 

いよいよオリジナル展開が加速し始めた4話です。「週末チャットまであと4日」の夜のお話です。

コミカライズ版のスノーホワイトは表紙からカラーページから何から困り顔の一本調子で、笑顔の絵が非常に少ないのが悲しい。コミカライズは既にデスゲームが始まってしまった世界で1話が始まるので、あの可憐でぴかぴかした「魔法少女育成計画」の表紙のような微笑みは見られるはずも無いのですが。

 

 

 EPISODE:4感想

冒頭から早速戦闘です。スノーホワイトを庇いつつ剣で瓦礫を打ち払うラ・ピュセル

鉄塔を打ち出し攻撃してくる「空間転移系の魔法」の持ち主とは果たして一体何者でしょうか。何となく魔法少女育成計画restartに登場する@娘々の魔法を思い出します。

 

 

スノーホワイトはかなり精神の平衡を失っています。「こんなことになるなら魔法少女になるんじゃなかった」とか言う。

漫画版のスノーホワイトは「魔法少女」という存在に自分のアイデンティティを委ねて、いっそ狂的に魔法少女を愛していた原作の姫河小雪と地続きの存在ではないので、魔法少女スノーホワイトとしては結構重いような気がするセリフもうーん少し唐突で軽く聞こえてしまうかも。すごいこと言ってるんですけどね。

 

そんなスノーホワイトを慰めるラ・ピュセルスノーホワイトが失いかけている魔法少女への憧れを取り戻させようと、あれこれ言ったり見せたり暴露したりしてとにかくスノーホワイトを笑顔にしてあげます。偉い。

ラ・ピュセル脱落以後のスノーホワイトの笑顔喪失具合を思うと本当にこの一幕が切ない。しかし「正しいことをしている魔法少女は絶対死なないはずだ…!」はばっちりフラグその1だ……

 

 

スノーホワイトに自分が姫河小雪の幼なじみの少年、岸辺颯太であることを告白するシーン。原作ではアッサリ暴露されてるこのびっくり情報ですが、コミカライズでは4話まで引っ張られています。しかし原作だとラ・ピュセルはどちらかというと色々とより女性的で、コミカライズのラ・ピュセルは仕草や時々ぽろっと出るセリフがより男性的……というよりは、少年的です。ねじれてる。

 

 

なぜコミカライズ世界でのラ・ピュセルが自分が岸辺颯太であることをスノーホワイトに伝えなかったのかと言えば、やはりそれどころではなかったというのが理由にあるのではないでしょうか。

 

原作では彼/彼女はスノーホワイトの直属の指導役でしたが、コミカライズではねむりんがせんぱい魔法少女をやってて、初対面で打ち明けるタイミングを逃してしまい。

自分が魔法少女ファンで魔法少女であるという「異常者レベル」の扱いを受けうる事実を告白するのはきっとそこそこに勇気が必要なことで、なんだかんだで機を逃したまま2人はデスゲームに巻き込まれ、必死で戦ったりなんなりしていて、気付いたらそんなことを話している場合ではなくなってしまった……とか。想像100%ですけど。

 

でもいつか自分が岸辺颯太であることを話そう話そうと思ってずっと小雪魔法少女イラストを懐に忍ばせてるラ・ピュセルくん可愛くないですか。可愛いです。

 

 

 

というわけで原作でも耽美性ましましの見えてるフラグであるところの「たとえこの身が滅びようとも…」「貴女の剣となることを誓いましょう」「わが盟友スノーホワイト」が美しい絵で見られてよかったです。少女漫画指数が高い。

淡白な文章という評価をほしいままにする原作でも装飾性が高かったこのシーンが漫画になるともはやあまあまで大変です。

 

 

そんな二人がいい感じの雰囲気になったところで、忘れられかけていたマジカロイドさんが再び攻撃を仕掛けてきます。揺れるコンテナ。ラ・ピュセルスノーホワイトに魔法の端末を預け、自分は一人彼女を待つ魔法少女の元に囮となって出て行くことを決めます。「正々堂々と勝負」……。

 

「魔法の端末を持っていなければキャンディは奪いようがない」というこの思考自体が、ラ・ピュセルの対戦相手には通用しないものなので悲しい。

実際にラ・ピュセルが対決した魔法少女ではなくとも、マジカロイド44であっても相対した魔法少女を殺すつもりでいるので、ラ・ピュセルスノーホワイトの二人が如何に危険な考えをしているかがわかります。作戦は無意味だった……。

 

 

しかしけなげにも作戦の成功を祈りながら魔法少女の姿でなければ狙われないので街まで出て変身を解」こうとするスノーホワイト

こっちはこっちで絶望的なまでに危険行為。実際マジカロイド44の本日の魔法は空間転移能力ですし、人間体に戻ったところでマジカロイドと遭遇してしまった時にはどうしようもなかったことでしょう。

 

 

しかしまあ、スノーホワイトの元にはハードゴア・アリスが駆けつけていたので、たとえ人間体に戻っていたとしても大丈夫だったかもしれません。コミカライズのアリスちゃんは比較的表情金が柔らかくてにこにこ笑ってて(それでも固い笑顔なんですけど)かわいい。

「首を傾げたらその首がゴトンと落ちる」というアリスちゃんの開幕ゴアシーンとても好きだったので、少し形は違うにしても踏襲されてて非常に幸せです。返り血が掛かってすごいことになるスノーホワイトも。

 

余談ですが「殺すけど念のためキャンディも欲しいので端末を奪おうとして、その間に復活したアリスに殺される」っていうマジカロイド44の在り方はかなりそれらしくて好きです。

 

 

 

そこでスノーホワイトの意識は消失。目覚めたら家のベッドです。

ここ……。ここなんですけどその。

小雪ちゃん、スノーホワイトの状態で目覚めてるんです。本来気絶しても魔法少女の姿を保ち続けられるっていうのはベテラン魔法少女の証なんですけど、そもそも魔法少女への変身機構さえ異なっているコミカライズ世界のあれこれについて口を出すのは駄目かもしれない……

いやそれだと最終盤のスイムスイムのアレが通らないんですよね。こういう部分については悩みます。うむむ……。うーん。原作からの変化は別段気にしてないんですけど、コミカライズ世界の中での整合性は欲しい。

 

 

 

上巻で一番の悩みどころであるところのシーンはともかくとして、週末ではないけれどチャットが始まります。今週の脱落者が「マジカロイド44」と「ラ・ピュセル」であることが判明して混乱の渦、訳知り顔のシスターナナ、ウィンタープリズンが最後を飾り――というところで4話は終了。

 

いやあまさかウィンタープリズンより先にラ・ピュセル脱落を持ってくるとは思いませんでした。そっちを先に動かすとあまりにもスノーホワイトの出番が減るからこういう展開にしたのかもしれない。どうだろう。うぐぐ。

 

 

というわけで明日は5話と、1巻最後にくっついてる5.5話の感想を書こうと思います。5話相当好きです。明日もがんばります。