すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女76日目:ダークキューティー

 

 まいにち魔法少女です。ナンバーは70。ダークキューティーでした。

 ああダークキューティー、好きです……。がんばります。

 

 

 ダークキューティー。登場話は「魔法少女育成計画ACES」。

 袋井魔梨華さんと同様、名前の登場はACESが初めてではありません。ダークキューティーさん、名前だけはepisodesの短編・「オフの日の騎士」で初出していました。

 

スプラスティック系のギャグ魔法少女漫画ではなくもないが、魔法少女として犯罪行為に走るのは言語道断だ。「キューティーヒーラーシリーズ」でダークキューティーが銀行を襲ったことがあったが、あれはあくまでも悪役がやったこと。「ベイビークラウン」という魔法で盗みを働く怪盗を描いた作品もあるが、高潔なる魔法騎士「ラ・ピュセル」とはキャラクターが違う。

 

 てな感じです。高潔なる魔法騎士て。魔法少女怪盗「ベイビークラウン」ちゃんにもいつか お目にかかりたいものですね。

 

 というわけで「キューティーヒーラースシリーズ」にゆかりのあるダークキューティーさんです。魔王塾主催地獄サバイバルで見事優勝を果たした、「双子星キューティーアルタイル」と出展作品を同じくするキューティーヒーラースシリーズのメンバーの一人であったことがACES次回予告風自己紹介で明らかになり、ACES発売前から胸を沸かせてくれました。非常に恥ずかしい話なのですが、ダークキューティーの次回予告を見るまで、キューティーアルタイルちゃんがキューティーヒーラースのメンバーであることに気付きませんでした……。

 キューティーヒーラースのメンバー、色々な魔法少女達が回想する形で結構名前だけ登場してるんですよね。まほいく世界ではプリキュア的存在なのかな。この二人がアニメとなって登場した「キューティーヒーラーギャラクシー」はどの程度過去の作品なんでしょうか。

 

 しかしながらダークキューティーは、そんな華々しいキューティーヒーラーの一員にしてはどうにも薄暗い存在です。プフレの紹介によると、

 

登場人物のモデルとしてアニメーションにも出演したことがある彼女は、普通に魔法少女生活を送っていても無暗と目立つ。有名人はただ動いているだけでも他人の目を引くものだ。噂によると任務以外では引きこもっているらしいが、自分の生活を犠牲にしてでも仕事に生きようという魔法少女なのかどうかは疑わしい。

悪役であることに誇りと怒りと恨みと喜びと後悔と快楽と優越感と劣等感を抱き、歪んでしまった部隊長、ダークキューティー。

 

 こんな感じで非常に端的です。というかこれがまさにダークキューティーの本質を示しているので、もはや語るべくもないのですが。さすがに人を見る目がぴか一のプフレ視点の地の文です。

 

 ダークキューティーは、彼女をモデルとして「ダークキューティー」というキャラクターがアニメ化された(つまりもともと「ダークキューティー」という名前・存在だった?いやその辺りは完全に不明ですね)中々珍しい魔法少女です。そんな自身のアニメ化という幸運に恵まれたものの、アニメの中のダークキューティーちゃんの扱いは幸運とはとても言えないすさまじいものでした。

 制作側の迷走により路線がぽんぽん移り変わり、その煽りを受けて非常に中途半端な悪役のポジションのまま、「主人公達に復讐を誓って雑踏に消える」というふわふわしたラストシーンを迎えてしまっています。

 

 こういう雑な扱いを受けた結果、ダークキューティーの精神は「悪役」であることに対して、後ろ向きにまっすぐに振り切れてしまったのでしょうか。彼女が「悪役」に拘っていたのは、アニメの中のダークキューティーが悪役を貫いているからなのかもしれません。ダークキューティー周辺は結構雰囲気で楽しく当て水量できるような要素が多くて面白いです。

 

