すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女29日目:リオネッタ

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは19。リオネッタでした。

 リオネッタ。人形魔法少女と見せかけての人形遣い魔法少女です。クランテイルチームの一人。特殊語尾勢かな……。がんばります。

 

 

 リオネッタ。登場話は「魔法少女育成計画restart」。球体関節だったり木製だったりしますが、マジカロイドのように魔法少女形態自体が人形となっているわけではありません。

 一人の人形遣いとして、自分より一回り大きい自分と同じ外見の人形を内側から操ることで周囲に人形の魔法少女として通しています。なのでリオネッタは大柄という描写があります。中に小さい女の子が入れるレベルにはでかいと考えると相当ですね。

 大きい人形と言うのは何となく本能的に怖いです。キグルミならまだしも人間の格好をした人間らしからぬ存在です。しかしペチカがかわいいと言うからにはかわいいのでしょう。

 

  質感は人間らしいものですが、材質は木製。関節は球体関節で、腕は謎の蛇腹構造になっていて自由に伸び縮みさせることが出来ます。人間には不可能な関節の動きが出来るので、死角からの攻撃が可能とのこと。対魔法少女には結構有用かもしれません。

 

  ここまで書いて、「リオネッタの腕が蛇腹構造」とrestartの風景がどうにも一致せず首を傾げながらrestartを読み返して、やっぱり蛇腹構造という描写が見つからなかったのでうーんと唸っていたらあれですね、「蛇腹の腕」についてはepisodes短編の「マジカルイリーガルガール」に登場した描写でした。

 腕が伸びるっていうのはrestart中にもあったんですけど。木製でかつ蛇腹構造……謎だ。リオネッタの外側の人形はコスチューム扱いで用意されてるんでしょうか。現実で壊れても修復できるのかな。

 

 

 たたかう人形ちゃん、とてもかわいい。かわいさに関してペチカの言葉を引用しますと、

長いリボンタイを舞い上がらせ、スカートの裾を翻し、ボンネットを風に遊ばせ、華麗に戦う様はロリィタ戦士という風情だが、よくよく観察すると彼女の動き、関節、表情、全てが作り物であるということがわかる。 

  だそうです。はああかわいい……。魔法少女の戦う姿はどれもこれもきらきら素敵ですが、リオネッタはまた特殊にかわいいですね。

 

 

 そんなリオネッタはペチカチームに属しています。皮肉屋で口が悪くつんと澄ましたお嬢様然とした性格もあって、パーティーの空気を時々悪くもしています。

 パーティーメンバーの那子とは当初仲が悪く、会話の度に喧嘩喧嘩という感じでした。いや仲が良くなってからも喧嘩喧嘩なんですが。

 

 ペチカが運命の分岐点ことRを経て鍋をゲットし、お料理魔法を活用できるようになってからはリオネッタのイライラもかなり解消され、ペチカチームの空気は改善されます。おにぎりィ?ってリアクションをしておいて、一口食べるともう止まらずにがつがつ食べ始めちゃうリオネッタ。かわいい。 

 リオネッタはお嬢様的魔法少女であるものの実際のところは借金取りに追われる貧乏魔法少女をやっています。父親の借金をそのまま受け継いじゃって大変です。ヤクザにも時々追われてます。大変だ……。おいしいご飯自体がかなり久々なものだったのかもしれない。切ない。

 

 そういう感じでリオネッタの私生活は荒れています。魔法少女か人間かは知りませんが、とにかく何かしらを金のために殺しに殺して借金を返す。人助けなんて知ったこっちゃないという感じ。

 少し話は逸れますが、リオネッタは危うい裏社会に身を置き、殺し殺される覚悟を持った魔法少女……にしては、個人的なイメージですが、「とても強い」という枠には入らないかなあ。人間相手の商売をしていた節がありますし、対魔法少女しかやってこなかった勢とはまた違う類の戦い方をやってきた存在なんでしょうか。対魔法少女戦の経験もありはするようですが。

 

