すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女82日目:シャッフリンⅡ(QUEENS)

 

まいにち魔法少女extraの概要はこちら:まいにち魔法少女extra:概要 - すふぉるつぁんど

 extraと付けてはみたものの、QUEENS以降に続くかもしれないまいにち魔法少女企画にいちいち横文字振っていくのどう考えても面倒だったので連番にしました。記事タイトルだと省略していますが名目上はまいにち魔法少女extraです。自分でもびっくりするほど見切り発車ですけどタイトルなんて多分そういうものです。

 

 さて本日のまいにち魔法少女extraです。ナンバーは6。シャッフリンⅡでした。

 ACESの次巻にはシャッフリンⅢが出るかなーとか呑気に言っていたのも遥か昔まいにち魔法少女67日目:シャッフリンⅡ - すふぉるつぁんどのことです。2015年11月って本気で昔ですね。まだアニメが2016年に始まることすら告知されてなかったのでアニメ開始時期は2020年くらいだと3割くらい本気で思ってました。

 思い出話はほどほどにして本題です。がんばります。

 

 

 シャッフリンⅡ。登場話は当然ながら「魔法少女育成計画QUEENS」。トランプシリーズの幕を引くQUEENSでもやっぱり登場してこれまた大忙しです。

 シャッフリン達の立ち位置は三部作でどんどん変わっていきました。JOKERSでは幾度も再生を繰り返しては魔法少女をばったばったと薙ぎ倒す絶望と死の象徴として。ACESでは地獄から蘇ったシャッフリンハンター氏の振るう三又槍にばったばったと薙ぎ倒される哀れな犠牲者として。そしてQUEENS。QUEENSでのシャッフリンシリーズは、非常に面白いポジションに位置していたと思います。

 

 

 彼女達の活躍は様々です。多数のシャッフリンユーザーから指揮権を預けられたハムエルさんを旗頭に結集したシャッフリンⅡ、他の魔法少女と比較しても人数が(比喩でなく)桁違いです。

 なのでやってることも桁違いに多い。序盤から終盤にかけて満遍なく登場し、雑用から決死隊、被害者から加害者、プク派からオスク派まで色々な立場に身を置いて色々な活躍(?)を見せてくれます。JOKERSでは加害者一辺倒、ACESでは被害者一辺倒であったのがいい具合にブレンドされたとでも言いましょうか。

 

 良い味方であり、同時に良い敵でしたシャッフリンⅡ。スートやナンバーによって強さに差が出るため、同じVSシャッフリンⅡ戦でも苦戦度が大きく違うのも納得をもって読みやすかったように思います。

 プク派に寝返らされた上での「敵」というポジションとして、一番印象的だったのはやっぱりグラシアーネ戦かなあ。グラシアーネの日に持ち越しますが自爆覚悟で手榴弾のピンを抜くシャッフリンⅡのシーンはもう。ああ……。久々に「シャッフリンシリーズに殺された魔法少女」リストが更新されましたね。これが最後だといいけど。

 

 

 シャッフリンⅡに対して抱く感情についてですが、「怖い」と「可哀想」の比率も本当にJOKERSとACESのあいのこという趣きでした。「かわいい」はQUEENSが圧倒的に多かったように思います。

 脛を蹴られて泣いてるシャッフリンⅡは不穏要素満載なエピローグにおける数少ない癒し要素です。文字にしてみると暴力を受ける美少女で癒されるの大分常識が歪んできてるような気がしますけど、恐らくかなりの人が安らぎを得たのではないかと思います。多分。

 JOKERSを読んだ当初の自分はシャッフリンを見て癒されるなんてことほとんど考えもしなかったように思いますが、遠藤先生の裁量で印象なんて変わっていくものですね。掌の上で転がされているのをひしひしと感じます。

 

 

 そんなシャッフリンⅡですが立場も豊富なら種類も豊富。

 

 「戦力を出し渋る協力者達に、彼らが初揺するシャッフリンシリーズを供出させました。シャッフリンⅡがメインですが、プロトタイプシャッフリン、シャッフリン砂漠戦仕様、シャッフリントレーナータイプなどのバリエーションも含まれています。それが傭兵といえなくはないかと」

 

 とハムエルさんに紹介されるようにこまごまシリーズが登場しています。これはガンダムのパロディとか小耳に挟んだような。自分の知識ではないのでなんともという感じですが遠藤先生がパロディされるのならいつか観たいですガンダム

 

 プロトタイプというのは懐かしのジョーカー付きシャッフリンを指すのでしょうか。残念ながら(人によっては嬉しいことにかもしれませんが)ジョーカーちゃんが再登場することはありませんでしたが、あのやれやれ系臣下ちゃんの亜種がどこかに居たかもしれないというのは嬉しいような、でもJOKERSの彼女そのものが主人と共に死んでることにきっと変わりはないのでやっぱり寂しいようなです。

