すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女105日目:プリンセス・ライトニング

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは12。プリンセス・ライトニングでした。

 ライトニングがおにぎりむしゃむしゃしてるとこ見たすぎる。勢い余り文字数がちょっ……と飛び出ました。以下感想。

 

 

 プリンセス・ライトニング。3班班長の謎多き唯我独尊魔法少女です。同班のサリーからは「姫さん」と呼ばれてるのかわいい。

 まず特筆すべき彼女の大きな特徴に「顔がいい」があります。いや冗談ではなく、顔がいいことが一つの特徴として押し出されています。変身しても変身しなくても顔がいい。むしろ変身前の方が顔の良さに触れられている。まあ顔面偏差値的には間違いなく変身前の方がぶっ飛んでる。

 

 彼女が恐ろしく整った顔――変身していないのに!――を一部分動かすだけで周囲の緊張感がぐっと高まった。赤色が濃い唇を開き、透き通るような声を出せば緊張感は頂点に達した。

 入学したばかりの頃は異常な美しさに気圧され、挨拶をすることさえ難しかったが、[……] *1

 

 大体にして整い過ぎている容姿が悪い。どれだけあんぽんたんなことをいっていても、それが正しいように思えてくる。 *2

 

 きっと天から隕石が降ってきて地球が滅ぶという日が来ても、この異様に顔のいい女は同じ態度を貫くのだろう、とプシュケは思い、忌々しさに顔を顰めた。 *3

 

 プリンセス・ライトニングという人外の美形がいるためクラスではまずまず埋没しているが、[……] *4

 

 こうして並べるにも改めて顔が良すぎる。

 挙げた描写に限らず、色々な魔法少女の視点から細やかに溢れんばかりの魅力を伝えてきます。変身後でも蠱惑的な微笑みとかよく通る綺麗な声とか言われている。魅力的描写に尽きません。

 

 この変身前ライトニングの異様なまでのビジュアルモンスターっぷり、まあ流石に人間としての顔の良さなんだろうなとは……思うんですが、あまりにも顔がいいのでちょっとライトニング変身前=変身済魔法少女の可能性を疑ってしまう。

 つまり、ライトニングは普段魔法少女に変身した上で制服に着替えて普段の学生生活を送り、変身は人造魔法少女として変身するという……説。ややこしい。マトリョーシカみたいな感じです。

 顔が良すぎて魔法少女を疑ったの我ながらじわじわ来るな……と書いてて思いましたが、そういえば小山内晶=ララルーナはマジで顔が良すぎると思ったら魔法少女だった人でした。与太話に前例があると思わなかった……。

 

 一応ライトニングが複数の魔法を持っているのではないかという示唆があったり、裏山でこの「人間」としての姿でアーデルハイトにおぶわれていたのにしれっとエネルギー泥棒して復活してたり、細身美少女なのにおにぎりが巨大だったり(?)、ひょっとして魔法少女なんじゃない? って難癖をつける要素があるといえばあるんですが。そうだったら魔法少女重ね着できて面白いな程度の話です。ほんとにそんなことできるのかもわからないし。

 もし自分が人間だと思っているライトニングの姿が魔法少女態だった場合、ライトニングにはもう一つ人間としての顔があることになります。この顔も普通に大食い人外的美少女だったら滅茶苦茶笑ってしまう。

 

 

 顔がいい話はこの辺にして。ただ顔がいい魔法少女ってだけなら顔がいい!! で平和に終わる彼女なんですが、プリンセス・ライトニングは……ラピス・ラズリーヌ陣営所属の人造魔法少女なんですよね……。

 まず人造魔法少女という要素について。人造魔法少女っぽいビジュアルの人がいることはラフ公開時点でほぼ判明していました。プリンセス系列の名称も、プリンセスジュエルらしき宝冠も、「雷の力で敵と戦うよ」というテンプレート的な魔法名称も、「ラグジュアリーモード・オン」という特徴的なコールからも、彼女が人造魔法少女であることをはっきり伝えてきます。

 

 「人造魔法少女」の特徴を考えていった時、ライトニングがを服用する描写がないことは気になったといえば気になったんですが……本来あの薬ってJOKERS時点の技術レベルですら魔力維持的には一日一錠でいいはずなので、そのことを考えると特に不自然でもない。ACES~QUEENSのデリュージがものすごい勢いで薬をバリボリ噛み砕いていたのでちょっと印象が偏ってました。

 薬について言えば、ACESの時点でもう新薬が研究されていることが明らかになっていました。デリュージがそれを奪い服用して反射速度を上げてたりしてたので、ライトニングもまた更にアップデートされたより効き目の強く長い新薬を飲んでたりする……のかもしれません。燃費が悪いのは相変わらずっぽいですが。ラグジュアリーモード発動機序についてもアップデート済みかもしれない。

 

 それで、ただの人造魔法少女ならまだしも(まだしも……?)プリンセス・ライトニングは初代ラピス・ラズリーヌ、即ち田中先生に協力している人造魔法少女です。もう確実にデリュージの地雷を踏みまくっている。

 絶対に良い結果にならないだろうなとは思うものの、どうにかしてこの二人に出会ってみてほしいと日々思っています。ビジュアルがいいし……デリュージが推定歳上なのカワイイだし……三代目ラピス・ラズリーヌが滅茶苦茶嫌な顔しそうだし……(三代目ラピス・ラズリーヌの感情が大好き)

 

 

 そういう謎多きライトニング、なんですが。謎については一回全部横において、裏山のアーデルハイトとライトニングの話をします。大好きなので……。

 

「いいわ、いいわ、溜まってきてる」

「ならさっさと頼むわ!」

 ライトニングが剣を振り上げた。閃光が走り、稲光が轟く。紫色の電撃が周囲一体を薙ぎ払い、黒い魔法少女を蒸発させた。恍惚とした声でライトニングが呟いた。

「雷吐迅弓爆流闘 <ライトニングボルト>」 *5

 

 こ……これ。これ! 

