すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

コミカライズ感想 6話

いよいよ2巻に入りまして感想です。

 

5話:

mgrp.hatenablog.com

 

5話はハードゴア・アリスとスノーホワイトがちゃんと出会ってお喋りし、兎の足を渡そうとしたものの断られ、ユナエル、シスターナナ、ウィンタープリズンの二人が脱落し、蘇りの魔法なんて存在しないことをファヴが強調してスノーホワイト魔法少女もうやめると宣言したところまででした。

 

というわけで今日から下巻であり完結巻であるところの2巻に入ります。

表紙:

 

魔法少女育成計画 (2) (カドカワコミックス・エース)

魔法少女育成計画 (2) (カドカワコミックス・エース)

 

 1巻は配色を白&青でまとめ、スノーホワイトの表情に不安と困惑を含ませていたことに対して。

2巻の表紙を大きく飾るのはリップルです。黒&赤の魔法少女育成計画はどちらかというと慣れ親しんだカラーリングです。リップルの表情は怒りと悲しみが混ざってそうな。

右側には7人の魔法少女達。やっぱりコミカライズのたまはかわいいなあ。クラムベリーさんの反った腹もよい。

 

 

というわけで感想です。

 

 EPISODE:6感想

前話の直後からスタート。魔法の端末を投げ捨てるスノーホワイトとそれを黙って拾うハードゴア・アリスはどこかシュール。魔法少女が全力で投げたらきっともっと飛ぶだろうな……。

 

うーん。なんというべきでしょう。冒頭からこんなことを言うのも少し悩ましいのですが。スノーホワイトについてはかなり原作に沿った行動をしていて、スイムスイムやリップルなど、ああこの子は原作からまるっきり世界を越えているのだなあと思わせてくれるほどにド派手な改変が入っているわけではないんですよね。

 

なので彼女が変わり切っていない分余計に、原作から削ぎ落とされた要素としての姫河小雪の人間臭さや、魔法少女への人一倍強い気持ち、そしてスノーホワイトの「ただ絶望して泣いているだけの少女ではない」絶妙な攻撃性やいやらしさ(いやらしい意味ではなく)が見えづらいことについて、これは結構物足りないなあと思ってしまう。そこが無くなるとスノーホワイトは……スノーホワイトは…………

 

 

いやコミカライズのスノーホワイトもアリスちゃんの胸倉とか掴むんですけど。うーん……。正直なところコミカライズ版で一番物足りなかったのはスノーホワイトなんですよね……。

 

でもまあ原作のそういう要素の少ないスノーホワイトだからこそ、死の淵に瀕した鳩田亜子に「魔法少女はまだ必要です」と言われて「自分が魔法少女であるとはもう考えていない。だがハードゴア・アリスを失望させるのは絶対に嫌だった」ではなく、「ハードゴア・アリス…私は――…魔法少女になる」と勢いよく踏み切れたのではないでしょうか。

 

 

コミカライズ版のハードゴア・アリスは、鳩田亜子は、最期までスノーホワイトの可憐な笑顔を見ることが出来ませんでした。彼女は変身が出来ない姫河小雪手を握られないまま息を引き取ります。

 

それでも小雪に「あなたはやっぱり魔法少女スノーホワイトだよ」と言ってあげられるハードゴア・アリスは強大な力で以てスノーホワイトの背を押したでしょうし、コミカライズにおいてのそういう関係があったからこそ最終話の最後の最後のスノーホワイトの言葉に繋がるんじゃないかなあと思っています。

 

 

 

ところで窓のサッシに腰掛けるアリスちゃんはとても可愛いです。変身解除の光がトランプモチーフなのが芸コマでよい……。

「あんたが魔法少女になるからだ……」「だからユナエルが…!!」というミナエルの激怒は実に自然。図らずもハードゴア・アリスという魔法少女が誕生した(鳩田亜子が死ぬことをやめた)せいで多くの魔法少女が命を落とすことになったのですから。

 

ちなみに「亜子が思い詰めたスノーホワイトを目撃する」「ねむりんが脱落して魔法少女を辞めることが死に直結すると理解する」「魔法少女の人数が来週から16人になって脱落者が出るとアナウンスが入る」の時系列の謎については亜子ちゃんが魔法少女になる前から「魔法少女育成計画」をやっていなかったとはコミカライズではギリギリ発言されていないので問題ないと思います、原作の描写と混同するとウグググってなりますが多分大丈夫な筈

 

 

そこからの亜子ちゃんの骨と内臓パラダイスとか復活とかその辺はコミカライズありがとう、規制されない世界ありがとうっていう感じで実に幸せでした。ありがとうございました。

悪い顔をしているミナエルはデフォルメ頭身と顔が全くマッチしてなくてとても不気味です。というか人間の姿のデフォルメキャラが現実世界で普通に居たらそれだけで不気味です。

 

 

もう一つコミカライズありがとう案件としては、コートを羽織ったスイムスイムについてですね。絵になって嬉しいシーンの一つだ……。

坂凪綾名の状態ではスイムスイムの体格に合うコートなんて持っている筈もありませんし、適当なお店から持ってきたんだろうか。魔法少女が人間の服を着てるのすごく好きなので嬉しい気持ちでいっぱいです。

 

その直後の亜子の「人殺しの瞳だ」については、亜子が自分自身も父親と同じ人殺しなのだ――という軽い言及がないのが少し残念だなあと思いました……が、そこの描写を入れると野暮ったくなってしまうかなあ……。

 

 

 

そしてちらりと登場したリップルについて。登場一回目ではトップスピードと二人でカラミティ・メアリのテロ鎮圧に乗り出し、再び登場した二回目では瓦礫の山でよろけながら「もう誰も救えなくていい」と独白しています。一体リップルに何が。

 

 

この部分すっかり勘違いしていたんですけど、「怒りで動くんじゃねえ」「魔法少女リップルなら」と、「私は魔法少女になれない」の間が次のEPISODE:7のあのマジカルキャノンガールなんですよね!

初見だと一話の間でそこまで時間が跳んでいると思わなくてかなり混乱しました。というかこの感想を書こうと読み返している時まで気付きませんでした。

 

ああ~~なるほど。どうにも不自然だなあと思ってたんですよね。そういえばトップスピードのお守り握ってますね。リップルちゃんさすがに短時間で意見変わり過ぎだろうと思ってました。ごめんなさい。

 

 

(一人の魔法少女を喪失して、)泣きながらも「魔法少女になる」と踏み切るスノーホワイトと、同じく涙を流しながら「魔法少女になれない」と自分が短い間に積み上げてきたものを崩そうとするリップル。というところで7話は終了。

明日は楽しい楽しいマジカルキャノンガール回です。がんばります。