すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

「魔王塾主催 地獄クリスマスパーティー」を読んでるうちに平成が終わりそう

 

 breakdownの代わりにクリスマス短編が来たのでクリスマスです。クリスマスおめでとうございます。

 

 

 このブログを閲覧されるような方はもう「魔王塾主催 地獄クリスマスパーティーを読了されていることと存じますが、もし読んでいない方がいらっしゃればまず読み、そしてこう思ってください。スタイラー美々の口が悪くて最高!!!

 

 以下興奮冷めやらない感じで感想です。本当に、こんな……去年に引き続いてこんな幸せなクリスマスでいいんでしょうか。プフゲルのクリスマスパーティーが飛んできてプフゲルクラ仲良し描写が発生したと思ったら今年は魔王塾ならびに膨大な職業魔法少女達のクリスマスパーティーが飛んできてスノリプ手繋ぎが発生してた。遠藤先生に感謝します。遠藤先生の文章が大好きです……。幸せすぎる。

 

 

 感想です。まずこの短編に名前だけ以上に登場する魔法少女を登場順に整理すると、

・レーテ
・魔王パム
・コックル
・アウロ
・エイミー
・もな子
・マイヤ
・レディ・プロウド
・アンブレン
・双龍パナース
・葱乃
・(二代目ラピス・ラズリーヌ?)
スノーホワイト
リップル
・(双子星キューティーアルタイル)
・スタイラー美々
・袋井魔梨華

  という感じ。改めて……改めて、豪華すぎる! 前年度の「聖夜の魔法少女ども」を上回るページ数、そして登場人物数! 「聖夜の魔法少女ども」の時点でウルトラ楽しい大お祭りだったのにそれを越える超お祭り短編がやってきてしまった。

(超お祭りの概要):QUEENSで彗星の如く現れ読者の心を鷲掴んで消えた素敵高級魔法少女ことレーテ様が満を持して短編に登場したことを皮切りに、魔王パムとレーテ様の強者会話、魔王塾主催地獄サバイバルで魔王の首を狙ったあのコックルの詳細な処遇、フリーランスとして活躍する「子供達」の一人だったコクリちゃんがクラムベリーショックにどう反応したのか、breakdownでの謎の一つだったマイヤとられ子の関係性、ツチノコ、意外と知れ渡ってるプロパム情報、他者視点で見るプロブレン、「別腹!」、ラーメン仙人の伝説、どうやら常連客のようだ、スノーホワイト育成計画」以後のスノリプ――スノリプクリスマス(スノリプクリスマス、本当に素晴らしい嬉しい)、魔法少女好きが出発点であるスノーホワイトにとってのキューティーアルタイルとの邂逅、このダークキューティーとの関係性がすごい!と噂の双子星キューティーアルタイルの更なる掘り下げ、F2Pでようやくのメインキャラクターとなったエイミーともな子が遠藤先生の文章として描かれる瞬間(泥酔)、遥かJOKERSから匂わされていたエイミー&もな子&袋井魔梨華&スタイラー美々が絡んでる瞬間!!! 全部ある! すごすぎる!!

 

 こんな盛り沢山なクリスマス短編が来たら……ひっくり返るしかなくないですか!? というわけでひっくり返ってました。1ページ捲るごとに楽しさで天を仰ぎ休憩し呼吸を整えるといった有様でした。本当に楽しかった……。ここ2年のクリスマスを噛み締めることでこれからのクリスマスが5倍幸福になります。

 

 

 さて、読んでて幸せだった部分についてつらつら書いていこうと思ったんですがその場合ほぼ全文を抜粋することになるので……①レーテ様②スノリプ③エイミー&もな子&袋井魔梨華&スタイラー美々、それと④魔王塾主催地獄サバイバルとの関連について比較的詳細に書きます。書きました。

 

①レーテ

 

