すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P8&9話感想

 

久々のF2P感想です。書き漏らしているうちにズルズル来てました。2話まとめてなので少しだけ圧縮気味。

F2P、面白いです。いやF2Pはいつでも面白いんですが、9話の更新内容はまた一つ別の意味で面白くなってきています!

 

konomanga.jp

 

遠藤浅蜊先生はこのインタビュー内でF2Pについて、

もともとの発想としては、シリーズが進むにつれて、原作の話が大きくなってきたことが影響しているんです。「魔法の国」という組織の話になってきて、シリーズ初期のころの、ゲームのようなこじんまりとした感覚が薄れてきてしまった。でも、そういう路線の作品も出したいな、とずっと編集さんとは話をしていたんです。

と発言されておりましたが、確かにこじんまりとした路線を出したいとは書いていますが、その中で「魔法の国」の話をしないとはなるほど一言も書いていない。外伝とはいえ気を抜いて読むわけにもいかないなあという感じで感想行きます。

 

 

8話感想

 

「探してたものが見つかりました」という言葉がこんなにもおどろおどろしい扉絵に飾られてるとちょっと笑います。「探してたもの」とは死をキャンセルする魔法少女、即ちセラセラです。

 7話の感想を書いたのがあまりにも前で若干記憶が曖昧ですが7話が公開される前の段階では自分は晶が死をキャンセルする魔法少女なのでは? と予想を立てていた気がします。8話を見る限り死をキャンセルする魔法少女はセラセラで確定としてみて良いと思います。

 

 

「死」にアクセスできる魔法少女はとても珍しいから、という言葉。これはとても印象的です! 「死」が魔法少女育成計画世界でどのように扱われているのか、は死ぬ(死んだ)魔法少女のことを思うにあたって大変貴重なピースの一つです。

 魔法少女育成計画世界の一部魔法少女にとって、「死」とはアクセスするものである。よく憶えておきたいです。自他共に認めるクズ魔法であるところのカフリアさんも一種「死」にアクセスできる魔法少女だったように思いますが、もしかすると研究部門に目を付けられてた場合色々されてたかもしれませんね。

 

 セラセラの口ぶりからして彼女の魔法は単純な蘇生には当たらないんだろうな。ノーリスクで使えるようなものでは決してなさそうです。「自分の魔法を二度使い、もう使わないと決めた」という経緯はこれ以上なくプレミアム幸子を思い出して心が痛みます。セラセラにも何か傷がありそうだ……。

 

 

 さて場面は移ってジューベさんです。彼女が「死をキャンセルする魔法少女」を求めるのは単純な研究目的なんでしょうかそれとも。システマチックな思考が多い彼女ですが何かしらの感情も伺いたいところではあります。

 

 2016年に連載開始した漫画でガラケーを描写するというのは何かしら意図があるものとみなしてもいいと思うんですが、これはF2Pの世界そのものが「スマートフォンの使用率が9割に拡大した」という無印時間軸以前であるという示唆なのかな、どうだろう。仮に過去だとしても、「魔法の端末」が存在してるだけにそれほど太古の話ではないだろうとは思いますが(短編内時系列なので正しさは曖昧な話ですが、「魔王を討伐したいから」の時間軸で「魔法の端末」運用開始が5年前。少々ややこしいですが全てが曖昧なのでまあ可能性程度の話として)

 これだけ意味ありげにガラケーを見せておいてジューベさんがガラケー派のひとだったという可能性もありうります。「遠藤さんのお宅ですか?」は遊び心ですね。

 

 ここで新魔法少女ジェリーマリーの登場です。ジェリーマリー、かわいい! とてもかわいいです! 色がついていない段階で既にとてもとてもかわいい……。

「水中でも地上と同じように行動できるよ」というかつてのデリュージを思わせる魔法、珊瑚的ブーツ、クラゲ感のあるヘッドキャップ、おでこ、困り眉! 好きです。ジェリーマリーの日常がとても見たいですがしかし脱出はほぼ絶望的な結界内に無慈悲投入ですあまりにもひどい。ジューベさんほんとパペタ以外の魔法少女文字通り使う感じで使うなぁ、、

「これでキミに何かあってもすぐ分かるから♡」というパペタさんの言葉、ものは言いようという感じ。ファンさんの時から察するに死んだかどうかが分かるだけでしょそれ!

