すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

breakdown8話感想

 

 11月も30日となり月末です。今日breakdown9話読めるといいなということで8話感想。

 2017年中にまほいく関連でなにかあるといえばあとbreakdownとまほエルコラボくらいでしょうか。ベストバウトや質問企画が来たら嬉しい……んですけど2018年に持ち越しでもそれはそれで。F2Pが待ちに入るとかなり寂しくなるなー。

 まほエルコラボに関してはTCGに疎いので買って眺めるかわいい紙になりそう。以下感想です。

 

 

ドリーミィ☆チェルシー

 

 引き続き洗脳続行中のチェルシー。星の上に乗って高速飛行しながら降ってわいた恋心に胸ときめかせるというなかなかに謎シチュエーションの彼女はしれっと7753のゴーグルを窃盗しています。これほんとどうなっちゃうんだろうな。

 

 爆発する恋心のチェルシーですが、アニメ化魔法少女好き魔法少女として沢山のアニメを引き合いに出しながら色々考えています。「リッカーベル」「ひよこちゃん」「みこちゃん」は既出のアニメですが「ふしぎならんらん」は初めて見るタイトルです多分。

 このあたりのアニメ関連独白がまた面白くて、前話で対峙したマーガリートさんに対して『精々「意地悪なライバル役」がいいところだろう』とか言ったりしてる(失礼な)ところかなり好きです。アニメ配役に魔法少女を勝手に当てはめてああだこうだやるのアニメ化魔法少女好き魔法少女の習性っぽいですね。物知りみっちゃん主人公説とか……。

 

 裸を見られたことについてラブコメのヒロインイベントだと解釈してるあたりや、「ハッピーエンドへ邁進する時の雰囲気」を感じ取っちゃってるあたりなんかのばちばちに脳が溶けてるチェルシー、攻撃力さえ伴わなければただただかわいいんですが。後々ゴーグルを恋々に奪われたと誤解した時の大暴れを見てると本当に恋する爆弾という印象が凄まじい。

 もしチェルシーがゴーグルをどうにかこうにかしたりなんなりで真実を知ってしまった時、恋々ちゃんとメリーはどうなっちゃうんだろうな……。このままでもいずれ破綻しそうだし魔法解いたら解いたで(少なくとも恋々は)責任追及免れなさそうだし。さすがに洗脳解除されたら死ぬまでのことにはならない……といいですね……。

 

パステルメリー

 

 夢見るチェルシーに続いてメリーもふわふわ夢を見ています。洗脳されて恋い焦がれてる片想い魔法少女の視点が続くの面白い。

 同じ魔法によって同じように洗脳されているのに、その恋心との向き合い方、空想の方向性がそれぞれで異なっているところや、二人が触れてきた作品の違いによって持ち出すフレーズが全然違ってくるとこ美大出身っぽいメリーちゃんは悪魔&天使モチーフの恋々に羊たる自分自身を捧げることにエモさを感じたりしてます。チェルシーと比較してメルヘンにじっとりしてるのがこう……明確な趣味の違いという感じ)なんかは読んでいての楽しさがもう凄まじいです。やっぱり遠藤先生の描く魔法少女の心情が大好き!

 

 チェルシーにとってはドキドキ恋愛イベントだった序盤のドタバタ事故も、メリーにとってすれば「とんでもない事態」としか思われてないの楽しい。ただ二人ともシェパーズパイくんには謝ったら許してもらえると思ってるのは一緒っていうのが微笑ましくて、でも同時に怖いですね。シェパーズパイくん……。

 

 

 さて引き続きのトンチキな三角関係模様はぽろぽろ小さい笑い所があるのも楽しくて、例えば羊を恋々の元に使わせて愛を囁かせるパステルメリーがとてもかわいい。メリーを洗脳すると羊にも洗脳効果が付与されるのお得でいいですね……。

 別外伝作品登場人物であるところの魔法少女・エイミーは自我のある分身を生み出す魔法を持ちますが、メリーも自我持ちで思考類似の存在を生み出すという点においては分身魔法と近いジャンルに属するのかもしれません。出すのは羊だけど。

 

 でも羊とはいえ、メリーより注意力のある意思疎通可能な存在を大量に作りだせるというのは思ったより便利な魔法なのかもしれません。羊がいなければメリーはチェルシーが7753のゴーグルを所持していることに気付かなかったでしょうし。

 

ミス・マーガリート

 

