本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは61。シャッフリンでした。
シャッフリン! シャッフリンの登場以前・以後で魔法少女育成計画の常識が書き返られたところがあるというか、新しいタイプの戦闘が実現したように思います。とにかくシャッフリンは……すごい。すごかった。あの無表情のトランプ隊がドワーーッと研究所の廊下に詰めかけてくるのはちょっとしたホラーです。がんばります。
シャッフリン。登場話は「魔法少女育成計画JOKERS」。
トランプがモチーフの魔法少女です。トランプシリーズ(JOKERS・ACES)においては型番は違いますが両方とも登場しています。
シャッフリンは、かわいい。かわいい……。かわいいんですが、それ以上に恐ろしい魔法少女です。
JOKERSでシャッフリン以外に屠られた魔法少女というのはなんとレディ・プロウドしか居ません。16人居まして9人がシャッフリンによって直接的に脱落させられているという事実はシャッフリンのえげつなさをこれ以上なく端的に伝えてくれます。
ちなみに9人のうちテンペスト・クェイク・インフェルノ・アンブレン・カフリアの5人は本体さんことシャッフリン・ジョーカーの鎌によるものです。クェイクインフェルノ以外はクビヲハネラレ勢です。やりすぎだよ!(追記:クェイクさんはクビヲハネラレ勢でした。謹んでお詫びと共に訂正します)
で、スタイラー美々とプリズムチェリーがスペードのエースの槍、ウッタカッタさんがナンバー不明のスペードシャッフリン(上位ナンバーではない)の槍で、フィルルゥさんが給湯室でスートをハートに偽装したスペード10のシャッフリンの槍の犠牲になってます。
まほいくにて最強武器は槍だということを証明するようなキルスコアです。基本槍とか銛とかルーラさんとかそのあたりの長物がよく働いてる武器だと思います。
で、そんな恐るべきシャッフリンの魔法は言わずと知れた「マークや数字によって能力が変わるよ」。能力は変わるとは聞いてたけどまさか分裂してるなんてそんなのアリなのという感じです。
魔法の国特別製魔法少女の名に恥じず、魔法のレア度は♡5つ。魔法少女の命ひとつでジョーカーを除いた52枚分が全回復するというありえない効率の良さです。
命を吸って回復するという仕様は魔法として明言されているわけではありません。それ単体でも固有魔法として扱ってもいいような凄まじさがあるような気がするんですけど。
「カード毎に記憶の共有ができていない。ハートのシャッフリンはただただグリムハートに従おうとしか考えていなかったのに、スペードやクラブのシャッフリンは私達の排除を目的にして、それが果たせなければ困ると考えています。それだけなら複数の人格があるようにも思えますが、でもこれは一つの人格を薄めてバラバラにしたようなものです。たぶん、主人格である本体が他にいて記憶の共有や統合を担当しているはず……」
精神鑑定士スノーホワイトさんのシャッフリン評です。いや詳しい……。ここまでスノーホワイトさんの魔法が成長しているとは思いませんでした。すごい。
ちょっと話は逸れますが、短時間でシャッフリンの精神構造をここまで把握できるスノーホワイトは、袋井魔梨華/袋井真理子さんのあのわけのわからない一人二人三脚(べつに人格を分けているというわけではない)っぷりもきちんと理解しているんだろうなと思うとニヤニヤします。
真理子先生と小雪ちゃんの短編第2弾待ってます。待ってます……。
で、本体さえ殺されずに燃料となる魔法少女を定期的に刎ねておけば永遠に戦いつづけられる、そんなシャッフリンなので、もうゾンビもかくやという調子で魔法少女達に襲い掛かっていきます。シャッフリンは魔法少女をモノのように屠っていきますが、シャッフリンの方もモノのように殺されていきます。