 

 

 さて悪質な上司(魔法少女育成計画には悪質な上司が多すぎます。レーテ様はすごい)の命令によりF市に潜入したジェリーマリー、即座に見つかって当然追いかけられます。レジスタンスとして人を殺しているのに普段通り学校に通っているらしい馨と水琴の描写は少し面白い。

 ジェリーマリーを追って晶も川にやってきているあたり、晶もまた魔法少女……というのはほぼ確実なものとして見てもいい感じでしょうかね……(疑心暗鬼)。さすがにただの人間が魔法少女のところに単身向かったとしてもやることないと思うんですけど。

 

 

 逃げたジェリーマリーちゃんですが実にアッサリ捕まります。ここまでジューベさんの筋書通り感があってもう本当にジューベさんはひどい。

「はい そこまで」の時の殺すモードの顔、そこからジェリーマリーの行動に動揺してちょっと殺意が乱れるところ、かわいいです。ジューベさんはこれからどうするつもりなんでしょうか、というところで8話は終わり。ついに結界の中と外でコミュニケーションが成立しそうでほっとしたのを覚えています。物語が動く!

 

9話感想

 

 物語が動く! と8話の段階で思っていた方向には全く動いてない9話でした!

 ここでウェンの回想が来る。そしてまたウェンの回想がまたちょっとばかり魔法少女育成計画の世界掘り下げ的に見過ごせない重要度のものなんですね。F2Pずるいなぁ……。

 

 ページ数としては少なめなのでさくさくと。時間軸はF2Pから数年前。ウェンが11歳だった頃の話です。

 ウェンの姉はエルジーナ。魔法使いは皆少なからず短気なところがあるのかなと思っていましたがエルジーナさんはわりと気が長そうな感じ。「魔法少女」に憧れていることも含めて少しばかり魔法使い的には変わり者だったんでしょうか。

 魔法少女になろうとして傷を負う、というのが最高にわけわからなくて不穏で良いです。エルジーナと前々から交流有るっぽい小山内家は一体何なんだろう。謎は多いです。

 

 

 なんやかんやあって政略結婚によりカレイズナ家に貰われていったエルジーナが数か月後に死亡しその結果として落ち目だったヘイズワード家は複数の役職を与えられて権力を取り戻します。キナ臭い匂いしかしませんね! 

 どう考えてもエルジーナは生贄として死んだようにしか考えられませんし、ウェンが調べたところ実際「過酷な実験の果て、強力な人造魔法少女となり三賢人の側近として差し出された」らしいので本当に生贄でした。ひどい。

 本当に「死んだ」かどうかは曖昧なところですが、多分死んでなかったとしてもエルジーナではなくなってそうだなあという悲しさがあります。プク様のおうちに差し出されてたら死んだなんてふうに扱われるわけがないので(プク様のお友達になって手足として働くだけです。幸せ!)、オスク派かカスパ派かなあ。カスパ派のことはもっとよく知りたいです。

 

 魔法の国側の人造魔法少女に、媒体としての魔法少女の素質」を持った魔法使いが必要だったという事実はかなり面白いです。恐らくは固有の魔力を持っているであろう魔法使いにも、魔法少女の素質のあるなしはあるわけで。エルジーナ以外にどれくらい居たのかな。マナさんには魔法少女の素質はなかったんだろうか。

 

 

 さて以上がウェンの動機でした。エルジーナを自分から奪った魔法の国殺す! 潰す! というもの。いやー個人的だなぁ!!!

 ウェン君の愛したお姉さんが好きだった魔法少女がウェン君の周囲でバシバシ死んでるけどそれはいいんですかね。結構個人的でやけっぱちな犯行動機で笑ってしまいました。

 確かにこれは「魔法の国」の派閥的な物語じゃないですね! 完全に個人的な動機の個人的な結界内デスゲームです。最悪すぎて笑ってしまう。すぴのんさんは不運です。ファンさんは殺そうとしたら殺された人ではありますがそれにしても酷い。

 

 しかしまあウェン君も結界内に引きこもって魔法の国が勝手に潰れるのを待ってるわけじゃないでしょうし、ここからまた何か魔法の国へ仕掛けるんだろうなあ。ミースが探している「あと一人」がその何かのパーツだったりするんでしょうか。

 

 ウェンの一人レジスタンスになぜ小山内姉弟や水琴、芽留兎が協力しているのかもまた謎です。どこから明かされていくんだろう。10話はとりあえずジェリーマリーちゃんが死なないといいなあという感じです。以上!