すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

アニメ3話感想

 

魔法少女育成計画キャラクターソングアルバム「musica magica」の試聴が出来るようになってましたねー。

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全曲共通してあ~~早くフルで聴きたいって感じなんですけど、試聴した限りだと特にねむりん(花森ゆみりさん)の歌う「おやすみパラレル」がすごく……すごく好きです。発売され次第ぜひ回して聞きたい。「居るだけで 私はそれだけでいいの」「ずっとみんなを応援してるから」あたりの歌詞が刺さる刺さる。

魔法少女のキャラソンも試聴できるようになるといいなぁ。個人的にはタッグで歌う魔法少女達がどういう掛け合いを見せてくれるのかが楽しみです。ルーラ&スイムとか。

 

ルーラ&スイム。3話はルーラ様オンステージって感じでした。感想行きます。

 

 

アバン

 

あー「トップスピードと遊ぼう」をここに入れてくるのかぁ! とかなり驚きました。何せ本来の「トップスピードと遊ぼう」は試験の前日譚なのですから。入ってくるとしても回想的に挿入されるものかなぁとぼんやり予想していましたが、こういう風に構成してくるのかー。

スイムスイムから電話がかかってきた時に表示されたアイコンがスイム仕様(うさぎと波紋)になってて他の子の場合もぜひ見てみたい。

 

短編。他の短編の挿入方法も気になります。多分「ロボットと修道女」「ゾンビウェスタン」あたりは入ってくるんじゃなかろうかと思いますが(というか「オフの日の騎士」「マジカルイリーガルガール」あたりはほぼ不可能ライン)、「魔法少女育成計画 16人の日常」の要素が入ってきたりしたらいよいよびっくりですね。無いと思う。

 

 

Aパート

 

A-Bパートにかけて、「天使をプロデュース」「トップスピードと遊ぼう」の混成アニオリという非常にアクロバティックな展開。こんな構成が出来るのも、ひとえに2話でのねむりんの死がまだ魔法少女の中で周知のものとなっていないためです。齟齬を発生させないやりくりが上手だなぁ。

「トップスピードと遊ぼう」をアニメ化した、と言っても、その短編における本来の「種明かし」的要素は勿論伏せられていて。可能なラインを模索した上でアニメに落とし込んでくる意志を感じます。

 

咄嗟に上手い嘘が吐けなくて「紅葉狩り」と誤魔化すスイムスイムは実に「スイムスイムらしい」ですし、紅葉狩りという話に半信半疑ながらも「青い紅葉狩りの差し入れ!」と(良い台詞)お弁当をルーラに贈っちゃうトップスピードのいい子、、というか、面倒見のいい子具合も見ていて楽しい。

 

ここのほのぼの的シーンで「ルーラが言ってた」を初めてスイムスイムに発言させ、Bパートラストでちょっと不穏な調子の「ルーラが言ってた」を再度印象付け、次の「ルーラが言ってた」は4話に持ち越し――というこの大きな流れ。

いやー下準備が丁寧なことです。スイムスイムの静的なネジの飛び具合がアニメでどう表現されるか、4話が楽しみであり恐ろしいです。

 

 

しかしルーラチームのかわいさよ。紅葉狩りには早すぎでは? とトップスピードに問いかけられ、「紅葉……?」と怪訝な表情をした後ピンと来てスイムスイムを睨み付けるルーラ様、好きです。目を逸らすスイムスイムも好き。

トップスピードのお弁当に集まっておいしそう~~ってやってるピーキーエンジェルズも良い。ピーキーエンジェルズは喋れば喋るほど魅力が増します。

 

何といっても穴を掘ってる時に、ちょっと心の底から嬉しそうな顔をするたま。良い。あ~~かわいいなぁってニコニコ笑ってたら魔法で開いた穴の規模に度肝を抜かれました。これ音楽家さん大丈夫かな。髪の毛一本残らないんじゃないでしょうか。いや原作でも頭部は残らないんですけど。

そういえばたまの靴裏肉球マーク入ってるんですね。かわいい……。もう何もかもがかわいい。

 

 

皆かわいいんですが。かわいいだけではない。かわいいだけではないのがルーラ様です。3話はルーラ様のキャラクターの見せ方が本当によかった! 

