すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女104日目:クラシカル・リリアン

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは9。クラシカル・リリアンでした。

 リリアンはキャララフ時から髪の色が大きく変化してましたね。正式版ではより華やかになっていた。以下感想。

 

 

 クラシカル・リリアン。2班所属で近衛隊メンバーの一員です。変身前と変身後の精神的ギャップが激しい魔法少女です。

 メピスも多分尋問用で意図的に「小悪魔」的振る舞いをすることがあるので、近衛隊の2/3が魔法少女時限定の表情があるっぽくてクミクミは大変です。

 

 リリアンは恐らく仏ないし女神をモチーフにした魔法少女です。リリアンなら蜘蛛の糸も編めそう。現行のbreakdownが「女神」というモチーフを重要なワードとして取り扱っているので、読み始める前はリリアンがどんな魔法少女なのか多少緊張がありましたが……彼女にはちゃんと人間性がありました。よかった。

 

 それにしてもビジュアルが神々しい。色とりどりの組紐を編み込んだような髪色に、そこかしこに散りばめられた蓮の花。白毫の代替っぽい額の宝石といい、全体的に仏教感が漂っているのですが、首には勾玉を付けてたりするので何かしらの神性に統一されているわけではなさそう……と思う。この辺全然詳しくないのであれなんですが……。

 詳しくないで言うと、リリアンの前髪が編んでまとめられているんですが、その髪型の名称がわかりません。どこかで見たような気がするのにどこで見たかも思い出せません。もうだめだ。

 

 

 固有魔法は「魔法の編み機で好きなものを編み上げるよ」

 自分は編み物単語っぽいことだけ認識しているリリアンというものが具体的になんなのか全然知らず、今回の記事をきっかけに画像検索したんですが……これ多分リリアンが腰から提げてる物体が「リリアン編み機」、つまり「魔法の編み機」なんですね!? 仏教の道具かなんかかと思ってました……。そして編み機の脳内イメージ図が勝手に機織り機になってたことに気付いて笑った。

 この編み機の先端部分に糸を引っ掛けてあれやこれやを編んでるのかな。体育館模擬戦にて「糸玉」を投げてましたが、糸の方は無限湧きアイテムなんでしょうか。

 

 好きなものを編み上げる。初見時はピンとこなかった魔法名でしたが……滅茶苦茶便利でしたね! サポート役として優秀すぎる。だいたいなんでも編める。鳴子を編めるってどういうことなんでしょう。

 あのパワードクミクミフォートレスモード完成にも、関節部位や力の伝達の面でリリアンの魔法が関わっています。二人で色々工作してたんでしょうか。かわいいな。

 

 罠を作って足をかける、鞭で絡めとる、盾で攻撃を防ぎ、咄嗟に盾を解いて網に変化させ捕獲する、と七色のリリアン編みホムンクルスを翻弄しているが、彼女は攻撃力が足りず、ホムンクルスを一撃で倒せない。 *1

 

 体育館模擬戦のここ大好きです。手数が多い魔法少女の戦闘シーン好きな傾向にある。攻撃力に欠けるという難点も魅力に感じてしまいます。共闘が映える。

 

 

 変身後のリリアンの有能さは戦闘能力に留まらず、随所で滅茶苦茶気が利くようになっています。ただ、なんというか、変身すると性格にちょっとした癖が発生してますね。

 

[……]クラシカル・リリアンが大きく変化していた。見るからに自信が無さそうで他者を窺うように視線を動かし続けていた変身前に対し、超然とした態度とほんのり浮かべたアルカイックスマイルからは強固な自我と自信が垣間見える。宗教に縋りそうな人物が、宗教を起こしそうな人物に変化している。魔法少女という大きな力を得て自信をつけるタイプは少なくないため、その線かもしれない。 *2

 

 カナに「宗教を起こしそう」とまで言われている。変身前・後で自我の接続はどんな感じなんでしょう。「宗教っぽい」魔法少女といえばシスターナナのことを思い出しますがリップル「宗教かぶれのお花畑」と判断されていたシスターなので)、彼女は格好いいほどに信仰心なしの完全ロールプレイシスターだったので……リリアンはどうかな。

