本日のまいにち魔法少女……の前に、今日見た新刊情報について。
こ……これについてまず。すごくびっくりした、びっくりしたんですが、とりあえず今のところは続報を待とうと思います。
このビッグニュースを読んだ時にまず揺るぎない第一に遠藤先生の描く新しい世界が読める喜びがあり、第二以降は全部混乱今でも混乱なので……落ち着いて……待ちます。びっくりした本当に……。
あらすじが異常(作中)世界と異常現象(ゲーム化進行中)を両方平然と盛り込んできて明らかに情報過多なのに何事もないかのように異常を通してくる感じ、かなり視点が異常なときの魔法少女育成計画みたいだった。そうかな……。とりあえず待ちます……。大正ロマンと冒険ファンタジーすごく楽しみですね。それは本当。
さておき……さておき、本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは1、カルコロでした。
カルコロは非常に特殊な魔法少女です。一歩間違えればヴェス・ウィンタープリズンが同族でした。以下感想。
カルコロ。中学生魔法少女学級の教師という、とんでもない胆力の持ち主でなければ不可能そうな職務に就く魔法使い魔法少女です。魔法使い魔法少女!! 居そうで居ない初登場枠ですね!
魔法使いでありながら魔法少女の才能を持つ存在については、遡ることbreakdown5話にて言及がありました。
「魔法少女になるのはね、難しいのよ。特に男の人は」
「うん、でもたまにいるって聞いて」
「私も魔法少女にはなれなくて」
「イオールも?」
「頼めばテストしてもらえるの。大人でも子供でもとりあえず調べておこうって人はけっこう多いんですって。お薬をもらって飲んだんだけど、なにも起こらなくて……」*1
魔法使いだからといって魔法少女の才能に恵まれがちというわけではないようです。カルコロもお薬飲んで魔法少女になれるか試したりしたんだろうか。
魔法使い魔法少女って、魔法使いの良さ(準備さえ整えれば多種多様の活用ができる)と魔法少女の良さ(身体的に頑健であり、一点特化(例外あり)した固有魔法を持ち、かわいい)を両取りできる夢のような存在のように感じますが、当事者曰く、
カルコロは自らを危険から遠ざける術を心得ている。魔法少女の才能を持つ魔法使いというのは孤独な存在だ。魔法少女からは仲間と思われることはなく、権力の犬だと看做される。「魔法の国」の貴族からは便利なアイテム扱いされ、同胞といわれることはない。*2
とのこと。世知辛い。下級貴族の出という出自にも世知辛さを感じる。
なぜ魔法少女学級の教師が魔法少女に変身できなければならないのか……という運営上の都合については謎です。魔法少女が急に暴れ始めた時対処できるようにとかだろうか。それともサブプラン進行上の必要性があるのか。どちらにせよ荷が重すぎる。
2つの魔法的顔を持つカルコロ。魔法使いとしての彼女――カルコロ・クルンフは、犯罪学の権威を目指す学生だそうです。
学生魔法使い! 魔法使いの学生服を持っていたマナのことを思い出します。魔法使いの学校って何校くらいあるんだろう。外見年齢≠実年齢な長寿存在が居るらしい世界での学生期間ってどのくらいなんだろう。人間から見ると異常に長かったりするんだろうか。犯罪学ってどれくらいメジャーな学問なんだろう。カルコロのプキン将軍評が聞きたい。気になりが尽きない。
魔法少女としての彼女――カルコロは、「魔法のソロバンで計算したり戦ったりできるよ」という魔法の持ち主です。「計算したり戦ったり」という言葉、かつてなくよくわかんない並列で好き。
自分は登場人物紹介ページ見るまでカルコロは「猛スピードで走る魔法のソロバンを使うよ」でソロバンスケートしてくる魔法少女なんじゃないかと半ば本気で思っていました。終盤でほんとにソロバンキックボードしてたので笑った。
実際彼女の魔法について一番印象的だったのはソロバンキックボードでした。次巻では「計算」の魔法の方も点数計算や精神安定やジャンプ調節以上のところで活躍したりするんでしょうか。
ソロバン使いのカルコロは、コスチュームにも加減乗除のモチーフが散りばめられています。変身すると外見年齢幼くなってそう。魅力的な赤い瞳の持ち主です。
全体的に白っぽい衣装・髪色に推定ネズミモチーフ、小柄な体格からはすごく「可愛い」属性の魔法少女であるように感じるのですが……。彼女のコスチュームをよく見るとだいぶ露出がすごい。後ろから見た時大変なことになってると思う。こういうSDで見ると露出度錯覚する魔法少女好きです。
