すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女90日目:アーマー・アーリィ(QUEENS)

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは9、アーマー・アーリィでした。

 いつのまにやらまいにち魔法少女extraも折り返しを過ぎていました。14人ホント早いな。そういえばアニメ「魔法少女育成計画」のBD2巻無事購入致しました。鮫。鮫の話。鮫……。鮫の話もいつか感想書きたいですけどもとりあえず滅茶苦茶面白かったです。月一で遠藤先生の短編が読める生活、昨年上半期からは信じられないほどQoLが高い。がんばります。

 

 

 アーマー・アーリィ。ACESに引き続いての登場です。彼女はACES最終盤でプク様襲来の際に一緒くたにお友達にさせられてそのままプク派になった魔法少女ですね。ちなみに人造魔法少女のひとりです。人間体が存在するのかは不明。

 ACESの段階では名前の無かった、剣を持った魔法少女、大砲を持った魔法少女、アーリィと一緒にデリュージから強奪された人造魔法少女ふたりにもQUEENSでめでたく名前が与えられました。

 剣のほうがブレイド・ブレンダ。大砲の方がキャノン・キャサリン。アーリィブレイドキャサリンでABCトリオです。みんな黒い鎧。揃って中身不明。アーリィ一人だけ素手なのちょっと可哀相ですがアーリィは攻撃受けてナンボという魔法少女なのでうんまあ。フレイム・フレイミィやプク・プックに近い系統のネーミングですが遠藤先生こういう揃えたの好きなのかな。自分は大好きです。

 

 

 というわけでアーリィのQUEENSでの活躍ですが……少ない! 正直なところ、アーリィは立ち絵がなくてもおかしくない程度にQUEENSに出てきません。活躍が云々というより登場する機会自体がかなり少ない。脱落しなかったことには次巻以降に期待できるのが一つ救いではあるけれど、最後の最後までわけのわからない魔法少女だったなあ。鎧の中身を見られるのが嫌いらしいですがQUEENSでもその中身はわからずじまいでした。……果たして傷を負った時に滲み出てくる黒いアレ以外にあるのかな鎧の中身。謎は深まるばかりです。

 

 しかしそれでも重要な位置にある魔法少女ということに変わりはありません。何が重要かといえばデリュージまわりに大きな影響を与えたのがABCの三人(三体?)だからです。

 

 アーマー・アーリィ、ブレイド・ブレンダ、キャノン・キャサリンの三魔法少女はプク派に囚われている。デリュージは彼女達を救い出したい。復讐に付き合わせた負い目とか、いいように利用してきた罪悪感とか、そういうのは確かにあったが、それよりも、ここに来るまでの一場面一場面が頭の中で蘇る。

 (中略)

 感傷だ。小さな思い出をいくつもいくつも共有したかつての仲間達、ピュアエレメンツにアーリィ達を重ねている。

 

 こういう。デリュージにとって、アーマー・アーリィを筆頭とした三魔法少女と共にアジトに立てこもった数日間は間違いなくピュアエレメンツとの日々を思い出すものでした。

 デリュージがピュアエレメンツと他の魔法少女を重ねてしまうのは今に始まったことではありません。彼女は前巻、ACESにおいて、ブルーベル・キャンディにプリズムチェリーを、逃げ惑うシャッフリン達に殺されていくピュアエレメンツ達を見ていました。

 それほどにデリュージにとってのピュアエレメンツ達との思い出は大事だったわけですが、しかしACESでの「思い出すことで更にデリュージの精神が追い詰められていく」形とは異なり、デリュージはただABCトリオを救いたいという気持ちの中に、ピュアエレメンツに抱いていたものと同じ感情を見ています。そこに葛藤はあっても怒りはありません。

 

 QUEENSのデリュージがピュアエレメンツへの思い出を引き摺ることでアーマー・アーリィ達を救いたいという気持ちに繋がっていく流れは、ごく自然な重ね合わせだと感じます。いやACESのそれが人工的なものだと言っているわけでは。そういうつもりはないんですけど。あはは。

 

 

 それにしても数日間の思い出エピソードが切なくも微笑ましい。ビルをぶっ壊しかけて焦るデリュージちゃんとか、鎧達と食事を摂るデリュージちゃんなどはACESのアレからは見違えるような人間性を所持していて。いやあこの後にパトリシアさん殺したわけで大変な……大変なことを。まあその辺はデリュージの日に書くとして。