 アーデルハイトの日にも書きましたが、ここが自分は本当に好きです。

 QUEENSにて、レーテの「万天無に帰せ <アメノオハバリ>」を、(間違いなく未知の)プク・プックが漢字ごと「聞いた」ことを考えると、ここでアーデルハイトが「雷吐迅弓爆流闘 <ライトニングボルト>」を特攻隊的当て字ごと認識したのも「読者に正式名称を読ませたい」というメタ的都合なのではないかとは……思うのですが。

 

 それでも、アーデルハイトが「雷吐迅弓爆流闘 <ライトニングボルト>」を正しく「聞いた」のと同じ巻にて、ランユウィが「禁城鉄壁 <ジークフリートリーニエ>」をジークフリートリーニエ」と「聞いた」描写がわざわざ挟まれていたのに意味を感じたくなってしまう。

 ここ、メタ的都合でアーデルハイトが漢字ごと聞いているのなら、ランユウィの方も同じようにして一貫させるところではないかと思うんですよね。技名が小説上初出ではない、という一点だけで、当人にとっては初めて聞く技名の「聞こえ方」に差が出るのはこう……個人的には、ちぐはぐに感じる。

 まあここはまだどう読んでもいい部分だと思いこむことにして、このシーンはライトニングとアーデルハイトが一瞬でも心を重ねていた、アーデルハイトが誇り高く抱いてきた魔王塾ソウルにライトニングがちょっと共感してしまった瞬間を示唆しているのだと……曲解します! これはストレートに曲解! もうおわかりいただけるかもしれませんがアデライに夢を見ています。

 

 曲解ついでですが、同じ裏山戦にて同じプリンセス・デリュージがプリンセス・ライトニングをさしおいてアーリィ&ドリィと「アルティメットプリンセスエクスプロージョン」を撃ってるのも面白いですね。

 プリンセスとプリンセスは比較したくなってしまう性分なので、デリュージの今回の変則UPEと対になるのが、「雷吐迅弓爆流闘 <ライトニングボルト>」だったんじゃないだろうか……とか考えてしまう。つまりは「雷吐迅弓爆流闘 <ライトニングボルト>」は人造天然の枠を超えた変則的合体技だったのではないかということ。すごくいいですね。

 キューティーヒーラーっぽいというサリーの発言、初読時はあまり腑に落ちてなかったんですが概念がじわじわ腑に滑り込んできてます。ひょっとしたらサリーは雷吐迅弓爆流闘のことライトニングボルトだと思った上でああ言ってたのかもしれない。

 

 というか裏山合体技について書きたかった部分は本来はそこじゃないんですよ。枝葉が異常に長くなってしまった。

 自分はライトニングの「恍惚とした声」が大好きなんですよね!!! 夜の学校で戦ってた時は「凄い凄い。魔王塾って本当に技名叫ぶのね」 *6 なんて煽ってたのに、技名言って明らかに楽しくなっちゃってるじゃないですか!? これは曲解ではない!

 もしもライトニングの全部が嘘だったとしても、あの恍惚とした声は嘘じゃなかったと思うから……カナといいよくわかんない人に対してはこういう姿勢とりがちだな……。

 

 

 好きなセリフ。ライトニングの何様私様なセリフの数々大好きなので選出に悩むんですが、地味に好きなものとして「審判、じゃああっちで」 *7 があります。

 ドリィ周辺の床はラップでガードされていたと知るや、ターゲットをアーデルハイトに切り替えるライトニング。しっかり1班2班両方の武器持ちアタッカーを直接妨害するのドルール違反でいい性格すぎる……。

 「じゃあ」でアーデルハイトが失格になるのも好き。視界塞いで反則カマしたとはいえアーデルハイトの軍刀を落とさせるってすごい。

 

 好きなちょっとした描写について。「ライトニングは口元に丸めた手を当て、声を出すことなく口を開いた。他班に聞こえないよう話し合おうということだ。唇を読むことは三班の班員なら皆できる。」 *8 が好きです。3班はプロだなあ。ここのライトニングの動作を想像してみてください。かわいい。

 

 以上。書いて自分の心と向き合いましたが、アデライに対してなんというかだいぶおかしくなってますね。どうして……。また明日。

 

 

*1:遠藤浅蜊;マルイノ.魔法少女育成計画「黒(ブラック)」(このライトノベルがすごい!文庫)(Kindleの位置No.313-317).宝島社.Kindle版.

*2:同(Kindleの位置No.2445-2446).

*3:同(Kindleの位置No.2479-2480).

*4:同(Kindleの位置No.2892-2893).

*5:同(Kindleの位置No.3404-3406).

*6:同(Kindleの位置No.2254).

*7:同(Kindleの位置No.1541).

*8:同(Kindleの位置No.1435-1436).