本編でのカルコロの動きについて書いていく前に、魔法少女育成計画「黒」全体に感じたことについて少し。
「黒」は、登場魔法少女達が様々な認識の相違や誤解やすれ違いを積み重ねながら、何故か普通に話が進行していき、全員生存で終わるため読後感はなんか妙にいい感じになってる……という印象の物語でした。不協和音が堂々打ち鳴らされてる感じ。
読者だけが先行してこれ異常では!? って思うやつ、なんだかんだまほいくでよく読んできたような気がしますが……「黒」は特に……特に多かった。まずピティ・フレデリカが普通に偉い人をやってる時点で異常が始まってるし……。
とりわけ、カルコロ周辺では誤解等々が多発していたように思います。最早面白怖いコントめいていた。
体育館内模擬戦がカルコロの思惑を外れて俄然やる気になっちゃう生徒達とか、「各班がなにかにつけ別行動をとるのは口にできない事情があると聞いた」*3とか、カナの白紙回答に慄くやつとか……。
情報局推薦魔法少女であるテティのことを情報局所属魔法少女だと思いこんでいたり(ここは普通に胡散臭くもあるんですが)、明らかに変身前中学生縛りの数合わせで選出されたっぽい近衛隊が混じってような生徒達のことを「各派閥が送り込んできた幹部候補生であり、教師の権威など屁とも思わないような連中が揃っている」*4と認識していたりなんかもありますね。改めて数えると誤解が多すぎる……。
そういう答え合わせのない怖不協和音の中で一番怖かったのは、カルコロがエピローグで見たハルナの上機嫌っぷりでした……。あのハルナがスノーホワイトに大喜びするようになっちゃっている。自我が心配です。
カナが来てからホムンクルスが異常整備されてたりとか、教師役のカルコロが偶然犯罪学のエキスパートであるのをいいことにカリキュラムをエンドレス音楽家サーガにしたりとか、何らかの意思がガシガシ介入してるっぽい2年F組。上司であるハルナの正気が怪しい今、教師として滑らかに陰謀に巻き込まれてそうなカルコロはどう動いていくんでしょうね。
教師魔法少女という枠組みで思い出すのはやはりまず繰々姫です(今となっては袋井魔梨華も「教師魔法少女」カテゴリに入ってしまうのが恐ろしいですね……)。彼女は自分と父を襲う理不尽に翻弄されつつ、ウェディンをリーダーとする中学生魔法少女集団の一人としてプキンを斃す道を選びました。教師と聞けば彼女の姿が否応なく思い浮かぶからこそ、カルコロがこれから中学生たちとどのように関わっていくのかとても気になります。
ただ、裏山で魔法少女ホムンクルスが解き放たれた時、プシュケに泣き言を吐きながらもまず生徒を救うために動いたカルコロは、自信なさげながらも既にいい先生をやっているんじゃないだろうか……とも思います。自分も学生なのに責任者している。偉いな……。
さて好きなセリフについて。クラムベリー授業後の、「このように悲惨な事件を起こさないためにどうすれば良かったと思いますか? 今から用紙を配りますので、チャイムが鳴るまでに皆さんの考えを書き記してください」*5が上っ面ぽくて好き。懐かしいなほんとこういうの……。
好きなちょっとした描写について。これはもう、迷うことなく
魔法少女犯罪であれば他にも興味深い事例は数多ある。クラムベリー事件に関しては学術的な重要性以前の問題で、最後の一件を除いて延々とクラムベリーの勝利が続くため、バッドエンドの物語を毎日話すに等しいのだ。エンターテイメント性が高く、紐解くだけで胸が高鳴る数々の犯罪があるのに、クラムベリーだけというのはストレスが溜まる。*6
これですね! エンターテイメント性!? 当然のように問題発言! 好き!! 犯罪学をそういう感じでエキスパートしてる人が教師やってるのやばくていいな……。
カルコロ先生のやる気なし授業パート、自分は普通に興味深く読んでたんですが(ついに教材と化した上に空手やらボクシングやらその他諸々を習得してる可能性が出てきた音楽家滅茶苦茶楽しいので)、読んでいたトンチキ犯罪者達がホムンクルスとして登場した時はこれ授業で習ったところだ!? って恐怖と高揚がすごかった。
ただプキソニやグリムハートが出てきたあたり、ホムンクルスは音楽家周辺人物限定というわけでもなさそうなんですよね。どういう選出基準であの魔法少女達が裏山にピックアップされてたんだろうか。
以上。カルコロ先生が計算してくれる電卓アプリほしい。また明日。