 まずレーテ様です。みんな大好きレーテ様! の描写がたくさん読めて嬉しい。

 レーテ様視点が短編中の約8割を占めているので(残り2割はスタイラー美々)、会話や考え方、ちょっとした挙動に至るまでレーテ様の素敵さを堪能することができます。市井の魔法少女と親しげに会話してるお忍び高級魔法少女。すごい。

 パムさんはレーテ様の身分を存じており、同輩に対する敬語口調以上に丁寧な態度を心がけているようです。それに対してマイヤさんはそのことを察していながらあえて気安い態度で接してレーテ様に鬱陶しがられています。マイヤさん……。

 

 ずり落ちようとしたヴェールを指で弾いて元に戻す、手で押さえて微笑む、角飾りを指でつつく、扇で口元を隠す、といった気品ある手付き・仕草は読んでいてとても楽しいものです。スノリプの微笑ましい手つなぎを見て微笑みかけるも威厳を保つために顔を引き締めるレーテ様。オスク派内外問わず権謀術数で笑顔のまま斬り合い刺し合う日々を送っているレーテ様。良すぎる。

 良いといえば魔法の活用も良かったです。周囲との距離感を弄ることによって、人混みの中にありながら密談を可能にするレーテ様。優雅だ……。レーテ様は「石」要らずですね。

 

 

 そんな美しく品格高い振る舞いに挟まるように、クリスマス仕様魔王パムトナカイバージョン命名やら、「あなたって自分に甘いところあるでしょう」「そんな些末事は置いて」やら、パナースの世界観にううと唸るしかできないレーテ様やら、「このラーメンバカ」やら、我田引水と言われたこともあるレーテ様やら、一度探偵役をやってみたいと以前から思っていながら一通り調べたらさくっと廃業してパフェを楽しみに行くレーテ様やらが差し込まれるのでもう大変です。

 

 レーテ様の魅力、やっぱり親しみやすい高級な方というのが大きい。そして強い。あとbreakdown最新話で「万天無に帰せ」を始めとした最高ネーミングがレーテ様御本人によるものという可能性が浮上したの素敵すぎる。

 ああレーテ様……良い。いつかレーテ様VS魔王パム世紀の引き分け大決戦を読んでみたいです。

 

スノーホワイトリップル

 

 続いてスノリプについて。スノーホワイト育成計画を経てlimitedに至るまでのスノーホワイトリップルの比較的平和な日々については喉から手が出るほど知りたいブラックボックスだったので……レーテ様の眼前に花飾りの学生服魔法少女が現れた時は……本当に……慄きました! スノリプがここで出てくると思ってなかった! 無印以降の時間軸での短編登場率が非常に低い人達なので……。

 ああ~~読めてよかった。そしてスノーホワイトにいいことがあってよかった。スノーホワイトを無理やりクリスマスパーティーに連れて行くというリップルのやり方は間違いなくトップスピードの在り方に影響を受けているもので……良いですね。スノリプは「手を繋ぐ」が一つのテーマなのかもしれない。

 

 

 時系列的にこのスノリプはピティ・フレデリカを牢獄送りにして1,2ヶ月くらいのもので、スノーホワイトが全力でうち沈んでいるのも当然と言えます。「言葉の端々から辛気臭い」とか言われてるシリーズ看板魔法少女

 

 一度は信じた極悪魔法少女フレデリカさんの爪痕は読者の想像以上に深いものでしょうし、スノーホワイトさんが魔法少女不信になってもおかしくないところ。

 そんなスノーホワイトさんにとって……この平和な、誰も悪事を企てていないクリスマスパーティーは、細やかな、それでも確かな慰めになったんではないでしょうか。キューティーアルタイルとの出会いもまた一つの喜びとなったでしょうし。美々にとっては地獄が続くことになりましたが、スノーホワイトのことを考えるとエイもなが泥酔してて本当によかった。

 

③エイミー&もな子&袋井魔梨華&スタイラー美々

 

 初っ端酔いどれエイもなでまず呼吸が大変になったんですが22ページ以降のスタイラー美々視点で完全に突っ伏してしまいました。好きです。大好きです。この4人が……。

 

 というかまず遠藤先生の文章でエイもなの二人が読めるということが猛烈に嬉しくて、自分はそのためにF2Pノベライズを勝手に夢見てるくらい、F2Pの魔法少女たちが遠藤先生の文章世界でどう描写されるかが気になっていて! 

