すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

アニメ11話感想

 

がー! いつまでもうだうだやっててもしょうがないと思うのでとにかく書けるものを書ける範囲で書いていきます。具体的にはアニメ11話の感想を書きます。QUEENSの話はゆっくり……ゆっくりですね……。形式としてはまいにち魔法少女まいにち魔法少女 カテゴリーの記事一覧 - すふぉるつぁんどの形で一人ずつ書くかなーという予定で。

F2Pが明日公開予定ですが案の定感想がおっついていません。とりあえず前話と次話まとめての感想になるかなあ。セラセラ周辺のことを今考えると非常にこころによくない。多分彼女の魔法は本質的な死者蘇生ではないんだろうなあという感じはしますが。

 

やっぱり11週間非常に楽しくついてこれたので、できることなら最終話まで感想を書きつつ見ていきたいなー。ということでどうにかこうにかのアニメ感想です。

 

 

ところで、まほいくカフェ&まほいく展の開催が決定です。

「魔法少女育成計画」コラボカフェが登場!! -TVアニメ「魔法少女育成計画」公式サイト-

「魔法少女育成計画展」開催決定!! -TVアニメ「魔法少女育成計画」公式サイト-

 

やー嬉しい! コラボカフェは行けるかどうかわからないですけど、魔法少女育成計画展についてはぜひ覗いてみたいところ。1話コンテとかとてもとても観たいです。では11話。激動のなんやかんやです。

 

 

アバン

1話アバンで描写された、「クラムベリー」という魔法少女が誕生するに至った経緯についてです。ここで殺戮の限りを尽くした悪魔は、原作ですと魔法少女候補の一人に召喚された存在ということでしたが、「選抜試験の能力テスト用に召喚した悪魔が暴走」ということになっています。

まあこの辺無印単体で見ると魔法少女が悪魔を召喚!?!? となってしまうだろうということでの取っつきやすさ指向を感じます。

 

ファヴから協力を持ち掛けられ、「もっと強いやつと戦えるのなら」と笑うクラムベリーさん、声が9歳。かわいい。この段階だとまだ音楽家ではないですね。

 

Aパート

 

10話から引き続いての船賀山戦です。ここで静かに山をお散歩するクラムベリーさんについてですが、

 とのこと。芸コマだ!(好き)

 

たまが転んだのを切っ掛けに始まるクラムベリーVSスイムスイム戦。

クラムベリーさんはスイムの魔法を既に分析しており、彼女の魔法の弱点も理解しています。スイムの振るったルーラを足で止めたクラムベリーは「攻撃しようとする部位は透過を解除しなければならない」ことも理解した上で手刀を止めたのかな。

 

悠々と攻撃手段を防ぎ、内部からの音波攻撃。これは……規模的と指向性の無さ的に大爆音(フォルテッシモ)に近いかなあ!?

フォルテッシモの直撃食らってわりかしピンピンしてるスイムスイムの描写は、元気になる薬込みとはいえ、かなり常軌を逸した耐久力です。しかしまあこの直後の描写を見ているとこの辺はスイムがすごいというよりは(アニメアリと同じく)音楽家が弱体ついてたからということでどうにかなりそう。

 

 

坂凪さんとルーラが並んでいる図は絵的にすごくいいなあ幼女と巨大武器、という話はともかくとして。攻撃を躊躇った、というよりは坂凪さんに驚いていた雰囲気の音楽家さんは、たまの魔法のポテンシャルについて明らかに気付いていなかった感じで脱落です。あっこの人ぽんこつだ……。

 

アニメ音楽家さんの遺言は「負け犬が」でした。今は亡きコミカライズクラムベリーちゃんのド至言遺言こと「墓穴は掘り終わっているんでしょうね!?」を思い出してどうしようもなくほほえみます。

原作存在への好きを拗らせてはいますが、それはそれとしてぽんこつ音楽家シリーズは毎度セリフが好き。飾って微笑みたいくらいに大好きです。シンプル高速フラグ回収好き。

 

 

たまの魔法は任意発動。彼女は明確に意図した上で、スイムスイムを守るため、音楽家を吹っ飛ばします。ここの魔法を発動させる時の叫び、荒くなる呼吸の描写がすごく良かった……。

