すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P18話感想

 

 うーがっつり日が開いてしまった。F2P感想やっていきます。

 最近まいにち魔法少女まいにち魔法少女 カテゴリーの記事一覧 - すふぉるつぁんどをぱらぱら見返して感じたことなんですが、書き始めたのが2015年なので色々と情報が古いですね。あと現在に増して読みにくい文章を書いている……。ちょっとした修正作業は思い出した時にやっているのですが記事数が多いのでなかなか捗りませんね。折を見つけてまとめて片付けたいです。

 それで、情報が古いことについて……というか、まほいく本編を読み返していて感じた新たな感想とか、特に新規短編を絡めた無印魔法少女の新しい印象とか……に関しては枠を取らず雑感的にあまり長くならない形でまとめられたらいいなと思います。ちょっと感想記事が散らばっちゃうのがあれなんですがとりあえず自分の感想を保管しておきたいので。この辺についてはもうちょっとやり方を考えたい。

 

 それはそれはとしてF2P18話です。18話!!! 色々衝撃の回でした。動的には全然話は動いてないんですが、物語の方向性と、あと人間関係が大きく動いた回だったのではなかろうか。以下感想。

 

 

 開幕は晶さんにとんでもないことを言われた水琴さんからでした。

 ここの水琴の表情がまた……。水琴から見れば晶はとっくに「壊れて」しまっているのに、本人にはその自覚がなく、だからこそあんな残酷なお願いができて、そして晶を壊してしまった張本人である水琴は二人の最後まで手助けをすると決めていて、でもその頼み事だけは絶対にやりたくなくて――そんな複雑なあれこれが渦巻く、笑顔とも泣き顔ともいえない表情。見事だなぁ。

 水琴にそんな顔をされても動揺することなく眉一つ動かさないのは、それが晶の壊れ方なのか、それとも彼女が冷静沈着であることの表れか。熟考の末、晶は特定の勢力と手を組むという次なる一手を思いつきます。まあこのまま孤軍奮闘してても状況はかなり厳しいですしね。

 ここのパートで一つ気になったのは水琴の言った「晶さんの一番の望み」のこと。壊れた彼女が一番望むもの、何だろうなあ。馨関係だろうか。

 

 

 そして場面は移りましてエイミーの一人会議。ここのパート好きな顔がいっぱいで嬉しかった! エイミーの顔が大好きなので顔が増える彼女の魔法が大好きです。ゆるい喋り方とかしれっと相方であるもな子の陰口を自分相手に叩くところとか、エイミーの喋る言葉も一つ一つ素晴らしい。あと自立思考を持ってる分身かなり取り回しが良さそう。

 彼女のパートを見る限りエイミーは外部と連絡を取っていないのかな? 立場上は人事部門側とはいえエイミー&もな子のコンビは(吉岡経由で雇用されていそうな雰囲気から)どちらかというとフリーランスのような扱いでしょうし、メンバーの内情や新しく存在が確認された魔法少女、名鑑の有無等々の定時報告の義務はない……のかな。

 その辺りは多少気になりますが……エイミー側からすれば帰属意識もない人事に情報を寄越す義理もそこまで無いですしね。

 

 とりあえずこれからのエイミーの行動方針としては怒りまくってるであろうもな子がめんどくさいので一人殺して枠を一つ開けるというものっぽいですね。予定とはいえ殺害動機が雑すぎる!!! いやエイミーはそこもかわいいんですが!

 エイミー&もな子のコンビはF市に関わる魔法少女の中で一番事件そのものへの関心が低そうで、エイミーは既にわりと慢心もしてたりして、本当に緩~いテンションで殺人をやってるなあ。迷惑だ……。

 そんな魔法少女に殺されかかる方は堪ったものではないのですが、研究部門とレジスタンスの話し合いが早めにまとまって結界解除のはこびになったりすればとりあえず結界のために誰かが死ぬ必要はなくなるかもしれませんね。エイミーも次は分身を増やしてわりと本気目で来るっぽいので次戦は更に荒れそうな。そういえばエイミーの分身魔法は「四体以上は疲労が生じる」という制限がついているようですね。約三十メートル以上の巨大化は疲れるチェルナーを思い出す制限のかかりかただ。逆に言えば三体までは疲労無しに魔法を行使できるということなのでやっぱりシンプルに便利な魔法をお持ちだ。

 

 

 そして恐らく時間が多少遡り、場面は移って研究部門サイド。ここは……ここの……ここが……本当に……。ジューベ……パペタ……何!?

 いや本当になんなんだ。ジューベ! パペタ!!! 