ルーラというキャラクターは、「怖い人」でも「意外といい人」(たま的表現)でも、どちらでもない、かなり微妙な絶妙な存在だなぁと勝手に思っています。

 

わざわざ先週マジカルキャンディーを稼ぐことが出来なかった落ちこぼれのたまが自分の魔法で以てマジカルキャンディーを集めることが出来るように、山奥の不法投棄されたゴミを見つけてくるのは非常に「ルーラ様」的行動です。見つけて仕事を割り当てはしてやったけれど、自分で肉体労働を手伝ってやるまではないのもルーラ様。

 

 そこもまた「ルーラ様」の魅力の一要素なのですが。

自分こそが圧倒的な頂点に位置すべき存在であり、他は役にも立たない馬鹿ばかり」という過剰な思想の持主であるということも、彼女を評価するにおいての欠かしてはいけない核的な性質だと考えます。ルーラ様はこの点において少々常軌を逸している。

自分の望む自分に至るためなら大道芸人になることだって惜しまない。彼女は作中トップクラスと呼んでもいいほどの努力家です。それはルーラ様が自分自身のことを大好きで(ファンブック)、自分自身こそが頂点に立つべき存在だと(いっそ狂的に)確信しているからです。彼女は面倒見が良いリーダーであるより先に自分が大好きなんです。

 

ただ「一見高飛車で傲慢なだけに見えて実は意外に仲間想いなリーダー」であるだけではない、微妙に一回転半性質が捻じれているところがルーラ様の魅力かなぁ、と自分は勝手に思っているので、この3話でのルーラ様の描き方はかなり(良い人に振り切れていないという意味で)好みでした。特に「配下が脱落するなんて、リーダーとして絶対許せない」の言い方が好み。

 

うんんアニメの話をしているつもりが原作ルーラ様の話に飛んでしまいました。4話でルーラ様が完璧に良い人側に振れてたらこの辺のルーラ様観全部放り投げてあ~~アニメのルーラ様もかわいいなぁ~~って言ってると思います。非常に都合のいい脳味噌。

 

 

さてルーラ様の話はこの辺りにして、ちょっと話が前後しましてトプリプの会話。トプリプ順調に積まれてて良いぞー。「今日は」弁当無し、だとか、「強制的に食べさせられなくて済むし」とか、もう! 毎日一緒にお弁当食べてるんですかね? 以前どこかにも書きましたが、「本来食事を必要としない魔法少女が飲食をしている」という要素は、その魔法少女の個性や趣味嗜好が食事の内容からうっすらと透けて見えたりして好きです。無駄で不要な行為にこそ人となりが露骨に透ける。完全にアニメ関係ない話だ。

 

「お前のダチでもパクられたのか?」はもうとことん室田つばめのセリフですね! 感覚的にアニオリだと思うんですけど(ざっと見たけど確認できず)、こういうところであ~~言いそう、言いそう……って思えるのがすごく楽し。

 

 

そして重ねるようにしてスノラピュの話。ううう順調に積まれてますね……。この二人が和気藹々と会話していると心が厳しくなる。何話かなぁ、、

やはり「ラ・ピュセル」モードと「そうちゃん」モードの時で微妙に声の使い分けをされているような気がします。「急に現実に戻っちゃうだろー」とかは結構そうちゃん寄り。地味に一人称が「私」「僕」でばらけてるのもなりきりきれてない感じで良い。

 

 

ほのぼのなやり取りで視聴者をリラックスさせておいて、えいやっと真実に気付くところまで話を持って行かせるのはこう、ああ、性格が悪いなぁと思います。はぁ。というわけでシスターナナ・ウィンタープリズン・マジカロイド44との集会。

このちょっと教会チックな曲はシスターナナの固有BGMでしょうか。シスターナナとの関係をあわあわ否定するラ・ピュセルかわいいな……(しみじみ)

マジカロイドのセリフ、3話にして(紹介PVを除いて)初お披露目でした。何の違和感も無く、ああマジカロイドが喋ってるなぁとしか思わなかったことに自分でびっくりしました。馴染みすぎてる……。

 

「ねむりんとの思い出を残しておきたくて」バックログをウィンタープリズンに漁ってもらうシスターナナ。そこで彼女はクラムベリーとファヴとの会話に至ります。

動機付けは当然のようにアニオリですが、ここもシスターナナならやるだろうなぁという自然な行動で唸る。あの人コルクボードに写真貼って同棲部屋に飾るタイプの人ですからね。絶対やりたがるなぁ。

ログの表示方法、アニメならではという感じで好き。些事ですがウィンタープリズンの「クラムベリー」のイントネーションは「クラムベ↑リー」でした。音楽家が自称することには「クラ↑ムベリー」なんですけど。どっちだろう……。

 

 

アイキャッチ

 

ちょっとアイキャッチについて。今回の紹介はトップスピード&スイムスイムなんですが……アニメは坂凪綾名が小学一年生であることはあまり隠さない方向で行くのかな。

室田つばめ側も頑張れば妊婦に見えないことも無いですがこっちはまだごまかせてるほうかなぁ。「元不良少女」のような、作中で明かされていないデータを毎度さくっと明かしてくるアイキャッチですがまほいくの地の文補完的には良い考えなのかもしれない。

