すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

breakdown19話感想

 

 新短編集の予約情報が出たりしてもうそわそわしっぱなしなんですがbreakdown19話感想です!

 新刊出る頃にはbreakdownも完結してるんだろうかとか(予約情報出る前は)考えてたんですけど、6月発売ならそんなことはなさそうですね。というか短編集出る前にbreakdown20話が来るかどうかすらわからないんですけど。それくらい発売日近かった……!

 

 短編集の話はほどほどにして、breakdonw19話なんですが……もう……とんでもなく……すごかったですね! 17話読んだ時いやこれ以上感情が昂ぶることないでしょ……て思ってたのに普通に昂ぶってた。遠藤浅蜊先生すごすぎる。

 初読後本当に呆然としてしまって、今自分が抱いている感想が「楽しい」なのか「怖い」なのか判別がつかないような状態でした。面白さに対してこんな風に困惑したことなかなかない。しかし間違いなく面白くて、いよいよとんでもないな……としみじみ思いました。

 魔法少女の在り方について「狂気」という一言で片付けるの、今積極的にやりたい言い回しではないんですが……それにしても今回は登場人物達が表現するそのままに「狂気」だった。以下感想。アホほど長い。

 

 

ミス・マーガリート

 

 クラリッサの持ってきた魔法の剣が……認知されてない!!

 18話読了時点では、ホムンクルス特効の魔法の剣をマーガリートが装備すればかなり優位に立てるのではないか……なんて思っていましたがそんなに甘くはなかった。

 マーガリートはクラリッサが戦うところを見ていないので、草むらに転がった剣に気付けないという展開は意外ながら納得です。そしてもどかしい。この剣どうなるんだろうな……。

 

 マーガリート視点での意外な納得はもう一つありました。それは、

 

予想した通りだった。ステッキを使う女神は斧を使っていた時ほどの怖さが無い。*1

 

 ここです! 言われてみれば防御重視で「ベースが人間の使う技」という、魔法少女からしても少し特殊な位置づけの杖道フランチェスカが使うことのメリットはあまりない。受けを前提とするより受けずにぶん殴ったほうが強いですもんねどう考えても……。

 しかしまあフランチェスカ杖道を使うことによる優位性は、マーガリートさんが監査部門教導役としてマジカルステッキドーの対処に精通していたこと、そしてフランチェスカが「基本的な技しか使わない」という前提があった上でのことなので、普通に理不尽戦闘対象であることには変わりなさそう。

 

 ただ多くの魔法少女にとっては少なくとも弱体化となる(であろう)女神の杖道が、クラリッサに対しては「意外性」という点でどうしようもないほど刺さってしまったのは……もう本当にどうしようもない。

 

 

 19話後半でマーガリートは突然恋々に襲われたわけですが、クランテイルにとってすら意味不明な矢の雨は(経緯の一端を知らない)マーガリートさんにはより一層意味不明そう。

 そんな状況でも紙一重で矢を回避し通すのは流石のベテラン魔法少女という感じ。掠っても終わりだということを見抜いて動いてたんだろうか。すごすぎる。

 

 序盤にてクラリッサの死を見て激情を覚えたクランテイルの気配を察知し、頭の血を下げる時間を与えようと後方に下がらせたマーガリートさん。しかしその結果クランテイルに恋々との縁が発生して、なんやかんやあってより一層クランテイルの頭の血がぶち上がることになってしまった。これも本当にどうしようもないことでした。

 恋々周りの出来事、基本誰もそうなるとは思ってないことが起こり続けるのですごい。19話ラストのクランテイルだいぶ危険状態な気がするんですけどあの後マーガリートはどう動くんだろうか。

 

パステルメリー

 

 お手伝い要員としてせっせと羊を量産してるっぽいパステルメリー。「屈強な個体」レベルのカスタムでもコントロールし難くなるということは鮫羊とかもう本当に全然言うこと聞かないんだろうな……。

 

 ラギさんの詠唱の補助を任命されたメリーですが、彼女が「指示通りの詠唱」をこなせるかと言えば……本人が「無理」という通りなんじゃないだろうか。

 存命魔法使いの誰かが合流するか(とりあえず統太とイオールが本館側に向かっているようですし)、魔法使いの術式関連に啓けているネフィーリアがチェルシーを連れてやってくるならメリーが補助することもないのかもしれない。

 