魔法少女魔法少女人間体が並ぶの大好きなのでたまと坂凪さんの距離が近くてすごく嬉しかったです。たま周辺とても良かった……。

 

音楽家をたまが殺す。それは流されるままに流されてきたたまが、作中で強い意思を見せた初めての瞬間です。そしてそれはルーラ様の導きがあってこそ、元を辿れば彼女が「魔法少女になれた」からこそ得られた意思の力で。

ぐずの子としてずっと俯きながら生きていたことを描写された珠が、魔法少女になり、何かを得たり失ったりして、最終的に強く何かを選び取ることができたという大きな流れにはやはり「魔法少女はみんなが主人公」という言葉を感じます。

 

選べなかった、選びそこなった子が、生き抜いたその果てに何かを選択する、というのはまほいく全体に散見される魔法少女の生きざまでもあります。

 

 

「何が間違ってたんだろう」という独白と共に遡られる珠の人生、たまの人生。スイムに切り伏せられた直後に挟まれる回想としては本当にえげつない。ここのスイムスイムのあっさり殺害度合いすごく怖くて良かった。

 

たまは誰かが自分に対して攻撃的な態度をとったり、傷つけられたりするたびに「自分が間違っていたから」怒られているのだ、と考えていたのかなあ。勇気を振り絞って自分の選択としてスイムを救ったたまが、自分は何かを損なったのだろうかと死ぬ間際に考えることそのものが相当にえぐい。

 

たまのあの選択が、最期のたまにとっての「間違っていたかもしれないこと」でなければいいなあ、とどうしようもなく落ち込んでしまう、そんな悪趣味なアニオリでした(好きの意味です、念のため)

 

 

音楽家が死んだことでファヴはスイムスイムを次のマスターにしようとしますが、「二人三脚」という表現がスイムのルーラ観と解釈違いだったため電源を落とされます。かわいい。

アニメの「ルーラは、たった一人のお姫様だから」という言葉と原作の「ルーラは頂点に居ればいい」という独白、並べてみると印象が違って面白い。カップリング絶対拒否女かな……このあたりのスイムの頑迷さは子供らしいルール厳守度合いです。

 

 

最後になるアナウンスを聴くリップルの表情は暗い。うう。

ファヴが坂凪さんに示した「マスターの心得」、「君の横にはハイスペックの電脳妖精がいるはずだ。わからないこと、困ったことはドシドシ電脳妖精に質問すべし。彼らはなんでも答えてくれる」という電脳妖精ユーザー以外を跳ね除ける表現が入ってるあたりファヴ手製なんじゃないかなと思うんですが、これクラムベリーさん(9歳)に教えた指南の使いまわしだったりしたら非常にかわいいですね。どうだか。

 

坂凪さんが練習している漢字は「友」。「友達なんていい加減な 関係なんてありえないな」というのはルーラ様の教えでありスイルラソングこと「Betrayal」の歌詞です。「ルーラ」には「友達」はいないので、「友」を想い筆を止めるのはたまを殺して泣いてしまうところに近い坂凪綾名かなあ。

 

Bパート

 

「友」を想うのは坂凪綾名一人に限らず。生き残りである三人のうち二人、姫河小雪と細波華乃もまた、かつて隣にいた友達のことを思い出します。集団幻覚。相当きてる。いやそういう話ではなく。いや実際きてるんですけど。

 

よかった。リップルの回想的に「ねむりんの死に動揺するトップスピード」が描かれました! よかった。感情だ……。

ここで描写された、どうしても半年は生き延びなければならない、というトップスピードの必死さが、9話段階だと「最後の最後まであっけらかんと」していたことについては、ああそれも一つの彼女の強さとしての描写だったのかもしれないなあというあたりで落ち着きました。

あの時はトップスピードに心を許しきれず固いままだったリップルの表情が、9話では笑顔に至るわけで。ああとても厳しい。

 

 