これクラムベリーさんの時どうするんだろう。ファヴと並ぶんでしょうか。

 

 

Bパート

 

Aパートから引き継いでの「天使をプロデュース」の話がさらっと。

ねむりんが死んだことを知っている視聴者としては、PVなんか撮ってる場合じゃないよ! 人が死んでるんだよ! という気持ちにならなくもないですが、描写される範囲においては彼女達の最後のほのぼのシーンかもしれないことを想うと半笑いで眺めることが出来ます。にしてもたまの「PV撮るとか」発言超絶唐突で笑う。

 

ここでマジカロイドとメアリのラインを繋げておいたのは、中盤以降の展開のハイスピード(というか超スピード)具合が多少控えめになって良いんじゃないだろうか。

マジカロイドの速攻で付くべき魔法少女を見極めて動くところ好きです。「殺し合い」に至る前に行動を起こした彼女は原作に増して勘が鋭いのかもしれない。

 

 

というわけで魔法少女全員に真実が明かされることになります。ここからが本当の魔法少女育成計画だー。つくづく無慈悲なゲーム設定。

ここのシーンなんですが、クラムベリーさんが隠す気配もなくニヤニヤしてて初見時思わず音楽家ァ!!! って笑ってしまった。そういう場合ではない。

 

この種明かしで14人の魔法少女みんなが何かしらのショックを受ける訳ですが、スノーホワイトもその例に漏れず非常に落ち込んでいます。何せ彼女の憧れ、理想とし、夢見ていた「魔法少女」の像に陰りが差してしまったのだから衝撃は人並み以上です。「本当の魔法少女は……」「清く、正しく、美しく、だよな」という会話。スノーホワイトのこうありたい、こうあるべきだという夢の形に罅が入りつつあります。

スノーホワイトにとって「人助け」とは、魔法少女になってやりたかったことそのもの。その意味が「生き残るため死に物狂いでやらなければならない手段」にすり替わったのは、彼女の魔法少女像が否定されたことと同義です。「まだキャンディー集めるの、集めなくちゃならないの」という、少々異質で無気力に見える彼女のセリフには、その事実に対する失望と魔法少女像が崩れることへの怯えが透けているように思います。

 

 

スノーホワイトがねむりんを想って泣いたところであっこれは誓う! 誓うなー! と身を乗り出していましたが誓いました。やった!

「泣かないで、スノーホワイト」から始まる一連の誓いシーン大好きなのでアニメに実在してよかったですえへへ。この誓い4話でズタボロになるのでつらい。

 

スノーホワイトがぽろぽろと涙を流し、ラ・ピュセルに抱き付くまでの一連の絵が3話の中だと一番好きかなぁ。スノーホワイトのいろいろな表情は力が入っていて見てて非常に楽しい。

さり気なくスノーホワイトの背中をとんとんしてあげているラ・ピュセルはちょっとスノラピュ指数が高すぎますね。魔法の端末が鳴ってウワァとびっくりしている二人はスノラピュ指数が高すぎますし、その時のラ・ピュセルの尻尾がビクーンと跳ね上がっているのもスノラピュ指数が高すぎます。きつい。

 

 

「バージョンアップのお知らせ」が届き、いよいよルーラ様チームが不穏な動きを始めます。「どいつもこいつも馬鹿ばかり」良いぞ。たまは躊躇っています。

それを受けての「たま、リーダーの言うことは聞かないとぉw」という半笑いの天使の言葉。これがもし「既にスイムスイムがルーラを弑する計画を三人に伝えている」状態で発せられたのだとしたら。ここでの「リーダー」は最早ルーラのことを指すのではなく……はい不穏。いやまだわかんないですけど。言っておいてなんですが多分まだスイムの計画は始動してないような気がしますはい。たまの決行前態度辺りを見るとそっちの印象の方が強い。

 

作戦結構の日時はねむりんの死から一週間後、結果発表の直前という折でしょうか。ここともするとスイムの作戦実行に影響が出そうなものですが……どうなるかな。とにかく4話を待つばかり。

 

「尊いものを頭に詰めていけば……馬鹿でも少しはマシになる」

「尊いものってなに?」

「私の言葉」

好き会話です。ルーラの言葉の調子は「冷ややか」からはちょっと遠かったけどあれはあれで好き。

 

 

来週スノーホワイト死ぬのかなぁ!というところで3話完。

3話はとにかく4話以降の展開に向けてまるまる1話を使って関係性を積み上げている印象でした。アニオリが多いとそれに準じて文字数が膨らむことを学習しました。あんまり書きすぎてもよくないかなーと思うので言いたいことをちゃんと絞りつつ4話以降がんばりたいです。せめて4千文字以下くらいに。