 19話でチェルシーが死の淵から蘇ったことをメリーはまだ知りません。死んだと思ったチェルシーにまた会えたらメリーがどんな反応をするのか気になります。ぐつぐつ煮えていた感情の行き場はどうなるんだろう。

 

らぶみー恋々

 

 19話の「狂気」その1。怖かった。楽しかった。最高。

 

 ぐらつく。揺れる。ヒキガエルのような声が漏れる。震えが止まってくれない。風景が歪み、森の中が虹色に光る。聞こえないはずの声が聞こえ、吹かないはずの風が吹き付け、恋々の身体と心はバラバラに吹き飛ばされようとし、パン、と頬が鳴った。*2

 

 ここについて、恋々が19話以前に見せてきたじわじわ怖い歪みと比較すると、すごくわかりやすいというか、あからさまな異常描写だなと初読時感じました。

 このある意味「露骨な狂気」を経た上で恋々が「完璧にわかっている」*3状態になる二段構えヤバすぎる。ああ~~あまりにも楽しかった……。そして怖かった。「獣のような下半身で力強く地面を蹴ってもやっぱり妹だ」*4、こんな面白恐怖があるか!? という混乱すさまじかった。いや……すさまじすぎる……らぶみー恋々……。

 

 

 ただクランテイルを「妹」判定したこと、そして彼女が「妹」に関する歪められていた記憶を唐突に思い出した様子であったことは少し不思議なように思えました。いや不思議なのは当然なんですが、同じ19話に気になる描写があったんですよね。

 

 お母さんの元へ帰ろうとしていた小さな女の子がいて、彼女は恋々の腕の中でもう動かない。小さな女の子は恋々だ。暖かな家庭を求めて魔法少女になった恋々自身だ。帰ることができずに志半ばで倒れてしまった恋々そのものだ。*5

 

「腕の中でもう動かない」クラリッサ人間体を見て動揺していた恋々には、(重ねる対象としては間違いなくクランテイルよりも近いだろうに)「動かなくなった妹」について思い出す気配がありません。このシーンに限って言えば、彼女に「妹」の影は見えませんでした。

「妹」に関するエピソードが実在するものだったとして、幼い少女の死を腕の中で確かめてなお窺えないほど丹念に覆い隠されていた記憶が、クランテイルのビンタと言葉一つではっきりと蘇るものでしょうか。そしてその蘇った記憶が、そう簡単に他人(女神と貴婦人と半人半獣)にすげ変わってしまうものでしょうか。

 いや……恋々が蘇った記憶だと言うのなら蘇った記憶なんでしょうが、それは本当に「乞水怜の妹」に関する記憶だったのでしょうか? 

 

 これは邪推以上にはならないんですが、恋々があの場で「父親と母親」に加わる第3の登場人物「妹」のことを思い出したのは、あの場にフランチェスカとマーガリート、そしてクランテイルという「3人」が居たからなのではないかと自分は考えます。

 もしももあそこに恋々を除いて4人の登場人物が居れば、恋々の中に蘇った思い出には更なる「妹」、または「弟」など、もう一人の家族が追加された(都合のいい人数構成の)悲劇のエピソードが思い出されていたのではないでしょうか。

 つまり、あれは乞水怜が歪むにあたっての最初の記憶ではなく、ひょっとすると恋々がかつて家族を守ろうとし、それができず記憶隠蔽された無数の悲劇から思い出されたた「家族の記憶の一つ」とも考えられるのではないでしょうか?(あるいはもしかするとあの瞬間無から生成された記憶だったのかもしれません)

 

 恋々はどう考えても狂った魔法少女でした。彼女が狂った理由、歪みの出発点について知ることができれば、一連の異常行動についても遡って「理解」とか「同情」だとかが滑らかにできたのかもしれません。

 しかし自分にとって19話時点での恋々についてはやっぱりわからない存在のままでした。それが……本当によかった。怖くて。うわー妹が居たのか! って一瞬素直に考えかけてからいや……いや……? って全部疑心暗鬼的に疑わしくなっていくのもう一回こっきりの楽しさですね……。あれが都合のいいピースの記憶でもなんでもなく、本当に「乞水怜の妹」の記憶だった場合、完結してから通読すれば生じない疑念だったのかもしれないと思うとこれもまた月刊連載の楽しさだなあと思う。

 

 

