すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P14話感想

 

 4月中旬の更新が確実そうな方のまほいくことF2P、の14話感想です。

 breakdownはもう少し後かなとかタカを括ってる時に限って更新が来たりするのがまほいくのすごいところなのでbreakdownの更新にも備えたいです。4月中旬、いったい何月何旬なんだろう……。ということでやっていきます。

 

 

 冒頭はマジカルドローン……?を手に空を探索していたらしいステラ・ルル。彼女の翼が飛行能力を持たない装飾品であること(ウッタカッタの妖精羽のようなものかな)がこれで確定したので、ルルはどちらかというとペガサスではなくユニコーンモチーフ魔法少女ですね! どうでもいい。はい。

 ここで新登場の魔法の道具は山積みになっていた魔法の道具の一部かな。あれらを生み出すことがルルの魔法の一部なのか、それとも魔法の道具自体はどこかから提供されていて魔法の道具を使いこなすことのみがルルの魔法なのか。どちらにせよ多芸な魔法少女であることに違いは無さそうです。

 

 レジスタンスが下崎さんを適当に野放しにしていたのは、晶が魔法少女の侵入をもっと低頻度のものと想定して、長期戦の方針を立てていたためなのでしょうが、その処置が悪影響をして14話段階では下崎さんが(一応)『魔法の国』サイドの魔法少女に捕まっていることを誰も把握してません。ひええ……。

 かなり危うい情報共有が行われている横で、アルマ・下崎さんとのコミュニケーションが理由となってレジスタンスの複数名が何となく気まずい空気になっています。一枚岩と思われていたレジスタンスも実際それほど一枚岩じゃないし、何があっても馨と晶について行くと言ったセラセラも何故か胸がザワザワしています。うーーん不穏。

 アルマがこの反応をレジスタンスから引き出したというのは素晴らしいことで、彼女が13話で探していた「とっかかり」は間違いなくアルマの存在によって形成されつつあります。しかしアルマはまだそれに気付いておらず……場面は移って廃屋へ。

 

 

「大きな声を出さない 暴れない 変身しない 守らないと殺すよ?」が第一声の謎の魔法少女に続けて「私はあなたを助けにきたんだよ」と言われて、特に疑問を持つ風もない下崎さん、本当に大丈夫なのか!? いやあまり大丈夫ではない……。

 下崎さんは今までを見るにも人を疑ったり警戒したり憎んだりするのを不得手としており、それがいい意味でレジスタンスを崩してはいるのですが、一歩間違えれば簡単に誰かしらの破滅に転がりうるくらいの勢いでそれをやるのでもう大変です。自分で出した自分の説明書を放置して水琴から逃げたあたりとか普通に死んでもおかしくないような出来事なんですけど、それが巡り巡っていい破壊の方向に働いていて。

 

 ここまで性質が突き抜けてると、どの方向だろうとどこまで行き付くかを好意的に見ていられるんですが(とことんものすごい突き抜け方してた魔法少女は他にも複数居るので……)しかしエイミーが下崎さんのそういうあり方を見逃すかといえばそれは……。

 相手は札付きな魔法少女エイミーさんなので、もう、全然いい人ではないのが読者的には明らかで。ただ当然ながら下崎さんにとってはその情報は明らかではない……のですが、あの状況で見ず知らずの魔法少女・エイミーを信用するのはとてもとても危険行為なように感じます。魔法少女新米だからヤバい魔法少女が世の中にはゴロゴロ居るということをまだ理解していないというのは大いにありそう。

 

 エイミーにレジスタンスの味方なの? 魔法の国の味方なの?」と問いかけられて「みんなを止めたい 死んでほしくない」と返事をする(この答えになってなさが非常に好き)下崎さん。その返事を受けて静かに「なるほどねーー」と返すエイミーさんの目の冷たさすさまじい。「協力してくれるかな」の麿眉笑顔と同じ顔とは思えない。

 具体性に欠ける主張をしても誰も動かないよという水琴さん(中学生)のアドバイスはひっくり返せば「ふわふわした主張に付き合ってくれる奴は何かしらヤバい」ということに通じるわけですが、そんな教えを受けた下崎さんがエイミーの提案をどう見るかによって展開が大きく動きそうだなあ15話……。

 

 

 今現在、アルマは非常に難しいポジションに居ます。アルマの「どちらにも寄り切れない」ありかたは魔法少女として新米である(『魔法の国』への帰属意識が低い)ことが多少なり由来しているのでしょうが、彼女がそんな『魔法の国』に染まりきっていない、かつ戦闘力の低い魔法少女だからこそレジスタンスにさほど警戒されずに有用な魔法の持ち主として取り扱われている、という事実には多少の不安を覚えます。

