すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女47日目:中野宇宙美

 

 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは74。中野宇宙美でした。

 ソラミちゃん。ACESでは物知りみっちゃんと人気を二分する人気魔法少女だったのではないでしょうか。かわいい。

 三姉妹の中だと喋るのはソラミが最後になりました。思えば偶然長女・次女・三女の順で話す順番になってました。がんばります。

 

 

 中野宇宙美。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。

 イラスト上では黒髪に近いですが、文章上では茶髪の髪をツインテールにして結っていると描写されています。髪はグラデーションで桃色/紫色に。ソックスも紫のグラデーション。かわいい。

 ゆるっとふわっとしたオシャレファッションは都会で通りそうな普通に可愛らしいものです。髪からぬいぐるみの足が飛び出してるのはちょっと尖りすぎだろうか。あれ、着脱可能らしくて笑いました。コントローラ型リュックはファングッズとして発売してほしい。

 目は「右目が赤紫、左目が薄水」のオッドアイで中にはプラスとマイナスマーク。目を凝らしてSD絵を確認したところネイルカラーは右手が薄水・左手が赤紫で目色と反対に塗ってるようです。かっわいいなあ!

ソラミのコスチュームはかわいい。個人的にはACES新出コスチュームだと物知りみっちゃんと並んでツートップです。甲乙つけがたい良さがある。

 

 

 そんな彼女の魔法は「封を開けずに中身が分かるよ」。色々わかってましたね。対象が建物から魔法の端末、オスク派が封じた情報端末に至るまで何でもアリで情報を抜き取ってたあたり、かなり便利な魔法であることがわかります。

 地味に物が持っている過去の記憶を漁れるという有能魔法少女です。JOEKRSにて既にそういう魔法を持ってる魔法少女の存在が示唆されていましたが本当にそんな魔法持ちが居たんだなぁという感じ。ちなみに三代目ラズリーヌちゃんは物が持っていた記憶さえも抜き取ることが出来ます。この子達の魔法は本当に強いな!

 

 ソラミの魔法はなんと戦闘にも活かされる素晴らしいものです。彼女の魔法は非戦闘的に非常に便利で、でもこれは戦闘の時はどう役に立つんだろうか、って考えてたところにあの「密閉性を確保し相手の動きを完全に把握した上での格闘戦」は熱い。

 筋肉の動きまでわかる、って描写がツボです。流石にベテラン勢ことみっちゃん&ダークキューティーの方が一枚上手でしたが、それでも善戦していました。うぐう。

 

 

 だるっともだっとな風貌と印象を違えず、ソラミちゃんは一見だらっとした子です。スノーさんとの三人組で幸子を捜索するとなった時も、魔法の端末をかこかこ弄りっぱなしで目を上げず、スノーさんに敵対心を持っているはずのうるるから「いくら無礼者相手でも魔法の端末使いながらは失礼じゃないかなあ」とか思われてます。かわいいなうるるお姉ちゃん。

 しかし実際のところソラミはかなり頑張り屋です。無理しいで矢鱈に気が強い長姉・うるるのフォローを入れ、滅法気が弱く失敗ばかりの次姉・幸子を庇い。なんだかんだでかなり気を回しています。スノーホワイトに対して毛を逆立てるうるると、外様のスノーホワイトとの間を取り持つことにも一役買っています。

 彼女は嫌々それをしているわけではなく、「その方が楽しい」から持ち前の要領の良さでフォローに回ってあげています。書いてて悲しくなってきました。ものすごくいい子なんですよね。うぐう……。

 

 

 ちょっと脱線して個人的にソラミ視点での興味深い描写について。

 魔法少女は飲食の必要がない。疲労に対する耐性もある。だったらわざわざ休む必要なんてない、と考えるのはうるるタイプ。ソラミタイプは、良い人間関係を築くためには一休みしてのお喋りタイムが必要不可欠で、それを円滑に行うためにはちょっとつまむもの程度でもいいので美味しいなにかがあった方がいい、と考える。