 過去についてはよくわからないままでも、恋々は本当に真剣に家族救済をやっていたんだろうなというところだけは疑いようがありません。

 家族(家族ではない)の争いを止めるため、らぶみー恋々は雨とばかりの矢を放ちました。矢が全員に刺さっていれば、家族はそれぞれ家族に愛を抱き争いは止まったでしょう(?)。しかし矢を射して止めることが叶わなかったから、身を挺して争いに立ち塞がった。恋々はひたすら恋々の世界の中でできることをやっていたんだろうなと思います。多分……。

 

 なんとか制御できると申告していたぎりぎりの「三人」という範疇で自分の魔法を行使しようとした恋々は、やっぱり狂っていながらにして状況判断ができないわけではない。矢を射るスキルも過去になく研ぎ澄まされている。それでもなお狂っている、その在り方が恐ろしい。恐ろしいながらに大好きでした。

 

 

 恋々はあのまま死んでしまっただろうか。読んだ時は咄嗟にうわー死んだ……! と思ったんですが、今まで死んだ……! と思った読者投稿魔法少女全員生きてるんですよね……。

 あまりにも生きてた!!!!! ってひっくり返りすぎて及び腰になってきた。恋々もとりあえず身体が分解してるわけじゃないなら止血して胃袋に灰色の実ねじ込めばなんかどうにかなるんじゃないか? って雑に考えてしまう(感覚の鈍麻)。

 まあ……さすがに……死ぬ時は死ぬだろう……三度目は死んでるだろう……と思ってるんですが、とにかく島が特殊環境なので半信半疑という感じです。もしも万が一生きてたとしたら、彼女が眼の前に収まるべき「4人家族」像を見ながらにして(そこからはみ出る)ネフィーリアの幻覚を見た不思議さに続きがあればいいなと思う。恋々の人類皆家族思考のあらわれだとしてもびっくりしないんですけど……。

 

ドリーミィ☆チェルシー

 

 19話の「狂気」その2。らぶみー恋々に対する「怖さ」「楽しさ」とは全く違う種類の、「怖さ」「楽しさ」があった。最高。

 

 何が怖かったかって、今回のチェルシー復活って文字の上では「テーマソングと共に再び立ち上がる魔法少女という超「魔法少女」的な展開なんですよね。

 それが実際は「死神モチーフの魔法少女が死体に触れて過去の声を再生したことで自分の『助けてチェルシー』という声を聞き死んだ身体を動かして自分で自分の歌声を引き継いで歌ってみせた結果死の淵で踏み止まった」という一から十まで狂った現象だという、この、「魔法少女的」と「(魔法少女育成計画における)魔法少女的」を同時に達成する鮮やかな異様さです!!!

 なんでこんな綺麗にネフィーリアの魔法とドリーミィ☆チェルシーが蘇るにあたっての説得力が噛み合うんでしょうね!? 意味がわからない。超楽しかった。すごすぎる……。

 

 

 ご存知のことでしょうが、魔法少女育成計画がにおいて死んだ身体が動くのは今回に始まったことではありません。

 

「人間をはるかに上回る脊髄反射の速度と適用範囲を、訓練によってさらに強化し、いざという時に素早い行動ができるようにする……師匠はそういってたっす」

「すごいんですねぇ」

「極めると身体が無意識に動くらしいっす。脳が完全に停止した状態になっても、少しなら動けるって師匠はいってたっすね。冗談だと思うっすけど」*6

 

 脳が「完全に」停止していたかはともかく(帰ってこれたので)、かつての二代目ラピス・ラズリーヌと同じような現象がドリーミィ☆チェルシーの身体にも発生したのではないかと推測できます。

 それに足る強い意志の力と日々の訓練があったのだろうなとすんなり思えるのがこれまで確かに積み上げられてきたチェルシーのすさまじさを象徴しています。背骨が可愛い音で鳴るチェルシーの脊髄に魔法少女道が刻み込まれてないわけがない。

 

 

 ただ……正直な話をすると、このシーンは初読時「楽しい」「怖い」という(最終的な)感想以前に、どうしようもないものとしての「死」がついに打倒されたのか!?という部分に対する強い動揺がありました。

 魔法的な「死」の判定を夢野千枝が凌駕し、蘇ったことを初読時の自分は一息では咀嚼できなかった……のですが、それは単にネフィーリアの魔法における「死んだ人」という定義を必要以上に重く解釈していたことが原因だったと少しして気付きました。

 

 19話以前の自分は「死んだ人の声が聞こえるよ」という魔法での「死んだ人」判定は、物語を俯瞰する神の視点から見て「死亡」と断定するような、絶対的・超越的なものだと無意識に想像していました。