 自分の望みに関わらず「ああなってしまう」のなら正に神憑りっぽいですが、自信つけただけで宗教創立者風になるならそれはそれですごいですね。

 

 

 さて人間時のリリアンについて。変身前の彼女は、クミクミに「病的に白い引きこもりの肌、手入れの足りない伸びっ放しの髪、そして寄りかかる者特有の目」 *3 と評される感じの女の子です。「寄りかかる者特有の目」という表現好き。

 自分が怒られないためにどうすればよいかばかり考えているとか言われているので、変身前で動く時には大抵のことをクミクミに任せっきりにしているのかもしれません。クミクミの日で少し触れましたが、彼女からはわりとかなりあけすけに鬱陶しがられています。

 

 クミクミからはそれだけ厄介がられているリリアンですが、印象としてクミクミよりも厄介がりそうなメピスとの関係はそこまで悪くもなさそうなのが意外。漫画の話までしている。そこは付き合いの長さだろうか。

 そう、漫画です。リリアンはメピスとはまた違った漫画の趣味をしています。漫画の趣味というか、物語の読み方というか……。

 

リリアンは恋愛の漫画が好きだといったな」

「そうだよ。少女誌レディコミなんでもござれよ。大人しそうな顔してさ、男女だけじゃなくて女と女でも男と男でもいいってタイプよ。恋愛描写なんて殆ど無いようなバリバリの少年漫画まで『このシーン、こういう意味があるんじゃ』『だれそれ君がなんとか君を好きってこと伝えようとしてるのかも』なんてきゃーきゃー盛り上がるタイプだよ」  *4

 

 

 か……カプ厨魔法少女!?

 読書感想文の時に「普段は目立つことを嫌うリリアンが、描写されていたとも思えない男性同士の恋愛事情に言及して悪目立ちしていた」 *5 とかカルコロに言及されてた時点では、あっボーイズラブが好きなんだな……くらいに思ってたんですが。まさか全方位に恋愛を見出してたとは。自分が全方位に関係性を見出しがちなのでこうよくない親しみやすさがある。あるか……?

 

 メピカナが同棲した結果彼氏の趣味に影響された彼女的存在と化してること、リリアンはどう思ってるんでしょう。現実は現実でちゃんと区分けしてたら普通に偉い人なんですが、でも折角なので現実にも恋愛脳持ち込んでみてほしい。リリアンの目で2年F組が見てみたいので……。

 あと変身後の超然モードで恋愛漫画読むとどういう反応するのか知りたいです。カナに恋愛漫画貸して新たな世界を教えてみてほしい。メピスは不満かもしれませんが。

 

 

 さて好きなセリフについて。アーデルハイトVSライトニング戦後の緊急会議にて、クミクミの拙い仮説を受けた上での、「ああ、なるほど、誰かに借りた魔法のアイテムによる電撃で、自分自身の魔法は別にあるんだとすれば矛盾は無いと」 *6 が好き。クミクミは特にそこまで考えていたわけではなかったんですけどクミクミが考えたことになってる。かわいい。

 

 好きなちょっとした描写。裏山戦にて、不可視のホムンクルスメルヴィルを相手に咄嗟に編んだ投網で対処した機転が……好きです!

 ここについては(ホムンクルスの方が本物より明らかに弱いとはいえ)メルヴィルの不可視魔法に対する新たな攻略法が示されたようでわくわくしました。追い込み漁いい。狩人のメルヴィルを模したホムンクルスが漁として狩られる対象になってるの面白いなあと思います。

 

 以上。リリアン魔法少女育成計画読んでほしいな……。リリアンが恋愛関係判定しそうなふたりぐみリストを想像しかけて危ういのでやめました。また明日。

 

 

*1:遠藤浅蜊;マルイノ.魔法少女育成計画「黒(ブラック)」(このライトノベルがすごい!文庫)(Kindleの位置No.1589-1591).宝島社.Kindle版.

*2:同(Kindleの位置No.1325-1329).

*3:同(Kindleの位置No.587).

*4:同(Kindleの位置No.2776-2780).

*5:同(Kindleの位置No.923-924).

*6:同(Kindleの位置No.2403).