 例えば『双子星』キューティーアルタイルという、魔王パムがキューティーアルタイルに与えた二つ名だったり。つまりキューティーアルタイルは、アニメ放送が終わって以後も「双子星」、つまりふたりぐみ魔法少女もしくはそれ以下(つまり三人組ではない)として動いていたということです。

 そしてキューティーアルタイルの相方は、ダークキューティーの次回予告にある通りキューティーベガ。このことから、「キューティーヒーラーギャラクシー」が終わるまで、アルタイルとベガは二人組であったという想像ができます。

 で、ダークキューティー。彼女は善側に転向することもなく、悪として滅ぼされることもなかった、そんな宙ぶらりんのキャラクターです。当初、路線変更が行われる前の作品の形では、もしかするとダークキューティーが「キューティーデネブ」として夏の大三角三人組魔法少女になっていた可能性もあったのかもしれないなあと勝手に思ったりしています。

 

 しかし現実でそんなことは起こらず。善側に転向するなんてことはなく、ダークキューティーはあくまでも悪役のままでありつづけさせられます。このあたりが「悪役であることに誇りと怒りと~」という地の文のくだりに繋がりそうだなあと勝手に想像してます。いやデネブちゃんなんて最初から存在しなかったのかもしれませんが。

 

 

 「正義の味方に倒してもらえず生き残ってしまった悪役」としてのダークキューティーが望むのは、「主人公」たる正義の魔法少女に倒されること。

「殺されること」までスッパリ言及していなくて正直ほっとしましたが、うるるの魔法に踏み止まったくだりを見る限り、ダークキューティーちゃん的には殺されてもいいと間違いなく考えてますね……。

 そして「主人公」として相応しい存在に、ダークキューティーはついにACESという舞台で巡り合うのでした。我らがスノーホワイト。間違いなく主人公です。

 

 うーんつくづくスノーホワイトはよくない種類の魔法少女を引き付けてしまう何らかの魔性があるように感じますね。タチの悪い魔法少女に好かれると言うべきか。

 ACESにおいて、間違いなくダークキューティーはスノーホワイトに執着しました。これ以上なく執着しました。「出逢い編」たるACESを終えて、以後、スノーホワイトとダークキューティーの関係はどう変化していくのでしょうか。再戦の日は来るのか。誰が止めようと会ったら戦闘に持ち込もうとする気がしますが大丈夫なのか。以降が心配だし楽しみです。

 

 

 ダークキューティーの魅力について。「悪役」として強すぎたことが、彼女を苦しめる枷の一つでした。ダークキューティーはスノーホワイトの前に立ち塞がった明確な強者です。多様性のある魔法。魔法をフル活用する経験と身体能力。最高の「悪役」たろうとして常に思考を巡らせる(数本ネジのとんだ)思考力。わりと化物寄りな雰囲気で、強い。身体能力♡5の子だろうか。

 

 そんなダークキューティーの戦闘力が光るダークキューティーVSスノーホワイト戦(2戦目)は、正直に申し上げて最高でした……。魔法少女育成計画の戦闘描写はどの戦いだろうと大好きで毎度心震えるのですが、この戦いは、何故かわからないのですがどうにも感動してしまいました。あの目まぐるしさが好きなんだろうか。まほいくを読んでいてちょくちょく感じる、読んでいて脳が焼けるような感覚が自分は大好きです。

 ダークキューティーちゃんが居ることが、ACESの大きな魅力の一つです。シリーズもかなり進んできたのに、まだこんな意味不明な性格をしたキャラクターが出てくる引き出しがあるのかあと感嘆の思いです。もっともっと活躍が見たい。

 

 

 さて好きなイラスト。立ち絵。

 

 好きなセリフ。「それは悪役のすべきことではない。ただの悪がすることだ」がダークキューティーの真髄という感じで大好きです。「悪役」としての縛りはこの先彼女を苦しめないだろうか。

 

以上。大好きです。明日もがんばります。