 19話を読んだ上での推測としては、ネフィーリアの魔法が発動する基準は物理的に「生命活動を行っていない」ことであった、つまり「死んだ人」判定内に「心肺停止状態」等を含みうるものだったのではないかと考えています。

 

 心肺停止(蘇生可能/不能)と死亡(蘇生不能)を分ける大きな因子は心肺停止してから何分経過しているかという「時間」であり、発見した時点でチェルシーがいつ息を引き取ったかわからない(そして凄惨すぎる破壊痕と血痕を確認している)ネフィーリアにとっては死体として扱うのが当然です。

 事実として魔法は発動して、自分で自分に助けを求める声をきっかけとしてチェルシーが「脳が停止していても動く」状態になり、歌うことで呼吸を一時的に取り戻し、その結果灰色の実というある意味特殊な回復アイテムによって力を取り戻した。それなら動揺もありません。心臓が止まっても動く人間に対してはまあそんなこともあるだろうな~と思えるの落ち着いて考えるとちょっと感覚がおかしいんですが……。(ただ、存在自体が異常なので異常を飲み込みやすい「魔法少女」としてではなく「人間」の身体で異常を成すこと自体には意外さというか真新しさを感じます。動物魔法少女魔法少女化以前以後で変身前の意識に変化が生じてるっぽいことを考えると、人間も一見人間のままでありながら精神面ではどこか変性が起きてたりもするのかもしれない。あと異常人間芝原海さんのことを思い浮かべるとまあ夢野さんも異常な人だしそんなこともあるか……という落ち着き方ができる)

 

 これは……個人的な好み以上にはならない話なんですが、「『死んだ魔法少女』のカテゴリに居たもののうち一人が真っ当に蘇った」と「かろうじて蘇生可能ラインの際に居た魔法少女が異常な魔法的腕力によって復活した」は同じ復活の奇跡ではあるのですが、後者として考えるほうが圧倒的に受け止めやすかった。

 というわけで今の所そういう感じで受け止めています。これに関しては本当に自分の魔法に対する思い込みが原因で妙な回り道をしたとしか思えずよくなかった。

 

 

 復活したチェルシーはこれからどうするんだろう。灰色の実を大量摂取してどのくらい体力回復するのかはわかりませんが、やっぱり因縁の女神と決着を付けるのは彼女だったりするでしょうか。

 バターナイフ剣を装備したチェルシーちょっと見てみたい。外部装備品としてはビジュアル的にもキャンディステッキと名前の近さ的にもマイヤの杖のほうが似合うような気もする。

 

ネフィーリア

 

 チェルシー蘇生の功労者。彼女が破壊の痕跡を辿り、見つけた夢野千枝の死体に対して忌避感を抱きながらもすぐさま魔法を発動させたこと、魔法により夢野千枝に「助けてチェルシーという声を聞かせたこと、灰色の実を潤沢に所持していたこと、また魂がそこにあると見るや即座に救命行動を取ったこと……ネフィーリアの持つ要素があらゆる方面でチェルシー復活に貢献していたと思う。改めてものすごく気持ちいい噛み合い方だ。

 

 尋常でない感情や七転八倒や執着執念があちらこちらで爆発してる19話において、マーガリートさんやネフィーリアのある種安心感のある落ち着いた動き方は読んでいて……すごくほっとするものでした。breakdown1話の頃にはネフィがそういう枠に居るなんて想像もしなかった。

 

 細かいところですが、恋々を思い浮かべる際にネフィーリアが「家族」という言葉を選択したのは個人的にとても印象深かったです。

 歪みが明らかになってなお恋々のことを「相棒」と呼んでいたネフィーリアですが、19話ではその枠を超えて、もしかすると恋々にとっての「家族」の一員であり続けることをネフィーリア本人が望んでいるのかもしれない……とさえ感じました。

 

再登場魔法少女たち+α

 

クランテイル

クランテイル……。「もう誰にも死んでほしくない」という願いが19話で推定二度も踏み躙られたばかりかかつての仲間たちの死、そしてペチカの笑顔までもがオーバーラップしてきてもう大変です。あまりにも大変だ。

 

「でも、この子が……お母さんに、家族に、会いたがっていたのに」
「私も同じです。生きて家族の元に戻ります。あなただってそうでしょう」*7

 

 恋々を励ますためにこの台詞を告げたクランテイルから見れば、恋々の「駄目……家族……」*8という言葉は、「(死んでは)駄目、(あなたは)家族(の元に戻って)」という意味に感じられたのではないでしょうか。

