すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P6話感想

 

魔法少女育成計画 16人の日常」読みました!

遠藤浅蜊先生の短編はつくづく多彩で色々な楽しみ方があるように思います。書かれた短編の数が圧倒的に多い無印の魔法少女がこんなにも掘り下げられるとは思ってもみませんでした。これを読む読まないで印象が大きく変わるような魔法少女も多く、総じて楽しい一冊でした。

書き下ろし短編の量が尋常でないことも含めて、「episodes」「episodesΦ」「16人の日常」の三種の短編集の中では読むのに一番一番体力を使いました。マルイノ先生のあとがきページを見た時には疲労困憊もあって半泣きでした。

短編でこんなに疲れててQUEENSは大丈夫なんでしょうか。がんばります。

 

つくづく遠藤先生の言語感覚が好きです。というわけでもなにもないですがF2P6話感想。 

 

 

6話更新日は10/11。毎週更新というのは狂気の沙汰ではないかと思います。ちなみに7話更新日は10/18とのことでやっぱりどう考えても狂気の沙汰です。週2で魔法少女が死んだり死ななかったりする魔法少女育成計画という世界。

 

 

さて冒頭。ステラ・ルルがファンさんに殺されないことについては「知ってた」案件でしたが、その切り抜け方が少々予想していたものとは違いました。ファンさんの発言の印象的に彼女はほぼ殺す気で一撃を放ったんでしょうが、光るスカジャンを身に纏ったルルさんは「ごめんね そういうの効かないんだ」と一蹴(と言ってもそこまで余裕があるようではなさそうでしたが)

 

「ルル・クラッシュ」を放った後のルルさんのスカジャンの光が消えているあたりから考えて、ジャンパーと杖を使うことによってダメージを相手に跳ね返す魔法なのかな。杖が必要なのかはまだわかりませんが、少なくともジャンパーは魔法を発動するにあたっての必須アイテムでしょうか。

 

魔法少女の魔法が全て明かされているわけではないというのは、F2P固有の楽しさの一つなんじゃないかなーと思います。思いますが、逆に言ってしまうとメタ的に魔法が明かされるまでは死ぬことも無いんじゃなかろうかと考えてしまう。その辺は裏切ってほしいなぁ。すぴのんさんで既に裏切られた感はありますが。

 

 

というわけで魔法がまだ明かされていない魔法少女のうち一人、メルティペインの魔法について。彼女の魔法は左手で触れた(掴んだ?)物体を加速、右手で触れた物体を減速……的なものでしょうか。ルルよりはまだわかりやすい。ずっと触り続けていなくても魔法効果が持続するように見えるのは結構便利そう。

ルルがヨーヨーを戦術に取り入れ始めたのは確実にすぴのんの死後でしょうから、ファンを最終的に死に至らしめた咄嗟のコンビネーションは数話前の模擬戦を含む戦闘訓練のたまものということになると思います。よかったね。

 

 「な……」「なんだ…これ…」「動き」「が」のページ非常におぞましくて好きです。あー死ぬ!これは死んだ!ページ捲りたくない!と思いながら捲っていました。好きな子が死ぬのは毎度切ないもので、一気に作品を飲み込めずに毎週毎週ハラハラしながら待っていなければならないF2Pは結構心によくない。まあこの段階だとまだファンさんは死んでないんですけど。

 

ルル・クラッシュ後の杖に付いた血を振り飛ばすルル、今週の好きな顔です。こいつらやっぱり人を傷つけることに全然躊躇いが無い~~。

 

 

ファンさんが死ぬまでの過程。

彼女の取扱説明書を見たアルマが「ウエンさん危ない!」と声をあげたことで、口に含んだ暗器によるファンさんのウェン暗殺作戦は失敗。でその後ルルとメルティの手によりリンチ死かなぁ。詰んだことを理解した上での自死の可能性もまだある。ところでウェンなのかウエンなのか。

「万一のことがあっても与えられた任務は命に代えても」と言った通り、己の命を顧みずに任務遂行に励むウェンさんは格好いいです。なんだかんだで好きな死に際かもしれない。本当にそうだろうか……?

 

アルマはほぼ反体制側に付いたと見ていいのかなこれは。彼女が(舐める以外に)どういう行動を起こしてくれるのかがこれから楽しみです。

ウェンの命を救ったアルマは、同時に(魔法の国側で、本来ならば部門が違うとはいえ同陣営の存在のはずの)ファンが命を落とす原因になってしまったということで世知辛い。

 

 

というかあれでファンさんが本当に、本当に死んでしまっていたら。それは結構革命軍側のやらかしな気がします。しかし元々あんまりよく考えて人を殺す方ではないルルとメルティのふたりがそれはもうブチ切れてるので、ファンさんがうっかりリンチで殺されちゃっても仕方ないような。仕方なくないんですけど。

「ドガスカボゴォォォ」のコマを最後に魔法少女が死んだ(仮定)という描写はコミカルな分不気味で恐ろしくて、やっぱり革命軍側は共通してこういうイメージだなぁとしみじみ。コミカルで怖い存在は普通に怖い人達よりよっぽど怖い。

 

アルマさんはファンさんがボコられて死ぬまでの間何してたの!突っ立って眺めてたら相当だぞ!というあたりは7話が気になる。

 

 

ジューベさんとパペタさんは別方向で人間の死にドライですね。人を使い捨てることに慣れてるお二人だ。

多分、というか確実にジューベさんは人を殺して欲しい情報が得られるなら躊躇いなく人を殺せるタイプです。そういう子がどこかに居たような……情報収拾と情報戦が得意で人の死に頓着しない誰かが……居たような気がします。気のせいかな。それとは全く関係ありませんがジューベさんものすごく好きです。

 

 

最後に一つちょっとだけ気にかかること。いくら口から放ったとはいえ、魔法少女が放った暗器です。相当の速度をもっているはず。メルティとルル、セラセラは魔法少女の反射速度があったからこそそれに「構える」ことができたと思うんです。ウェンがファンの反撃に対してちょっとぽけーっとしていたのも反射速度の差による描写だと思いますし。

だとすると晶さまがそれに対応できてしまったというのはちょっと不思議。んーでもこの辺は漫画になるにあたって浮いちゃった描写なのかもしれないし話半分くらいで。愛の為せるわざかもしれません。6話感想は以上。来週も楽しみです。