 マナ一行に同行してるマーガリートさんですが、前話でチェルシーを取り逃がしたことをマナさんに延々叱責されてました。かわいそう。

 まともに取り合わずにのらくら逃げられるあたりはマナさんとの付き合いの長さ故のことなのか、いや故マイヤさんもわりとツンケンした方だったからそういう性質の人をあしらうのに慣れてるのかもしれない。

 

 さてずっと魔法を使ってないマーガリートさん、8話にしてついにようやくやっと魔法を使った……のかな? 池から唐突に現れた謎の女神(トーガを着てる金髪の女の子はプク様以来でこわい)の攻撃に対してレイピアを振るったようではありました。

 姿が消えたり木がへし折れたりするのの一部にマーガリートさんの魔法が含まれてる可能性も一応ある……だろうか。9話ではついについにの魔法お披露目が見られるかなー。

 

しかしこの女神本当になんなんだろう。童話そのままの台詞だとかぼんやりした表情からはあまり人間性というものが感じられなくて、魔法少女というよりはホムンクルス的存在だったりするのかなーと思っています。

 

らぶみー恋々

 

 愛が重いタイプの人(ドリーミィ☆チェルシー)の対処法も、奥手で献身的な人(パステルメリー)の対処法も心得ている恋々さん。彼女は自分の魔法を武器として仕事をしてきたわけですから、まあ狂的に恋する存在の扱いに慣れてなければおかしいといえばおかしいんですが……それにしても印象としては魔性の魔法少女だなー!

 

 恋々はメリーの握り拳にそっと手を添え、こういった。

「あなたが私のことを好きでいてくれるのはわかっているし、私もあなたのことが好きです……わかってくれますよね? チェルシーさんはあなたに夢中です。あなたのいうことであればなんだって聞き入れます。あなたが上手くコントロールできれば、チェルシーさんはとっても役立つ人なんです」

恋々の手は冷たく、火照った肌に染み入るようだった。

パステルメリーというフルネームにさん付けでよそよそしさを加えている。恋々が敢えてそうしているということを理解はしていたが、それでもメリーの胸はちくりと痛んだ。

 恋々は恭しくゴーグルを掲げ、臣下がするように頭を下げて近付き、パステルメリーに手渡した。

 

 このへんの上手さですよ。こういう細やかな気遣いで限界人間関係がどうにか崩壊せずに済んでいることを思うと、恋々視点での「御し切れなくなるかもしれない」ではない。「御し切れなくなる」のだという強い断定もうなずける。

 危ない橋を渡りつつ危ういアグリさんにも気を配らなきゃいけない恋々ちゃんは大変だ……。こんな想像するだけでも気が滅入りそうな大仕事を支えているのがかつてアグリさんに対して「裏切るくらいなら死にます」という爆弾発言を放ったまた一種危うい恋々の精神なんだと思うと、もう、危うさが複雑多層を形成しててすごい。

 

ネフィーリア

 

 前話に引き続きネフィーリアの描写はほぼありませんでしたが、パステルメリーに下品なにやにや笑いを不快に思われたりしています。この子の中身がかわいい女子高生なこと定期的に思い出しては定期的にかわいすぎるな~~てなります。アグリさんにくしし笑いが伝染してるのちょっと面白かった。

 

 そういえば彼女が2話にて仲介した契約書の効果が8話にて少し掘り下げられましたね。なんと恋々・ネフィーリアはナヴィさんに攻撃できないとのこと。ということは逆にクラリッサちゃんがアグリさんに攻撃できないってこともあるんでしょうか。

 まあ裏切り回避の契約なんでしょうけど、そんな魔法の使い方もあるんだなーという感じ。魔法少女同士では攻撃しあったりできるんだろうか。

 

再登場魔法少女たち+α

 

ラギ・ヅェ・ネント

 まずはラギについて。「灰色の実」は単なる魔力補給剤では無さそう……ということが今回で示唆されましたね。単に土地から魔力を吸い上げているのならば群生する筈はない、じゃあ何から魔力を回収したのか?……の答えはこの島にノコノコやってきた魔法少女・魔法使いから、ということになるんだろうか。

 サタボーン師は魔法使いを呼び寄せるにあたって魔法少女の御伴を付けるよう指示していましたが、あれはつまり魔力を奪うことを最初から想定した上でのこと(より多くの魔力を吸う・行動不能になる魔法使いを手助けする人間を用意する)だったのかもしれません。プキンと称される謎魔法存在や泉の女神などの殺人ギミックの起動力もその魔力に由来しているのかもしれない。迷惑な……。

