すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P10話感想

 

 久しぶりのF2P感想です。

 なぜ久しぶりになったかと言えば10話と11話の感想を先延ばしにしていた間に12話が来た結果どうしたものかなというあれだったんですが、F2Pが色々すさまじいことになっていたので既に閲覧不可になってところの10話についての覚書から書き起こしてフワッと触れつつの今日のところは10話感想です。絶対13話更新日の2/28までに感想追いつくやつやります。F2P面白い……。

 

このマンガがすごい! Comics 魔法少女育成計画F2P 2

このマンガがすごい! Comics 魔法少女育成計画F2P 2

 

 

 そんなF2Pですが3月末に2巻発売予定とのこと。めでたい。restart2巻はいつごろになるかなー。

 F2Pもrestartも、表紙が誰になるんだろうというところは結構興味深いです。F2Pはセラセラかジューベ様あたり来そうだなーと思っていたら柚木先生のTwitterにて表紙のラフがふわっと公開されていていやあ楽しみなことこの上ない。

 TVアニメ「魔法少女育成計画」のBD/DVD3巻の発売日も控え、まだまだ魔法少女育成計画飢餓には遠い。遠いのでbreakdownのあれこれについてはゆっくり待ちたい待つぞ……。遠藤先生の無理のないように執筆されてほしい、というあたりでやっていきます。

 

 

冒頭は小山内姉弟の会話。こうして見るとこの二人結構似てますね。幼少期と比較して外見年齢に結構差が出てるのは自然な発育差なのかなぁ……。

8話感想F2P8&9話感想 - すふぉるつぁんどで触れましたこのご時世には多少珍しいものだろうところのガラパゴスケータイですが、GPSが付いていないことの強調としてあえて古いケータイを持ってこさせたという可能性が強いなと思いました。ジューベさん本人は推定スマホユーザーっぽいですし。でも色々な要素からF2Pは過去の物語なんじゃないかなあという気はします。

 

 さて10話はとにかくジューベさんの恐ろしさが光る回です。これまででもファンの命を雑に見てたあたりや監査に人事を抑え込ませたりといったあたりからただ者ではないオーラが出てはいましたが10話でいよいよクズ……クズではなく……人を人と思わないような言動が強く出てきましたね! いやあ流石『魔法の国』の偉い魔法少女

 自分の魔法を使っている風をみせてしれっと嘘を吐いているジューベさん。ある種の魔法の虚偽申告、を悪いことと思わないように開き直ってみせるさま、こういういけしゃあしゃあと悪事(悪事ではない)を働く人これまでもわりと見てきました。やってることが悪質すぎて同じ陣営であるはずの魔法少女にドン引きされる様子も見たことがあります。ジューベ(人間性がアレ)とパペタ(人間性がアレだけどジューベと比較すると相対的にまとも)のふたりぐみかわいい……。

 

 彼女が使った魔法の本当の効果は「反乱軍のリーダーは魔法の国との交渉を望んでいる」がNOだったということ。結構重要な情報ですね。レジスタンスのリーダーということは恐らく晶なのでしょうが、彼女は『魔法の国』に何かを望んでいるというわけではなく。求めるものはただ『魔法の国』ぶっ壊すというところなのかな。(追記:10話冒頭にて反乱軍のリーダーが馨であるということが晶によって示されているので、ここの「リーダー」も馨で答えが出てるのかなと思います。まだジューベが晶のことを認識していないので晶で取りようがない)

 

 

 そんな「交渉を望んでいない」はずのリーダー・晶にさえ対話の機会を設けてしまうのだからジューベさんはすごいお人です。ここの頭のよくて顔のいい女&頭のよくて顔のいい女がやり取りする様子見ててすごくわくわくしました……。電話の最中特に何をするでもないんだけど周りでうそうそしてるレジスタンスメンバーがちょっと可愛く思えてしまう。

 

 この二人の緊張感溢れる会話を読んでいて、記憶に新しいプフレとハムエルの会話を思い出した人は多いのではないでしょうか。かくいう自分もその一人で、会話の内容としてはそれほど重要な情報を伝えあっているわけではなく、口調や態度から相手の為人を汲むことこそが会話の目的である――というジューベさんにはものすごくプフレの「人を見る」やり方を思い出しました。

 9話まで書くの耐えてた(耐えてたか……?)んですけどジューベさんとプフレが会話したら絶対ものすごいことになるだろうなと思います。絶対仲良くできなさそうなのに上辺でにこにこしてそう。非戦闘的魔法少女ふたりにはぜひ一回くらい会話の機会があってほしいですが、プフレにとってのジューベさんの魔法って排除対象以外の何物でもないだろうから仮に会ったらもう熾烈な蹴落とし合いが始まりそうです。

 

 そんなジューベに一方上を行かれたふうの昌さんではありますが、それでもジューベに対して「情報の真贋を見抜く手段を持っているのかもしれない」という直感的な印象を持つのはさすがと言うべきか。後は12話で公開されたセラセラの魔法の仕組みを頭に入れた上だと、「ジューベ」という名前をレジスタンス側が知っている、というなんでもない事実がちょっと過剰に重い。いやあさすがに……。

 晶さんはこれからジューベという魔法少女の存在を意識した上で動くでしょうし、ジューベが「いる」と言うことを知ったのは間違いなく彼女の言うようにある程度のリターンにはなったかなと思います。ただそれ以上にリスクが大きかったように感じますが。

 

 

 さてそんなシリアスな会話を経てのメルティペインさんちのほのぼのエピソード……がラストに展開されるわけですが、11話を知ってからだとほのぼのでも何でもありません。ああジェリーマリー……。

 ジェリーマリーの顔すごく好きでした。困り顔のかわいい魔法少女だった……。「ごめんなさい よく聞こえない…」のお顔がとても好きです。好きでした……。すぴのんと並んでF2Pの中では珍しく後ろ暗いところの無い魔法少女でした。

 魔法少女育成計画至上最速の死を決めたすぴのんさんといい、「なっ……にしてんだテメーーッ」の一コマでリンチ死を迎えたファンさんといい、完全に画面外でさっくり処分されたジェリーマリーといい、捜査員の魔法少女の「死」は本当にかつてなく軽いもので、それだからこそ血を被らない立場のジューベ・晶の最悪性が増します。ジューベと晶が舌で斬った張ったしている裏ではジェリーマリーのような無辜の魔法少女の死がある……。

 

 その辺をそこまでストレスと感じないからジューベさんはああやって魔法少女を駒としか見ていないような手を進めるんでしょうし、晶も何らかの欠落をもってジェリーマリーを殺しますし、そのあたりについて割り切れる筈もないアルマ/下崎さんは魔法少女の死に苦しんでいる。

 「だからといってどうすることもできない」というところがアルマの苦しいところです。どうすることもできないというか、ファンがウェン暗殺に失敗したところはほぼアルマにしかできないタイミングで思いっきりレジスタンス側助けちゃってるしなぁ……。

 

 レジスタンスの行為を嫌悪しながらも、やっていることはレジスタンスに与する行為であるところのアルマさんが最終的にどういう感情に行き付くのかも楽しみです。彼女が序盤にかけては意味不明な殺戮集団でしかなかったレジスタンスの内部構造を開いていく流れになっているのも面白いですねF2P。

 というあたりで10話感想は区切ります。尻上りに面白くなっていってF2Pの更新がどんどん楽しみになっていっています。11話感想はまた後日にでも。