すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

アニメ10話感想

 

アニメ10話感想です!

いよいよ近日中に魔法少女育成計画QUEENSの発売を控えた今日です。

一度しかないかもしれないまほいくのアニメを全力で楽しむと決めた自分ではありますが、しかしながらやっぱり原作本編が来るとそちらにかかりきりになることは間違いないわけで。一応お知らせしておきますと、10話の感想は発売日前に書けましたが、発売日移行に放送される11話12話については、放送後1週間以内に感想を書くことが叶わないかもしれません。

QUEENSは多分ものすごい作品になること間違いなしなので本当に体力勝負という感じだ……。

 

元々このブログは魔法少女育成計画ACESのネタバレ意見まとめを書きとめるために作ったブログなので、本来の用途としてQUEENSのネタバレも特に厳重な配慮も無くどんどん流していくと思います。言ってもどうしようもないことだとは思いますが、ネタバレを踏まないようにお気を付けください。

発売日から24時間以内にはネタバレ記事書きませんが、それ以降は定かではありません。色々と衝撃を受けすぎて何も書けない可能性もあります。よろしくお願いします。QUEENS怖いなあ。怖い……。

 

 

まあいずれ来るその辺の話はともかくとしましてこないだ来た10話の話です。行きます。

 

アバン

ハードゴア・アリスになる以前の亜子視点からスタート。10話はとにかく亜子周辺の描写が丁寧だったように思います。自分は必要とされていない存在だ、居ないほうがいい、だから死のうと「遺書」をしたためるこの思い込みの強さは紛うことなき鳩田亜子。

ここのシーンの机の上にあるのはアリスの「魔法の端末」でしょうか。そうなるとこの遺書を眺めているのはハードゴア・アリス化以後の出来事(というか9話直後)であるわけで。亜子はかつて自分が魔法少女になる前に書いた遺書を、ふと思い出して手に取ります。

 

この遺書の文字が年相応に幼いのも苦しさを誘います。そういえばアニメ世界の亜子は「二年A組」に所属しているらしくすなわち中学二年生(小雪、颯太と同級生)であるようです。原作だと一応設定上は中学一年生でしたが、同級生となるとまた亜子の見方が変わってきそう。たかが一年でなんだという話ですが中学一年生と中学二年生との差って結構大きいように思います。

あと微妙な変化としてアニメ亜子は中学生アルバイターではありません。よかったね。

 

 

父親との面会で亜子は「もうここには来ないでくれ」と言い放たれます。母親を殺した父親の目は「人殺しの目」。これからの亜子/アリスが持つものであり、亜子が目にしたスイムスイムが持っているものでもあります。

しかし「鏡を見るたび目にする自分の顔にも二つある」という描写が落ちているあたり亜子が自分の目を人殺しの目だと認識しているかについては曖昧。という辺りでアバン終わり。

 

「今の私は、誰にとっても不必要で迷惑な存在」と考える当時の亜子。このアバンは刑務所の面会室の扉が重苦しく閉じる描写で〆られますが、その当時の亜子にとっての世界はどうしようもなく閉じていたんだなぁとここだけで伝わってきます。スノーホワイトが「鍵」を手渡したことによって亜子の世界が開けていく。

 

Aパート

 

 

しかし亜子が「誰にとっても不必要で迷惑な存在」だったのも今は昔。魔法少女になった亜子はスノーホワイトを危険から守り、人助けをして人々の命を救い、もう「不必要で迷惑な存在」ではありません。

人命救助の様子を思い浮かべて微笑みを浮かべた亜子が遺書を破ろうとしたところで、アリスの魔法の端末に連絡が。

 

 

ここから。ここからは……。うーん、スノーホワイトの一連の感情の流れにつきましては、評価の分かれるアニオリだったのではないでしょうか。

先週は薄字で気持ち悪い長文早口オタクになったりしましたが、脱落した魔法少女について(もう追加の描写がほぼ存在しないとみなして)ぐだぐだ言うことはあれどスノーホワイトの物語は無印段階でさえまだ完結してないので今回は気持ち流しめでいきます。流せてるのか果たしてこれで。

 

八人から四人に減りました、の通告でスノーホワイトがより一層曇る展開を描写すること自体については素晴らしいなあという思いなのですが。個人的にはその「上げて落とす」描写(というか手段)が、これまで積み上げられていたスノーホワイトの感情描写の丁寧さからは少し浮いてしまっている印象。

 

というか、同じ話の中で亜子の描写のほうにより力が入っている分、この話限定だとどうしても差を意識してしまうというべきか。スノーホワイトの口からするりと、亜子が何より求めている「必要」という言葉が出てきた辺りは死を選ばない亜子周辺の印象の後押しとして非常に好きなのですがうーん欲張りかなあ。

後の話にはなりますが、変身前に亜子の今際のきわの声を聴いて、スノーホワイト魔法少女に対して抱いていた希望はなに一つとして残っていない」と考えたあと結局変身して声を追うあたりも気持ち流されているあたり、やっぱり感情描写の配分がかなりアリス寄りというか。欲張りですね……。

 

 

アニメ世界だとアリスとスノーホワイトのコミュニケーションが無事成立していて、スノーホワイトの感情回復度が高かったために、スノーホワイトに少しだけ精神の余裕があったのかもしれませんが……それでも結局は原作のコミュニケーション不全的な会話に接続されてしまうあたりがむなしい。こう繋がると結構印象変わるなぁ……

 

スノーホワイトに突き放されるアリス、兎の足を投げ付けられるアリスあたりは原作そのままの流れなんですけど、映像になるとまた苦しみが深いというか。兎の足をぶつけられた瞬間や、スノーホワイトが去っていってしまった後俯くアリスの表情はすごく心が痛みました。