 

 閑話休題。restart本編内だと、ペチカのことはうっとり溺愛し、那子とは普段ギャンギャン吠えつつもなんだかんだ言って仲良くペチカの料理をほめちぎり、とそんな感じのリオネッタです。クランテイルちゃんとはどういう付き合いしてたんでしょうね。

 そんな和気あいあいの裏で、実はリオネッタはメルヴィルに加担していた。メルヴィルに自宅を特定され(!)三百万円ぽんと積まれて半脅迫されて、ジェノサイ子の死体を操っていろいろと不和の種を蒔いたり@娘々を巻き込んで殺したりとなかなかにすさまじいことをやっています。

 restart前編ラスト、グレートドラゴン戦手前、洞窟に入ってきたジェノサイ子(死体)に最初に気付くのがリオネッタなんですよね。ラズリーヌよりも早い。自分が動かしてるので当然です。

 

 

 で、メルヴィルがクラムベリーの縁者だと割れてから。ペチカが人質に取られ、クランテイルが手を出せないまま唸っている、そんな時にリオネッタは再度メルヴィルの前に現れます。

 そしてもう一度同盟を結ぼうというメルヴィルに、「ペチカさんの手を傷つける者は許さない。そう約束しましたの。それに貴女を倒せばゲーム終了なのでしょう?」と告げ、ペチカをメルヴィルから守らんと戦います。

 

 メルヴィルの方が一枚上手だったため、最終的にリオネッタは敗北してしまうんですが……それでも。

 マジカルイリーガルガールにて、

リオネッタを縛るものは、リオネッタ自身の身の安全と、金だけだ。友達ぶって仲の良いふりをしても、いざとなれば崖の下に蹴り落とす。実際、似たようなことを何度かやってきた。

 とまで言ったリオネッタが、ここまで動いてくれたのは……やっぱり死んだ那子の力があるんじゃないかなあ。もう何のためらいもなく、リオネッタを助けるために動いた那子。

 

 彼女の死はまほいく死に方シリーズのなかでもかなり凄惨なタイプの死でした……。あの那子の死を見た時のリオネッタの動揺は、明らかに「友達ぶっていた」という反応ではありませんでした。

 リオネッタをまず動かしたのはペチカのごはんであり、そしてその立ち位置を一層揺るがせたのは那子のリオネッタへの態度だったんじゃないでしょうか。 那子→リオ→ペチ→クラの、「かつての自分」を乗り越える気持ちの流れ。

 

これはちょっとかなり無粋な話なんですが、メルヴィルはリオネッタに助けを求める際に600万円で交渉を試みましたけど、実際あの時不意をうってリオネッタがメルヴィルを殺していれば(リオネッタ視点)魔王を殺したことによりリオネッタちゃんには100億円が手に入ってたわけで、正直ペチカがどうあらなくても裏切ってた気がしますリオネッタちゃん。メルヴィルの交渉の下手さよ……。

 

 

 さて好きなイラスト。那子が死んでしまった後の、血みどろずたずたリオネッタ。好きです。

 リオネッタの主な武器は仕込み鉤爪ですが、「首筋を撫でる」と表現されるあの戦闘スタイルがすごく好きです。リオネッタの戦う姿は基本気品があって美しいものです。ベンチをジャイアントスイングするリップルにちょっと引き気味のリオネッタちゃんかわいい。

 

 好きなセリフ。うーーん好きな「ペチカさんの~」は先程紹介したので省くとして、「床が磨かれ過ぎていてスカートの中身まで映ってしまいますわ」がかわいい。恥じらいかわいい。

 もう一回言いますが基本血をしぶかせ吠え猛ってるイメージの強い魔法少女戦において「お嬢様」という枠を守り気品を保ち続けるリオネッタちゃんは結構珍しい存在でかわいいです。もう自分はお嬢様ではなく、もっと汚らしく後戻りが出来ない存在になっている、というのも拘りの要因になっているのでしょうか。

 

 以上。明日もがんばります。