 良い……。魔法少女の食事関連の描写が大好きです。

 残念ながらアツアツの大判焼きは結局食べられることはありませんでした。ACESにおいて魔法少女の前に出てきた食べ物と言えば、スノーさんの前に出されたポテチ、ソラミが食べようとしたあつあつ大判焼き、プフレの冷めきった(!)紅茶、みっちゃんの作り出したお茶たち、初代とフレデリカが飲んでたフレデリカスペシャルって程度でしょうか。ブルーベルのキャンディは食べ物に入るかな……。

 とにかく自分は何かしら食事をしている魔法少女が好きなんです。理由は不明ですがもうどうしようもなく魔法少女の食事シーンが好き。なのでACESでは食べ物がちょこちょこ見られて嬉しかったです。

 本来飲食不要なところを何か「余計な」ものとして自主的に食事をしている、そこには魔法少女達の露骨な、装飾のない個性が出てくると思うんですよね。彼女たちに思いを巡らせるためのキーの一つと言っても過言ではない気がします。ソラミのこの描写もありがたく嬉しく読んでました。

 

 

 閑話休題。ソラミは視点を持っている間は本当に色々と考えて動いていてくれる魔法少女で、本当に文章を追うのが楽しかったです。ああ惜しい子を亡くした……。

 緊急事態時での彼女の視点もとても良かった。 三人が幸子を確保したタイミングでハムエルがゴーサインを出し、それによって襲撃してきたシャッフリンからは逃げ惑い、もうだめだというところで悪魔達と人事チームが襲来し……という大混戦でのソラミ。彼女はかつて嫌がり、隙あらばサボろうとしていた「訓練」に感謝しながら必死で立ち回ります。感謝しつつみっちゃんとの戦闘になだれ込み、以後は、はい。

 

 ソラミVSみっちゃん戦での、彼女がどっぷりと「集中」した精神状態に浸っている描写、すごく好きです。色々なものが削ぎ落とされて、ただ訓練したように身体を動かす。うるるとスノーホワイトを守るために、目の前の敵を倒すと決めたのだから戦う。とてもとても格好いい!

 しかしまあ前述のように、人事チームのベテラン具合には一歩及ばず。ソラミはみっちゃんが作ったライトによりダークキューティーが作成した影絵の獣に身体を噛み潰されて脱落です……。

 

 立ち上がろうとし、転んだ。足元を見る。右足首が失われている。血が流れる。集中力が薄らいでいく。狂おしい痛みが、ソラミの足首を文字通り貫いた。

学者風の魔法少女がソラミを蹴りつけて小屋のあった場所から飛び出し、瞬き一つを挟む間もなく、黒い獣がソラミの身体を噛み潰した。骨の砕ける音と肉の潰れる音に続き、うるるの悲鳴が最後を締めた。

 

 がーー。良い文章です。ACESには好きな描写が本当にたくさんあって、困る。困るんですがソラミのこの部分はとりわけ大好きです。

 今まで敵の動き、自分の動き、空間の配置、情報の全てを目にすることなく身体に満たしていたソラミが、小屋が崩壊したことにより自分の足首が食いちぎられたことにも気付かず、わからず、転ぶ。あの極度の集中に満ちた描写から、ぱちんと空気が抜けたようなソラミのありさま、そして息つく暇もない死。

 好きだ。ソラミの脱落描写は正直かなり好みです……。「惜しい人を亡くした」事とは別に、とても好きです。

 ソラミの死を経て、スノーホワイト、うるるというダブル生還枠の二人はどう変化したのでしょうか。幸子は何を思ったのでしょうか。プク様は……プク様の涙にはどれほどの重みがあったんでしょうか。次巻が気になることですね。

 

 

 さて好きなイラストについて。ACES序盤の、コートスノーさん・ソラミ・うるるの散歩シーンが好きです。ぬいぐるみしまってる状態。

 

 好きなセリフについて。セリフだと「ぽんぽん野郎!東側ってどっちよ!」が、「誰がぽんぽん野郎ぽん!」というファルの台詞と合わせて好きです。ソラミのセリフ回しは好きでした。

何となくソラミは二代目ラピス・ラズリーヌと出会ってほしかった子でした。ギャル感がどちらにもあるからかなあ。夢の世界ででも会っててほしいものです。

 

以上。明日もがんばります。