スノーホワイトが明確に魔法少女を「殺した」のはシャッフリンが初めてです。まあ魔王塾トップクラスを上回る実力を持ったスペードエースちゃんを相手取って殺さないように手加減するようなことはできない。
リップルが居なくなって以後に魔法少女を殺す覚悟を決めたのか、それともその前々から既に魔法少女を殺すことに関しては覚悟済みだったのか、その辺は定かではありませんが、あのスノーホワイトが魔法少女の首を刎ねる日が来るとは思わなかった。
魔梨華の「無茶苦茶に強えな、あれ」の笑顔から始まる、スペードエースちゃんの大暴れ、個人的にすごく好みです。
戦闘に熟達した魔法少女達をおもちゃのようにブンブン弾き飛ばすスペードエースちゃん。身体能力がデタラメに突出しており、スノーホワイトの読心を併用しての攻撃を反射神経だけでごり押しして回避するという立ち回りを見せてくれます。ありえない程に強い……。
スペードエースちゃんは何回死んだんでしょうか。初陣が一番格好良かったような気がします。
なんやかんやあり、殆ど詰めのところまで追い込んでおきながらも魔法少女(デリュージ)に脱出されたことによってグリムハートの目論見は崩壊し、シャッフリンにも戦う意味は無くなります。
ここでの怒り狂うグリムハートを冷静に眺めるシャッフリン・ジョーカーの視点が特に印象的ですが、グリムハートの会話をする際にちょくちょく挟まれるジョーカーちゃんの視点はどれもこれも特徴的で面白かったです。
絶対強者・三賢人の現身たるグリムハートに対して「ブルーカラーこそが向いている」なんて言っちゃえるジョーカーちゃん。かわいい……。基本的に目下の現地魔法少女相手でも緊張を保って立ち回ってるあたりも立派です。にやにや笑いながらインフェルノを攻撃したのはご愛敬です。ジョーカーちゃん性格悪そう。
シャッフリンに関しては本当に魔法少女がザクザク殺されたこともあって複雑な気持ちもあるんですが、それでも一人の魔法少女として「好きだなあ」と思えるのは、やっぱりジョーカーの人となりが結構面白いからだと思います。
グリムハートに対して「こいつ」呼びだったり呆れ気味だったりしていながらも、明確に破滅を予感しながらも、それでも臣下としてグリムハートの後ろをついて歩きます。
モニターを見て溜息を吐いた。同時に苦笑が漏れた。グリムハートの慌てるさまがなぜだかとてもおかしかった。シャッフリンに続き、ジョーカーもグリムハートに続く列に連なった。どうせなら最後まで付き合ってやろう。
こいつと一緒に破滅するのも悪くない。
そういうものだ。
ああ……。この描写は発売後一年を経て、ACESにてシャッフリン Ⅱが登場したことによって哀愁を一層増したように思います。シャッフリンⅡにはジョーカーという存在は居ません。彼女は確かに、予感の通りにいなくなってしまったんです。
その死が、破滅が、一切描かれないまま、さっくりと「そういうものだ」として処理されてしまっている、その哀れさがシャッフリンのことをどうしようもなく好きだなあと感じさせる理由かもしれません。
死に至る部分が描かれないって、まほいくの世界では殊に冷酷な扱いなんじゃないかなと思います。シャッフリンⅡという形だけがいびつに残されているのがまた苦しい。
さて好きなイラストについて。シャッフリンはなんとJOKERSで4回も挿絵に登場した上に口絵にもカラーイラストで登場するというぶっちぎり好待遇の魔法少女です。なのでどのシャッフリンにすべきか悩みますが、ここは順当にフィルルゥさんの張り巡らせた糸を掴んで引き摺りよせるスペードシャッフリンにします。シャッフリンは無表情カワイイ……。
好きなセリフについて。FANBOOKでも取り上げられた「主様に下郎の刃が決して届きませんように」が好きです。グリムハートとシャッフリンはちょっと喋り方が古めでよいです。
以上です。シャッフリンⅡがまだ居るのか……。明日もがんばります。