 

 「結界の中に閉じ込められた人事部門所属の魔法少女で、気質は比較的穏やか、戦闘力は低く、固有魔法は対象の魔法少女についてのデータを読み取るもの」という設定に該当する魔法少女は2人居ます。言うまでもなくそれは7753とアルマです。そして7753は間違いなく、彼女の性格・性質を考慮に入れた上で事件に関与させられた魔法少女でした。

 ではアルマは? 彼女は単純に巻き込まれただけの被害者なのか? 人事部門の上層部にはlimitedにおけるプフレのやり方をその身に体験した吉岡が居て、人事部門が何としてでも取り返したい「魔法少女名鑑」が消えた場所ことF市に派遣された新米魔法少女は、何かの役割を期待されていたのではないか? 7753との類似があまりにも多いがために、アルマについてもそんなことを考えてしまいます。

 

 ただ、現在明かされている情報の限りだと7753に最も似た立場の魔法少女として登場しているアルマだからこそ、7753と同じようなエピローグを迎えることはないのではないか、と自分は思います。だからアルマがどういう道を進むのかはとても気になります。

 アルマを見ていると、なんとなくlimitedにおける7753が某魔法少女の掌の上にあったことを思い出す……とはいっても、アルマにはアルマの物語があると思いますし、たとえそれがどんな結果になろうとも、アルマが何を選ぶのか(あるいは選べないのか)については、すごく……前向きに気になることです。楽しみと言っては多少悪趣味ですけどまあ悪趣味なので……

 

 

 さて14話で明かされた非常に重要な発言について。「本来後ろ盾だったプク・プックはもういなくなっちゃったし」というクリオさんのお言葉。さすがにここまで来たらF2PがQUEENS以後の物語だと覚悟した上で読むほかないと思います……。プフレが死んだ後の世界と唐突に向き合う必要が出てきて大変に難儀しました。不意打ちにも程がある。シャドウゲールは元気にしてるだろうか……。

 こうなってくると吉岡がどうやって人事部門に介入してるのかがより一層謎ですね。そもそも吉岡という存在自体が謎、カスパ派にどうやって取り入ったかも謎、吉岡が結局何をどうしたいのかも謎なので、F2PがQUEENS以後の物語ならその辺りの未解決な謎が明かされてくれれば多少すっきりするなあとか。QUEENS以後の世界に怯えるばかりではありますが、わからないことがわかるかもしれないのは楽しみなことです。

 

 

 もう一つ楽しみなこと。楽しみなことといえばもうとにかくエイミーともな子の詳細です。いやーエイミーともな子がここで出てくる! いつ出るんだろうなぁとACESくらいから楽しみにしていた魔法少女ふたりぐみではありましたが、まさかF2Pで初参戦とは!

 JOKERSエピローグにてフレデリカ側に付いたことが明かされていたエイミーともな子。彼女ら二人がどういう考えでフレデリカを手伝っているのか、どのくらいクズなのか、どれほど暴れてくれるのか! 性格がわりと違いそうなふたりがどういう経緯でツルむようになったのか! エイミーともな子の魔法は! 気になることばかりです。あのスタイラー美々に自我が未発達で幼いと断言された魔法少女。どう考えても穏便派の常識人ではありません。どうなってしまうんだ。

 

 逆に楽しみじゃないというか怖いが強いのが次なる脱落者の描写で……うーん。いやまぁ魔法少女なのでどうやっても死ぬ時は死ぬんですが、F2Pは本編にも増して死がドライだし、いつ誰がどこで死んでもおかしくないという覚悟みたいなものが全然付けられなくて怖いですね。(あとF2Pで死ぬともののはずみで存在ごと抹消されかねないという怯えもあります。QUEENS以後の吉岡が事件に関与してるってことはウェンくんの特殊結界が剥げた瞬間にいつでも水晶+洗脳剣コンボが決められる可能性があるってことで、そうなると魔法を使う使わないとかそういう意思は何も関係なくなってしまう 洗脳チャンスがあると毎回怯えるのやめたい……)単純に慣れの問題と思うんですが、「直接的な死の瞬間」がまだ一度も描写されていないこともあってか、漫画表現で魔法少女が殺されることにまだいまいち慣れない。しかしそろそろズバッと来そうな気はします。

 最近しばらく名前持ちが死んでないし、暴力のエキスパートが結界内に飛び込んじゃいましたし、15話はどうなることやらです。以上!