 

「ここで手を引くつもりなら それでもいい」

「それでも責めはしないよ」

「うん しっかり考えたまえ」

「はあ~~~ あ~~ あ~…」

「…僕が居なくなると ジューベさん困るでしょう…?」

「ああ」

「困るな」

 

 本当に何!!! ああ~~ここは短い会話の遣り取りに多数の言いたいことが詰まってて困る……。

 

 初登場段階では飄々としたキャラクターという印象だったパペタの泣き顔だとか、

 パペタが泣き顔を晒しても双方に特段泣いていることへのリアクションが無いあたりジューベの前でパペタが泣いたり笑ったりすることはこれが初めてじゃない(もしくはそういう顔を見せることに抵抗が無い)んじゃないかなあとか、

 ジューベ人形が作られたということはパペタがジューベに「ぱくっ」をしたわけで、そしてその人形は(推定機密情報をべらべら零してたファン・リート・ファンの人形作成時を見る限り)本人の意志に関係なく嘘偽りないお喋りをしてしまう魔法で、ということはジューベにはパペタに知られることをどうしても避けなければならないような隠し事を持っていない本当の腹心であるということとか、

 自分にとってそれほどまでに近しい存在であるところのパペタに対しジューベさんが「ここで手を引いても構わない」なんてことを言ってしまえることとか、その言葉を受けてジューベ人形が「うん」と肯定することとか、表面上選択肢が与えられているようで己の精神に従えば選択肢など存在せず、でもジューベのやろうとしていることは明らかにヤバすぎることで、もうとりあえず呻くしかないパペタとか、

 当然のように一人称「僕」を使ってくるパペタとか、(初出)

「僕がいなくなるとジューベさんは困る」ということを言えるだけジューベにとっての自分の魔法・存在の重要性を理解しているパペタとか、「パペタが欠けるとジューベが困る」という事実だけが人形の魔法によって肯定されてしまう(ジューベが本人の感情として困るのかそれとも目的を遂行するにあたって彼女の魔法がどうしても必要だから困るのかはわからないまま)という絶妙さとか、

 このページ全体における顔の良さ(ちょっと拗ねたようなパペタの顔、相変わらず滅茶苦茶にお顔が良いジューベさん(こちらはポーカーフェイス気味ながら彼女の「無表情さ」を知っており加えてその無表情を読み取れるパペタからすれば十分以上に微笑しているとわかる表情)、人形に困ると言われジューベが困ってしまうことが確定して何とも言えなくなってしまうパペタ 全部かわいいとか、

 結局のところ「ジューベさんが困るから」というだけの理由で自発的に共犯関係になってしまうパペタとか、

 ソファーの背に凭れるジューベ・ソファーに腰掛けるパペタと背中合わせで軽口めいたやりとりをする絵図の良さとそれに反して会話内容がわりとブラックなところとか、

 そもそもこの二人が今後の内容を教えられたパペタが泣いて怯える程度にはヤバいことに踏み切ろうとしていることとか、(危険と知っていてなお荊の道に進む魔法少女が大好き)

 

 もう、いや、もう! こんな数ページでジュパペがどーんと積み上げられると困る……いや滅茶苦茶嬉しい……。遠藤先生と柚木先生の表現能力にただただ感謝を捧げるばかりですね。会話や動作で察させられる魔法少女の人間関係が大好き……。

 しかし心配というかいつものことなんですが、比較的安全圏にいたような気がするジューベ&パペタの身の上が一気に心配になってきましたね今回。なんかもうどっちかが大変なことになっても全然驚かないところまで来てしまった。

 研究部門は多分人事との協力関係をうやむやにして一人勝ちを狙う……んじゃないかなと思うんですが、そうなると即ち人事部門と敵対することになり、そして人事部門には吉岡がいるわけで。思うように勝たせてくれるかはわからないですね。素敵ふたりぐみによぎる暗い影にハラハラするのもまほいくの楽しさではあるんですがジュパペにはぜひがんばってほしい。

 

 

 そしてジューベの元に晶からの連絡が入り、何やかんやで晶とジューベの取引が始まったあたりで18話は〆。

 晶さんが死をキャンセルする魔法少女……即ちセラセラを本気で取引材料に使うつもりだったのか、最終的に約束を破棄して踏み倒すつもりだったのかは謎。そしてジューベさんが果たしてどこまで情報をぶっこ抜いてるのか、彼女がなぜ危ない橋を渡ってまで「死をキャンセルする魔法少女」(もしくは名鑑を含めた他の何かしら)を手中に収めたいかも謎。(これは研究部門の立場向上っていうのもあるんだろうか)

 色々と謎が深まりつつ、かなりかなり膠着状態にあったF2Pの話がどうにか外向きに動きそうな気配がしてきました。色々楽しみ……というわけで明日の更新を待とうと思います。