 そうやって気になってたらクラムベリーの悪口がなる酔っぱらいと自分の尻尾抱きしめて媚びを売る狐の声出してる酔っぱらいですよ。オーバーキルすぎる。何……自分達で用意した酒で酔っ払っている……酔っ払い方が個々で違う……自分の尻尾を抱くエイミー自己愛って感じでいいですね。

 この二人完全に自己完結できる魔法で酔っ払うときもそれぞれ勝手に酔っ払ってるのにいつも一緒だし並んで寝てるし なんなんでしょうか……。仲が良い。しかしここまで距離が近くて未だにエイともなでの会話が文章上に発生してないのわくわくする。

 

 この短編ではかなり無害な酔っ払いであるところのエイもなですが、魔法少女育成計画F2Pでは大暴れの真っ最中のまま一年

 F2P内では、明らかに人をいたぶるのが大好きそうな顔と言動をしている(反対意見があったら教えてください)エイミーと、殺した魔法少女の首でリフティングして暇を潰すもな子を漫画として眺めることができます。

 

 そんなやんちゃな二人がレーテ様視点だと「自他ともに認める酔狂な悪戯者」という可愛げのある表現に収まってるのすごい……その……エイもながTPOを弁えているのか悪戯者の範疇がものすごく広いのか。多分前者だと思います。そのあたりに魔梨華は魔王塾を破門されてエイもなはされていないという理由がありそう。

 

 

 それで……それで……毎ページ呻いて読んでた美々視点について……。

 酔っぱらいの寝てるソファーを躊躇なく蹴飛ばすスタイラー美々も、寝込みを襲われてもそれぞれの経路で無事に着地するエイともなの二人も、ガンガンやりあってたら喧嘩の気配で目覚める仮死状態の袋井魔梨華も……全部全部全部良くて、困った。困ってないです。良かった……。柄が悪くはた迷惑な4人組! 大好きです!! 花と美容師と狐と修験者! 異様なラインナップ! 全員戦闘が大好き!!!

 この地獄クリスマスパーティーの準備段階ものすごく興味があります。4人でケーキ作ったりセッティングしたりしたんですか? 仲が良いのか……?

 

「なんでそんなに怒ってんの?」

「怒るに決まってるじゃないですか!」

「唾かけんなスタイラー!」

「嫌なら顔離せ!」

「ああ?」

「死ね」

「まあまあ、まあまあ」

 

 ――投げやがった! ボケアンドゴミ!

 素早く計算した。ボケとゴミに責任を被せてしまうのも危険だ。責任とってお前ら相手しろよなんてことになれば、この場にいる美々が巻き込まれないわけがない。

 

 この辺りに関してはもはや言うことがありません。繰り返すならスタイラー美々の口が悪くて最高。それ以外にない。いや口が悪すぎる……(最高すぎる)。ガン付けて死ねと美々が言ったから12月27日は地獄記念日。

 エイもなと美々の間に流れた沈黙の十秒噛み締めたい。魔梨華ちゃんの宣言に快哉をあげるエイもな波乱を求めていて嬉しい。地獄新年会のこと考えて新年を迎えます……。

 

④「魔王塾主催地獄サバイバル」との関連

 

 最後に、「魔王塾主催 地獄クリスマスパーティー」を読む上で触れておきたい物語について。それは言うまでもなく「魔王塾主催地獄サバイバル」です。

 今回の短編のタイトルが地獄サバイバルの系譜を継いでいる(加えて言うなら魔法少女育成計画スクールカレンダー付属短編集「circle of life」収録の短編「ビーチのお姫さま」で開催されていたイベント「魔王塾主催地獄ビーチバレー大会」(正式呼称が不明なので推定)の流れも経由しています)のは間違いないことで、「地獄サバイバル」での出来事の後日談・補足のようなアレコレが「地獄クリスマスパーティー」には多彩に盛り込まれています。

