本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは14。プシュケ・プレインスでした。
水着魔法少女を冬に見るとどうしても寒そうだな……と思ってしまう。でも水着魔法少女に雪山とか寒そうなところでなにかしらの活動して異常風景になってほしいな……とも毎回思います。以下感想。
プシュケ・プレインス。3班所属のプク派被雇用フリーランス魔法少女です。
正規雇用ではない契約関係のため、きちんと卒業しなければ前金しか貰えないし信用も失うという立場はだいぶ厳しい。フリーランス魔法少女はどの巻でも大体大変そうです。
推薦元が唯一のプク派であることも、少なからずプシュケの難儀な立場に繋がっています。そもそもこの学級は元々プク派が運営していたものだったのに、プク・プックの事件によりプク派の権力は大きく失墜、今となってはプク派を追い落としたオスク派が魔法少女学級を運営しています。
フリーランスとはいえ一応プク派のプシュケは、(彼女を介してプク派が何かちょっかいを出して来ないかなど)他の魔法少女以上に目をつけられていてもおかしくありません。難儀だ。
そんなプシュケの魔法は「魔法の水鉄砲で戦うよ」。呼称のシンプルさはファン・リート・ファンの「魔法の鉄扇を使うよ」とタメを張れます。どちらかというとファンの方がバリバリ戦う魔法少女っぽいのにファンは「使うよ」でプシュケは「戦うよ」なのちょっと面白い。
この魔法をどういう風に活用してフリーランスとしてやってきたんでしょうか。戦闘に特別卓越した魔法少女という印象もありませんでしたし、水鉄砲から多種多様な液体を噴霧するあたりに需要を開拓してたのかな。プク派貴族に雇われるまでの縁はどんな感じだったんでしょう。
この「魔法の水鉄砲」、第一印象としては自分の血液を代償にしなくていいレディ・プロウドみたいな感じなのかな? と思っていました。ただ、プシュケが撃ち出す液体は水鉄砲という武器の都合上霧状になるという点は、ちょっとプロウドと違ってくるところかなと思います。作中でも言及されていましたが、水鉄砲主体で戦う分直接的な攻撃力には欠ける様子。水圧強くして撃てたりはしないのかな。
水鉄砲の中に詰める液体についてはかなり自由度が高いようです。唐辛子スプレーや謎の霧はまだしも、強酸性の液体を詰めても水鉄砲が溶けなかったり、粘着剤を撃ってもノズルが詰まりを起こさなかったりするあたりは流石の「魔法の水鉄砲」という感じ。
潤滑剤での走行妨害・ソロバン加速も(カルコロの反応も合わせて)印象的でしたが、プシュケの魔法で一番印象的だったのはやはり、
「熱い! 熱い!」
「熱ぁぁぁ!」
プシュケがそこかしこに霧状の白い液体を噴射、炎の勢いが瞬く間に収まっていく。最も強烈な一吹きが炎の塊を吹き消し、黒いフレイミィが悶え苦しみながら消え失せた。 *1
これでしょう。冷静に考えると笑ってられる状況じゃないのに普通に滅茶苦茶笑ってしまった……。
ホムンクルスとして再現されてなお消火剤持ちに負けるフレイミィ、宿業かなにか背負ってるんだろうか。メタ的に特効的魔法消火スキル持ちが居ない場にフレイミィが発生するとフレイミィが無双して全員死にうるので、フレイミィが暴れる場に常に消火剤持ちが居るのはそりゃ……そうといえばそう……なんですが、それにしても通りが良すぎて笑う。
ともあれプシュケの水鉄砲は、各所でサポート的にも特効的にも活躍していた魔法でした。「黒」の時点で既にライトニングの悪知恵やカルコロのキックボードとの連携を見せていましたが、他の魔法少女との連携も読みたいです。出ィ子とか。どう連携できるのかはちょっとわかりませんが……。
水鉄砲という固有アイテムと揃えるように、プシュケのコスチュームは水着です。久々の水着魔法少女!
フリルとチェックに彩られた水泳キャップと水着はかつてなくファンシーでかわいらしい。腕につけるタイプの浮き輪やクマの装飾は幼児的でもあります。外見年齢もそれほど高めじゃないのかな。
「黒」の衣装、お洒落で好きなものが多いんですが……プシュケのコスチュームは一二を争う感じで好きです! 何より配色がいい。水色の浮き輪、赤色のお魚フロート、彩度低めの髪色、そして特徴的な二色の瞳色!全体的にふんわりした色合いにきつめのピンクの水鉄砲が映える。あと爪色が赤いのも好きです。
シースルーが多く取り入れられていたり、「黒」の魔法少女はトレンドを感じるなあとぼんやり思っていたんですが、このプシュケの水着の甘さも2019年を感じる……気が……します。でもトレンド感だけじゃなくて奇矯さも混じってるバランスが非常に魔法少女コスチュームで良い。
ビジュアルは存分に甘々なプシュケですが……性格はかなり味が濃いですね。
小学校の頃のプシュケは、仲間内で悪口を言って盛り上がることを楽しんでいた、わかりやすい「クズ」的存在でした。ただそこから紆余曲折あって、プシュケの悪口癖は、「ストレス解消することを目的とし、独り言として毒を吐く」というちょっと面白い形に落ち着いてしまった。なんか回り回ってびっくりするほど無害寄りな落ち着き方をしている……。
そこはフリーランスで食べてきた魔法少女らしいというか、持って生まれた悪癖(と言っていいと思う)と常識性をいい感じに同居させているなあと思います。折り合いの付け方がいい。
ただそれでもサリーの地雷をガッツリ踏んでたりするあたり、常に無害ではいられないんだろうなと思います。そりゃそう。主にメピスのセリフにより悪態が豊富な「黒」でしたが、プシュケの悪態ももっと読んでみたいです。
好きなセリフ。
「だからさ、そういうのが面倒くさいっていうの。どうせ皆思春期真っ盛り、魔法少女なんてただでさえおかしな連中なんだからおかしなことするのが当然みたいな話なんだって。そういうのにいちいちかかずらってるのが本当面倒臭い。嫌」 *2
がいいですね。「黒」は思春期魔法少女のおかしさと派閥所属魔法少女のおかしさが入り乱れてるのがいい。
独白的には「――またこのパターンかよ! ッタレ!」 *3 が強く心に残りました。ッタレ! いいな……悪態は口に出す性分のプシュケが言葉を発する余裕もなく独白を漏らすというところに、ホムンクルス戦のギリギリさが感じられるのもいい。
好きなちょっとした描写。挙げた好きなセリフと近いシーンにはなりますが、
レインボーピーチティーが運ばれてきたため一旦会話を中断した。七色に層が分かれた美しくも可愛らしいピーチティーだ。店外から差し込む太陽光をキラキラと反射させている光景をパシャリ、更にサリーと二人並んでグラスを掲げているところをパシャリ。 *4
が好きです。自撮り!! 映える飲み物!!! 今風だなあ。サリーも当然のようにスッと撮られてるのいい。プシュケは何かSNSやってるんでしょうか。
もしサリーもSNSやってたら……ちょっと心配になりますが、まあサリーからはキューティーヒーラー内々定をネットで吹聴したりする危うさはあまり感じられないのでやってても大丈夫だろうなと……思います。多分。
以上。3班の魔法少女について書くのはプシュケが最後でした。また明日。