 

 

 QUEENSは大規模戦闘が中盤の要であり、集団戦を恐らくは最も得意とするであろうシャフリン軍隊はそれはもう八面六臂の大活躍でした。

「本来、一人一人が個性の塊である魔法少女達は、一団の兵士として運用するのが難しい。集団をあれだけ流動的に動かせるのは、流石シャッフリンといったところか」というのはプフレの評価。彼女の魔法少女評は非常に信頼が置けるのでプフレが言うのならそうなんでしょうね。

 

 敵をじりじりと引きずり出して切り札たるスペードエース12枚でめためたにするところなんかは軍記ものを読んでいるんだろうかという気になりました。「十二人全員がスペードのエースという最精鋭の選抜部隊だ。ポーカーでも大富豪でも実戦でも、まず負けることはない」という地の文がもうとんでもなく好きです。遠藤先生のこういった表現を読む度に幸福物質が脳に染み込むのを感じます。

 

 

 そうスペードエースは今回も大活躍でした。印象的だったのはやっぱりうるるに騙されて護衛についたシャッフリンⅡ達かな。敵にすると兎に角恐ろしいシャッフリンスペードエースですが、味方につけるとこれほど心強い存在になるとは! さすがのスノーホワイトも一瞬の隙さえ作ってしまえばあっというまに対処されてしまいます強い。

 

 活躍したのはスペードのみではなく。QUEENSは最も「全種類の」スートのシャッフリンが個々に活躍した物語だったように思います。

 ハートのシャッフリンⅡは(悲しいことに)肉壁係と決死隊、あとカワイイ要素、そしてレーテ様のお付きとして扇で仰いだりマントを持ち上げたりする二人などなど。ダイヤのシャッフリンⅡは貴賓席から兵器まで色々なものを作成する工兵担当。クラブのシャッフリンは他より優れた聴覚(!)や隠密行動を担当しうるるの監視や戦闘やらをこなし、そしてスペードシャッフリンは言うまでも無く戦闘戦闘戦闘。3キロメートルの距離を投槍できるスペードシャッフリンというのはもうありえない身体能力ですね。さすがにエースかな。

 みんながかわいいシャッフリンⅡでした。耳が良かったクラブはプク様のお声を聴いてプク派になっちゃう割合がもしかしたら高かったかもしれません。 

 

 

 トランプシリーズが終わるということは、もしかしてシャッフリン達とはもうここでお別れなのかもしれません。どうかな。オスク派のシャッフリンユーザーは結構いるようなのでまた誰かのお付き的にちょこちょこ顔を見たいような気持ちです。

 とりあえず地獄から蘇ったシャッフリンハンターさんもシャッフリンハンターを廃業したようですし、暴虐のグリムハートさんも機能停止中ですし、しばらくはシャッフリン達にも安寧の日々が訪れるといいですね。

 

 

 さて好きなイラスト。これはもう間違いなくブルーベル、もといラズリーヌ無双のシーンの挿絵シャッフリンです!

 シャッフリンⅡの挿絵が今回はこれ一枚というのもありますがしかしかわいい。ラズリーヌに飴玉を抜き取られるハートの3も、その後ろで逃げていこうとするハートの子も、ラズリーヌを攻撃しようと(?)しているクローバーもみんなかわいい……。クローバーの表情が好きです。

 シャッフリンⅡはシャッフリンと比較してよりホムンクルスに近い存在になったとされていますが表情だけで言えばシャッフリンのほうが無表情無個性感があったように思います。イラストになっていたのがJOKERS段階では上位ナンバーばかりというのが無表情の理由としてあるかもしれません。

 

 

 好きなセリフ。セリフ……? ええとじゃあカギ括弧の中のセリフではないのですが、

泣き声が聞こえた。見れば、ハートのトランプ兵士が脛を押さえて泣いている。他のトランプ兵士は口々にあいつがやったと叫びながら指を差していた。指差された元プク派の魔法少女はそらとぼけた顔で天井を見上げながら口笛を吹いている。

の「あいつがやった」要素が好きです。言語能力を与えられてるシャッフリンがそう言ってたのか、もしくは言葉は通じないもののそういう趣旨の主張をしているとマナが読み取ったのか、もしくは魔法の国の共通言語でマナとは言葉が通じてたのか、そこはわかりませんがとにかくやっぱりかわいい。

 

 

 という感じで以上です。ざーっと書いてみて3500字を越えたのでextraについては3500-4500文字を基準にやっていこうかな。平均して1500字増です。

 4500字だと書き足りない予感がする人がちらほらいるのでそのあたりは終わってから考えます。明日もがんばります。