 

 

さて降り出した雨は朝まで続き。(N市に雨が降るのが描写されるのは「コスモスは戦場に似合う」の出来事なんですけど早回しで降りました。果たしてもう一回降るだろうか)亜子を迷惑に思っているとはとても思えない人の好さげな叔母さんに見送られ、亜子は通学路を歩いて行きます。そしてなんやかんやあってスイムに三回刺されます。区切りが悪いのでAパート段落での話はここまで。

 

Bパート

 

Bパートと書きながら時間が前後してAパート段階の話です。段落分けの意義とは。

 

学校に行く亜子を見送った叔母さんが、亜子の死後、彼女に割り当てた部屋を整理するとして。

もしも亜子が破り損ねた遺書を偶然発見したとしたら、彼女はどう思うのでしょうか。亜子が死を選ばなかったこと、遺書を破り捨てようとしていたこと、誰かに必要とされて生きようと思えていたこと。全ては叔父叔母夫婦に明かされないまま、残された遺書こそが亜子の感情だとみなされて、彼女は通り魔に殺されたということで処理されてしまったのでしょうか。

 

死んでしまうとその人が内内に秘めていた感情は当然のことながら埋没してしまいます。スノーホワイトだけが魔法少女達の最期の感情を聴き取って、それを背負いこんで生きていくのかあと思うと色々な側面できつい厳しいです。

もしかしたら全部終わった後のスノーホワイトが、亜子の叔父叔母にそれとなく何かを伝えたかもしれませんが。どうかな。

 

スノーホワイトがアリスに送った連絡が、亜子に遺書を破らせるのを止めてしまったというのはほとんど難癖に近い話ですが。それでも、だからこそ、スノーホワイトが受け止めた亜子のほんとうの感情の重みが否応なく意識されます。

「私を助けてくれたあなたがいれば、この街から魔法少女はいなくならないって、そういってあげたかったのに」という亜子の想い。最期に兎の足を手渡されたスノーホワイトがこれからどう動くのかについては11話かな……12話かな。亜子の感情によって、間違いなく変化した彼女の想いがどう描写されるのか。非常に気になります。

 

 

というわけで亜子は脱落です。この一連のシーン本当に良かった……。

相対するスイムと亜子(振り向きを想像していたけどこれもすごくよかった)、「ハードゴア・アリス」、鞄を背負っていた分背を守られて致命的な一撃を逃れ、どうにか逃れたというところで潜水して後を追っていたらしいスイムに二つ貰って完全に瀕死。

「一般人に正体を知られたら魔法少女はその資格を失うぽん」という新事実がまるで伏線回収かのごとき当然さでブチこまれたところで少しだけ微笑みましたが基本ひきつった顔で観てました。出血に応じて亜子の顔色がどんどん悪くなっていくのが厳しい。亜子の目に映る亜子の返り血を浴びるスイムスイム非常に厳しい。

 

やはり遺書が大きいなぁ。アリスは明確に「生きよう」という意思を強くしたことが死の直前で描写された魔法少女であり、それだけにスイムスイムの手によって無慈悲に無感動に殺されてしまうという事実が重い。

 

 

あの亜子の壮絶な最期を見ていた視聴者的にはスイムスイムの「簡単だった」発言はは~~~こいつ!!となること請け負いなのですがしかしながらスイムスイムもまた憎むことは出来ずかわいい魔法少女なのです。11話が楽しみですね。

 

ところでアニオリ回想で双子の仲の良さが強調されました。当然のようにチート技を探そうとする双子かわいい……。ミナはユナが身を挺して守ってくれたからには死ねない。ので人を殺すことにほとんどためらいが見られません。彼女の回想もまた重い。ユナの笑顔が重い……。双子はまほいくの主登場人物だと唯一の肉親魔法少女ふたりぐみです。ミナの死に顔えぐかったなぁ……。ウィンタープリズンに壁にゴスッされたユナも顔面はすごいことになってそうです。

 

 

そして当然の権利のようにピアノを弾きまくるクラムベリーさんとファヴの会話で、彼女の心情の一部が語られます。この辺りはピアノを弾いていることを除いてほとんど原作の地の文から引かれてます。だからと言うべきか言い回しが少々特殊。

 

もう一つ場面は転換し。スノーホワイトがアリスの死を背負うと同様に、リップルはトップスピードの死を背負います。「私のせいだ」という、震えるリップルの言葉。

自分の信じる「魔法少女」である、「魔法少女」でありたいという意思がトップスピードを殺してしまったのだと、そういう風に思い詰めてしまっているのかなあ。その辺がトップスピードの敵討ち、私は魔法少女じゃなくて云々かんぬんに接続されると思うと実に良い流れだと感じます。

 

 

さていよいよスイムチームVSクラムベリー戦が幕を開けます。今の段階で語ることはほとんど無い……ように思います。ミナが殺されておいてなんですがこの戦いの見所は11話という感じ。

ミナが善戦しなかったことはクラムベリーのつよさを印象付けてきて非常に嬉しいです。つよそうかなどうかな……。「まあ勝てないんですけどね」をそこで言っちゃうともう駄目だぁとしか思えないんですがまあうんはい。バグっぽい挙動するクラムベリーさんで笑顔になれました。

 

クラムベリーさんのアニオリセリフとして最も印象的だったのはやっぱり「あなたにはどこか私に近いものを感じますよ、スイムスイム」ですね全然全く些かも性質的には近くないですけどでもその通りだぞ……。次回はクラムベリーさんの1話の描写が入ってくるかなあと思うのでそこも含めて楽しみです。今から南無南無です。

 

というあたりで感想おわり!ではQUEENSに備えますああQUEENSが来る。QUEENSが来る……。