 そりゃあクランテイルも自分の無理攻めのせいで恋々が死んだと思って感情が荒れる。恋々は恐らく眼の前の家族の争いを止めようとして喋ってたんじゃないかと思うんですけど……。

 

 死を背負い込む魔法少女といえばスノーホワイトという印象でしたが、クランテイルもまた今そういう立ち位置にあるような気がします。どう考えても精神に良くない。

 そんなクランテイルをマーガリートさんが察して気にかけていること、すごくいい大人だな……となります。マーガリートさんできた人すぎる。breakdown後もマガクラの関係が継続していると色んな意味で嬉しい。

 

 

 そういえばペチカとの思い出込みの激情を乗っけた上でグレートドラゴンが出てこないということは、やっぱり今のクランテイルはグレートドラゴンにはなれないんだろうか。今のクランテイルにとってはグレートドラゴンは動物判定の対象ではなく、ゲームのエネミーキャラクターという位置づけにあるとかなのかな。

 実在の幻獣(実在の幻獣ってなんだ?)を現実世界で認識しさえすれば、またマジカル動物に変化することもできる……のかもしれない。クランテイルの動物認識が専門化することで分類学的に「動物」外の存在には認識上変化できなくなったという可能性もありうる。

 

 そして魔法描写については今回もひたすら楽しかった。クランテイルの魔法やっぱりあまりにも良いな。

 クモザル→豹→イリエワニヌタウナギ→虎→ホッキョクグマアフリカゾウという息もつかせないような連続転化が……本当に読んでいて楽しい。それはそれとして素朴な疑問なんですが、確実に首の断面積がクランテイルの胴回りより超大きいであろうアフリカゾウに変身した場合のビジュアルは一体どうなっているんでしょうね……? 上半身接続部意外は延長した皮で補われるのかな。

 

 

フランキスカフランチェスカ

 クランテイルのあれで死んだとは全く思えないのが怖い。ドリーミィ☆チェルシー戦で見せた黒斧に関してもまだ謎のままなのが怖い。今回でチェルシーが生き返ったわけですが殺しかけ殺されかけた両名の再戦あったりするんでしょうか。

 そういえば今回もフランチェスカに感情がある(と他人が判断している)ような描写がありました。もしかして……感情……あるんだろうか。そういう部分も魔法少女から学習してたりとか。

 

 

ラギ・ヅェ・ネント

 ラギ視点ではサタボーン周辺の謎に踏み込まれることが多くて楽しい。サタボーンによる不可解な相続指定人は「いざとなれば自分の思うままに動いてもらおうと」*9したからではないかとの推測については掘り下げが待ち望まれます。

 今回意外だったのは「オスク派と実験場は魔法少女の扱いが悪い」という噂は意図的な宣伝工作だったらしいことです。普通に平然と魔法少女細切れにしたりしてるんだと思ってた。実験場送りに対してハムエルさんがビビってたのはプロパガンダってことを知らなかったのか、それともプロパガンダを差っ引いても普通に魔法少女の扱いが悪いのか。

 

 

七谷小鳥&メイ

 ついに……! チェルシーに奪われ、そこから遙かついにゴーグルを取り戻せるのでは!? というところに漕ぎ着けた七谷さん。めでたい。ゴーグルがこれから役に立つ機会ってどういうのだろう……。フランチェスカ(停止状態)をゴーグルでチェックしたら何か見えたりするんだろうか。

 メリーと七谷さんと亀のメイと羊の群れとラギさん謎パーティーすぎる。メイがガラパゴスゾウガメだった場合の想像する七谷さんかわいかった。メリーはチェルシーでさえ行動が読めない勢いで転ぶのでぼんやり気味な七谷さんと出逢うと色々破茶滅茶になっててすごい。

 

 

 感想は以上です。20話は当初平成更新予定だったんですけどいつのまにか令和になってましたね。令和更新予定(?)って冷静に考えるとちょっと範囲が広すぎる。

 でも少なくとも6月に魔法少女育成計画の新刊が出そうなので全然余裕で待てます。書籍はすごいな……発売日がそうやすやすと延期しないから……。

 

*1:魔法少女育成計画breakdown 19話 p.3

*2:同 p.15

*3:同 p.17

*4:同 p.17

*5:同 p.15

*6:魔法少女育成計画episodes p.267

*7:魔法少女育成計画breakdown19話 p.16

*8:同 p.28

*9:同 p.9