 ちょっと面白いのがABCどれかの鎧が食事を用意したというところですね。あの鎧外さずに食事してたのかな……。魔法少女は食事をとる必要なんてない、という言葉にゆっくりと否定の意を示した鎧の魔法少女は、魔法少女といえど食事を摂らなければいつか倒れてしまうというまほいく魔法少女の設定を理解していたのか、それともみんなで食事を囲むこと自体に意義を感じていたのか。エピローグの描写から察することには後者かなぁと思います。どうかな。

 

 

 さてそんな過去回想はそれとして、ABC三人はプク様に洗脳された状態でばっちり敵役として再登場。スノーホワイト指揮下でプク様を守るために尽力しています。

 アーマー・アーリィ、ブレイド・ブレンダ、キャノン・キャサリンの三名をプク・プックの補助として配し、適宜指示を出して動かすのがスノーホワイトの役目だったが、既にその態勢は崩れた。プク・プックは単独で戦闘に入り、他の者は近づけないでいる。ならばスノーホワイトと三人の黒い魔法少女も独自に動くべきだと判断した。

 という感じ。遺跡に侵入した敵魔法少女達を迎え撃つスノーホワイトとABCトリオは色々がんばります。アーリィはスペードエースと一人で組み合える程度に強い様子。そう考えるとパトリシアさんの強さやっぱりすさまじいなぁ……。あの人当然だけどシャドゲ背負ってなかったらデリュージちゃん余裕で捻れたんだろうなと思います。惜しい人を亡くした……

 

 アーリィがどうなったかは謎ですが、ブレイド・ブレンダ、キャノン・キャサリンの両名はスノーホワイトと共にプフレ・デリュージ・ダークキューティーの三名を迎え撃つ任務を遂行します。ここでデリュージちゃんは救いたかった相手に剣(と大砲)を向けられるという構図になってしまっているわけですが、そんなことに心を痛めている余裕も無く。というか思い悩むより先にダークキューティーちゃんが対処しちゃっています本当強いなこの人も……。

 鎧三人、搦め手に弱いような気配があるような。そもそも実戦に不慣れというのはあったかもしれません。そんなこんなで三人の戦いはこれで終了。 

 

 

 全てが終わり、エピローグでのABCトリオはデリュージと行動を共にして人小路庚江が所有してたっぽい施設に住み着いています。デリュージがベッドで寝てた間の三人はどこでどうしてたんでしょう、いつ合流したんでしょう。その辺は謎ですが寝てるデリュージのお世話してたりしたのかな。デリュージが施設に行く時も着いて行ってたのかもしれません。

 

 どうしてアーリィ達三人はこうもデリュージを慕って(?)いるのでしょうか。彼女達にとってデリュージは一種誘拐犯なわけですが、ABC三人がもと居た場所は三人をあまりよく扱っていなかったりしたのかな。彼女達にとってはデリュージは救い出してくれた人だったのかもしれません。想像でしかないですけど。

 オフィシャルファンブック曰く「優しい人」が好きなアーマー・アーリィです。アーリィにつらくあたるデリュージではなかったでしょうから、彼女にとってデリュージは好意を持てる人だったのかなあとか。

 

 どうしても鎧の三人とひとくくりにしてしまいがちですが、エピローグで三人にもばらばらな個性があるのがなんとなくわかります。レトロゲームが好きなのがアーリィ。甘党なのがブレンダ。苦いコーヒーを淹れてくれるのがキャサリンです。個性って言えるんだろうかコレ……。

 ともあれこんな三人とデリュージちゃんとシャドゲの共同生活、とりあえず当分は平和的に時間が過ぎていってほしいものです。ACESでアーリィに小学生お嬢を重ねた護は今でも一緒に対戦ゲームをする度に何かを思い出そうとして思い出せなかったりするでしょうか。悲しいね……

 

 

 さて好きなイラスト。イラストが無い!!! 悲しいですね……。ブレンダとキャサリンはちょっと鎧のあつらえが違ったりするんでしょうかね。

 

 

 好きなセリフ。セリフも無い。なんてことだ。ブレンダの笑い方を見るにABCの三人は発話機能が備わってなさそうな気配がありますね。言葉も通じてないですし……。これ元の姿のある魔法少女なのかなぁ本当疑わしいな……

 でも言葉を使わない意思疎通は可能なのでちょっとだけ安心です。廃人(喋らない)と鎧(喋らない)との共同生活が始まるデリュージちゃんのことはちょっと心配です。ゲーム音と鎧のかたかたいう音とコーヒーを沸かす音とデモンウィングが飛んでる音だけが聞こえる日々……。ほとんど喋らないまま一ヶ月もすると声の出し方忘れそう。デリュージちゃんの喉の心配も含めて護には早く喋ってほしいです。

 

 以上。アーリィ並びにABCトリオの作り方……というか魔法少女化の過程はちょっと気になります。明日もがんばります。