 

 仮にそうだったら故サタボーン師はかなりの執念を以て魔法使い達を島に召集したことになりますが、ここまで手が込んでるとただ単純に殺したいというわけでもなさそうだし、ラギさんの考えによれば「使い捨ての門を作る」ことはできなくもない……らしいですし。なんだか島全体が壮大なおもしろダンジョンの趣きさえあります。人が死んでさえなければ……。

 いやキークちゃんのゲーム世界も人が死ななきゃただのおもしろワールドですしね。ほんとに。GMが死んでて悪意の量がわからないまま進行するサバイバルアドベンチャーは楽しい。

 それはそれとしてラギさんの血液を触媒とした魔法発動は見てて面白かったです。魔法使いにも色々な魔法発動方法があるんだなー。

 

 

曲岡統太&イオール&られ子

 続いては統太くんイオールられ子チームについて。彼ら三人を襲った落石はチェルシーがブン投げたやつなのかな。傍迷惑にもほどがある。崩落する岩壁を支えるため、おじいちゃんに引き続いてイオールの魔法シーンが見られたわけですが……手信号での魔法発動かっこいいなー。

 落石の脅威も過ぎ、対人戦の心配も今のところはなく一応一番平和的なチームではある三人組ですが、しかしじりじりと灰色の実飢餓に苦しめられています。られ子の変身も解除されてしまい、戦力的にはかなり不安なことになってしまった。

 灰色の実が不足しに不足した上での、

 

「だったらどうすれば……いっそ戻すとか」

「戻す?」

「口から」

「お嬢様!」

「やめよう、やめようイオール。たぶんそれは意味がないから」

 

 この会話が大好きすぎる。あ~~イオールまわりのあれこれにどんどん愛着が増していって困ります。というかられ子の人間体がはっきりめに明らかになったのが猛烈に嬉しくて、成人女性が魔法少女をやってるのが発覚するの毎度大好きですはい。声を出して変身解除確認するられ子かわいい。

 

 

7753&テプセケメイ&マナ&シェパーズパイ

 さてマナ77メイ+シェパーズパイ一行に関しては……。ここまでイライラしてるマナさんは久しぶりに見たような気がします。(元)身内のマーガリートさんがいるっていうのが大きいんでしょうか、頼りになる・甘えられる対象がいることで好きなだけ不満を発散させてるような。

 そう考えるとマナから見た7753ってやっぱそこまで頼りではないというか(いやこれは言い方が良くないんですが)まあ自分がしっかりしなきゃくらいのことは思ってたりするのかもしれないですね。メイは上半身が消し飛んだのにそれくらいだと全然心配にもならなくてすごい。メイはつよい。

 

  シェパーズパイが死ぬとこの島のホスト(かつ一番の常識人)が不在になっていよいよ手が付けられなくなりそうで、9話……。死傷者少なめで進んできたbreakdownですがいよいよ転がっていくかもしれない。

 

 

 アグリ&ナヴィ・ル

 最後にアグリとナヴィについて。ここが一番9話の気になりどころかなあ。アグリの考えているこの事件の真相と、ナヴィの考えてることは違いそうですが……。

 なんだかんだ実験場所属なあたり実績を是とする魔法使いでありつつ世俗的な面もあるナヴィさんと、浮世離れした雰囲気を持ちつつも金を根っことする劣等感なりなんなりに行動原理が存在するアグリさん。取っつき易そうな近しい態度の二人ではありますが、大元としては全然違うんだなーと思ったり。

 

 ほんの一瞬、アグリの顔から笑顔が剥がれた。自分では手に入れることができない物をじっと眺め、手に入れることができないとわかっているのにそこから離れられない。そんな顔だ。羨ましさ、妬ましさ、口惜しさ、悔しさ、そういうものを混ぜた上で、絶対に手に入れてやるんだという決意をまぶしている。

 

 う~~好きな文章です。アグリさん好き……。

 

 

 というあたりで8話感想はおわり。投稿が無事成功してれば9話に向けてのものすごい駆け込み感想になってると思います。

 最近breakdownの更新が15時とかなのですごくこう……大体出先でまほいくを読むことになり平静を保つのが毎回大変です。breakdown,F2Pを読むにあたって常々思っていることではありますが、まほいくがスマホで読めるの便利で本当に素晴らしい。