 

 まずはQUEENSでの活躍(?)が有名なコックルについて。「隙間に潜り込む」という魔法により魔王暗殺まであと一歩というところまで踏み込んだものの、魔王の羽に包まれて自分の用意した爆弾で返り討ちにあった彼女ですが……その後なんとQUEENSでの再登場(と、名前確定)を果たしていたのでした。

 地獄サバイバルから何がどうなってQUEENSに至っていたのかについては謎に包まれていたのですが、なんと「魔王式更生プログラムを強いられ血反吐を吐くような目に遭った」そうです。暗殺者を更生プログラムにかける魔王様! 懐が広い! コックルちゃんが逆らえないのも無理はない!

 

 続いて双龍パナースについて。今回ちらりと伺い知れた推定二代目ラピス・ラズリーヌとの友好関係は、地獄サバイバルでの決戦に端を発するものです。つまり地獄サバイバルはラズパナ出会い編。……でも実際のところ地獄サバイバルでラズパナにフォーカスが当たってるわけではないのでラズパナに関しては「青い魔法少女は忙しい」「青い魔法少女の記憶」を合わせて読めば9割5分くらい事足ります。むしろ今回の短編的には地獄サバイバルより魔法少女育成計画オフィシャルファンブック収録の「ラーメン双龍伝」を読んだほうがパナースの台詞がなるほどになります。

 

 あとはサクっと触れられたレーテ様の通り名「公爵夫人」について。

 この呼称の初出がファヴの読み上げた地獄サバイバルの優勝候補者リストで、QUEENS読後読者からは「あの公爵夫人とはレーテのことではないか?」と囁かれていたんですね。今回その疑惑(?)がめでたく事実となりました。この分だと多分デリュージとインフェルノのこと魔法で無限に歩かせてた人もレーテ様ですね。やめたげてほしい。(追記:デリュージとインフェルノはレーテ様の邪道戦法を観戦してただけで歩かされてたわけではないのかもしれない)

 

 

 そういう感じです。あと今回黒のシルクハットを被っていることが明らかになった魔法少女もるもるモルグは地獄サバイバル優勝候補者に数え上げられた戦闘力折り紙つきの魔法少女です。(ついでに言えば地獄クリスマスパーティーで名前が初出となった魔法少女終末の波濤主ノミリーナアイシィピュレの二名です。芝刈り機から降りると大人しくなるという設定が死に気味なミナ・マッドガーデナー・エイカーさんや名前が可愛いもるもるモルグ含めていつかまた再登場してくれたらうれしい)

 こういった伏線要素(?)も魅力的ながら、とにかく戦闘シーンがすさまじい地獄サバイバルなので遍く人に読む手段が発生してほしい……と強く思っていれば!

 

 

 このツイートですよ!! 漠然とした未来の予定に関して話題とするとき、近日や近日や近日など曖昧な表現でのらくらやっている月刊魔法少女育成計画ですが……この件に関しては真剣に来年なんとかしてほしいです! あとcircle of lifeのほうもまとめてなんとかしてほしい。本当に。なんとかなったら笑顔で買います。

 

 

 感想としてはひとまずこんな感じで。地獄サバイバル再販ないし再録の可能性を祈りつつ、地獄クリスマスパーティーを噛み締めて2018年を見送ろうと思います。

 

 はい。今年も魔法少女育成計画に彩られた一年でした。2019年もそうだったら嬉しいです。あと魔法少女育成計画の新作にお金を払えたらもっと嬉しいです……とか書いてたら

 

 

 

 こんな報告が来てしまってもう大変です。嬉しすぎる。よいお年を。