すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女50日目:ねむりん

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは10。ねむりんでした。

今を去ること3年前、魔法少女育成計画を初めて手に取った自分の心を口絵ページから鷲掴みにした魔法少女はねむりんでした。かわいい。ねむりん、とてもかわいい。がんばります。

 

 

 ねむりん。登場話は「魔法少女育成計画」。

 眠たげな瞳の眠たげな魔法少女。だぶだぶパジャマ上一枚のみというなかなかに破廉恥な格好ですが、一応下着は身に着けているようです。

 立ち絵では大きい枕を抱えています。髪からは謎のねむりんアンテナ(夢や希望が詰まっている、巨大化もする)が生えています。髪は二つお下げで、地面に届くほどに長いです。だるだるしている。靴下が片っぽずり下がってるのがまた可愛らしいです。

 

 彼女の魔法は「他人の夢の中に入ることができるよ」。聞いただけでもすごいなあというものなんですが、予想以上に凄まじい魔法でした。というか、ねむりんがすごい魔法少女でした。

 

ここは夢と現実の境目。
 ふわふわの真っ白な雲がどこまでも果てしなく続いている。まるで綿飴のようで、実際、口に含むとほんのり甘い。四方を囲む雲と同じ材質で天蓋が形作られ、その下にはソファーとクッションが用意されている。
 魔法少女「ねむりん」は、長い長い髪を雲の床に垂らし、ソファーにちょこんと腰掛けて魔法の端末を操作していた。

 

 かわいいなあ……。ねむりんは全ての人間の夢と繋がっている空間こと「夢の世界」に自由に出入りすることができ、そこから知り合いやらニアミスしている子やらの意識の中に自由自在に入り込むことが出来る、初代壊れ魔法持ちの子でした。

「夢の中では絶対的な力を持ち、あらゆることを実行可能」と言い切られただけあって、夢の中のねむりんに不可能はありません。その強大な力で以て、夢の世界でのマジカルキャンディーを有り得ないような数集めています。

 実際夢の世界のねむりんは神様のようなものです。夢の中でダメージを与えると現実にもフィードバックしたりするそうです。しれっと書いてますが強い。

 

 

 生前ねむりんの活躍はもっと見たかった……。

 彼女は衝撃的な出落ち魔法少女でした。同じ第一犠牲者枠のマジカルデイジーが81ページ呼吸していたのに対してねむりんは61ページ。それもほとんど描写もされないままにするっと生物として息の根を止められてしまいました。

 魔法も外見も好みだったために、本編ねむりんの何の見せ場もない脱落は衝撃的で。当時の自分にとって「うわあ」という以外にない感想を抱かせるには十分でした。正直それだけだったら別段ねむりんのことを現段階ほど好きになってはいなかったんでしょうけど、無印を経て、そこからの短編等々の……主に死後のねむりんフィーバーが強かった。

 

 貴重・貴重・アンド貴重な生前ねむりんのセリフ回しが拝める「ねむりんの冒険」

 ねむりんの人間体・三条合歓の従姉妹、三田好ちゃんことマスクド・ワンダーをねむりんが魔法少女インストラクチャーとして鍛え上げていく「ワンダードリーム」

 そしてそしてあのねむりんの「世界」をこれまでに無い次元で楽しむこととなった魔法少女育成計画 in dreamland」などなど。

 

 いやーねむりん。ねむりんカワイイ強い。死後もなお活躍し続けるその強さ。

 死後ねむりんは魔法にものすごく強化がかかり、「会ったことのない魔法少女を、時空間を超えて自分の管理する空間に強制的に引きずり込める」「魔法少女達の「理想」の存在を無意識から引き出し、実体化させる」なんてことまでやれるようになっています。

 ねむりんアンテナの制御に失敗していたり、夢の世界でやりたい放題というわけにはいかなくなっていたりと……凋落の気配はありますが、魔法そのものは生前のそれよりも何倍も強力なものとなっています。

 

 

 それはねむりんが「眠り」をモチーフにした魔法少女だからなのかなあ。

 死が眠りと言い換えられることを強引に解釈していくならば、ねむりんは永遠の眠りについたのち、その意識はねむりんのホームこと夢の中に溶けていったのでしょう。

 自我が不確かになったり、体調を崩したりしつつも、夢の中で彼女があれだけの魔法を行使できるのはモチーフと本人の死が奇妙に絡み合った結果なのではないかなーと勝手に思っています。

「たぶん……もう夢そのものみたいなもんだからさ……」とは本人の弁ですが。ねむりんが夢そのものに溶けたのなら、彼女は全人類の夢に通じる夢の世界すべてに遍在しているということになり、それによって「時空間を超えた魔法少女の召喚」が可能になったんでしょうかねとか。普通に神様してますね。どこにでもいてどこにでもいないねむりんです。

魔法少女みんなが死後「眠り」についていて、ねむりんに迎えられてたらそれは平和で素敵だなあと思ってましたが、何か似たような何かしらが記憶に引っかかるなとおもったらこれ円環の理チックですね。アルティメットねむりん。

 

 

 さて好きなイラストについて。ねむりんは可愛い絵ばっかりで困るんですが、特別編集版魔法少女育成計画の巻末に収録されている、格ゲー風味のスノーホワイト&ねむりんイラストが好きです。

 あれ、特別編集版で初めて見た絵でものすごくびっくりした覚えがあります。こんなイラスト出てたんだ!!って思ってもともと何のイラストだったんだろうと確認してみたら文庫版『魔法少女育成計画』発売時のとらのあな特典イラストカードでした。なるほど。

 

 

 好きなセリフ。セリフどれだろう……。ちなみに無印のねむりんのセリフは「どもども」ただ一つです。なんという事だ。えっと、じゃあべたにニート卒業して就職活動しよっかな」でした。魔法少女ニートを辞めようとすると死ぬ傾向にあります。恐ろしいことです。

 

 以上。明日もがんばります。