「どうして私だけが生きてるんだろう」と考えるスノーホワイトの元に届くリップルからの「会いたい!」というド直球メール。

 ゲーム終了の宣言は、ほっとすると同時に「なぜ自分だけ生きているんだろう」と思わされた。泣き虫で、弱虫で、逃げているばかりで、怖くて、ただ怖くて、怯えて、震えて、でもスノーホワイトだけが生きている。

 スノーホワイトに残ったのは「なぜ自分だけ生きているんだろう」だけで、生き残った魔法少女から「会いたい」という連絡を受けた時も素直に頷いた。

 みんな友達だと思っていた。大切な人だと思っていた。それなのに、みんなが死んだことよりも自分が生き残ったことに安堵している。死にたくなる。生き残った魔法少女は、全てが終わった今、どんな気持ちでいるのか聞いてみたかった。

 

ちょっと長くなってしまいましたが一連のシーンはここの描写ですね。改めて頑張って膨らませているなあ……。「会いたい」がまんま「会いたい!」になったのやっぱりすごい面白いな……。

 

 

鉄塔で待つリップルは1話のラ・ピュセルを思わせます。こういう演出非常に素晴らしいことですね……。

リップルスノーホワイトの中で魔法少女としての位置に存在し、スノーホワイトだけがなりたかった「魔法少女」から外れて自己嫌悪の中で無気力に生きている。そう感じるスノーホワイトとは反対に、リップルは自分は魔法少女じゃなくていい、だがスノーホワイト魔法少女だ、と考えています。

まいにち魔法少女22日目:リップル(無印) - すふぉるつぁんどで一度書きましたが、やっぱりこれはリップルスノーホワイトに与えた、呪いに近い言葉だと思います。スイムスイムに関わった魔法少女は死ぬとファヴに示唆されてしまったから、アニメでは尚更に。

 

しかしここでのこの台詞、そしてその裏にあるリップルの感情を初動として、スノーホワイトの心が「選択する」方に動くので非常に重要な言葉です。

リップルこそが魔法少女だ。死んでほしくない」という大事な感情自体は12話に持ち越しかなあ。

 

 

場面は坂凪さんの幻覚に移ります。ファヴと会話する坂凪さんが本当にかわいい。毎週魔法少女がかわいいアニメだったなぁ……。ここでスイムVSリップルのお膳立てが整います。12話……。

 

続いて幻覚も幻覚な細波さん。なんだか話が進むごとに幻覚の深度がヤバくなってる……。リップルは本当は優しいやつだとトップスピードが知っていることを細波さんは知っている」というちょっと書き起こすと難解な事実から始まり、リップルとトップスピードが積み上げた関係性の重さが「トップスピードならこう喋る/こう考える」を細波さんが自然に幻覚として再現できていることで言外に示されています。

 

帰りの遅い妻を待つ夫が居るであろうベランダに妻の死体を無言で届けたことについて「ありがとな」と言うトップスピードを、細波さんが自然に幻覚として再現しているあたりはちょっと本当にキてるんじゃないかと思わなくもないですけどまあ、まあ……。

リップルもちょっと思い込み強いところあるよねで済む話ではないと思いますけどまあしんみりしたBGMなのでしんみりします。「旦那は驚いただろうけどさ」ってレベルじゃないですよ多分。下手したら逮捕だしご近所の目もすごい。

 

 

それはそれとして。一人生き残ってしまったリップルはトップスピードが望まないと知りながらも、敵討ちをしにダムへと向かいます。ここで挟まれる変身バンク(バンクではない)! これは……。

どう転んでもこれから「魔法少女」ではなくなるリップルの、それでも最後にどうしても残った「魔法少女」への執着のあらわれかなあ。

 

 

というところで11話は終わりです。ああ魔法少女育成計画のアニメが終わってしまう……。三ヶ月、正しくはアニメ化が決定した2015年9/10以来の一年半、とても楽しかったです。楽しいお祭りだった。ありがとうございました。

明日アニメが終わるとはいえ、休む間もなく12/21にBD/DVD一巻が発売です。世界のスピードが速すぎる。まだQUEENSが全く消化できていないのにマジカル☆肝試しをちゃんと読めるんでしょうか。気力で読みます。怖いながらも楽しみです。