すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

F2P11話感想

 

 アニメ魔法少女育成計画BD3巻ブックレット読みました! いやーアリス。アリスすさまじかった……。アリスのあんなところやこんなところが丸見えの短編が特に規制無く読むことができるの、円盤特典万歳という感じでした。

 明確に「冬」の気配の強い短編だった「黒い少女と女騎士」ですが、

 

 

 とのことです。アニメ世界のノベライズとして読む感じかなあ。しかし残すところBDもあと1巻というのが寂しい……というあたりでF2P11話感想をやっていきます。

 

 

 11話は話としてはそこまで大きな動きはなかったですね。それでも重要な要素がちらほら入っています。

 まず大事なのはやっぱりジェリーマリーの死でしょうか。あの10話のコミカルな引き、11話扉絵の「アルマにかかれば どんな秘密も まるはだか!?」というおちゃらけたアオリからの死。最悪ギャグか!?

 笑い事ではなくジェリーマリーは死んでるんですが。この辺りのコミカルな薄ら寒さはプク・プック様の地の文を見てる時のおぞましさと似て……いやあんまり似てない気がします。とにかく人の死が軽いF2Pの風潮としてジェリーマリーも面白おかしい扉絵を最期に脱落と相成ります。南無……。

 扉絵でジェリーマリーを舐めるアルマ、顔を赤らめてる場合ではない!「ジェリーマリーの説明書を作る」という行為が尋問の手間を省いて彼女の死期を早めた一因になっている――とはその時思いもよらなかったのかな。よってたらあんな素直に舐めないか……?

 そのことについては、晶との直談判で初めてそうと気付いた気配がありますアルマさん。これ以降でアルマがもしレジスタンス側から侵入者を舐めろと迫られた時(謎の文章だ……)抵抗したりするかなあどうだろう。本人もわりと馴染んじゃってるところありますがアルマも命掛かってるからなぁ……。

 

 そんなジェリーマリーさんですが、取扱説明書を確認されて「戦闘員でも諜報員でもなく、事情に詳しくない」ことを悟られています。アルマが生きている可能性がある今、ジューベさんが送り込めるのは情報をぶっこ抜かれて困らない、この事件に無関係の存在だけ。というわけで何も知らないジェリーマリーが哀れな犠牲者となったわけです……。 惨い。

 ジューベは今「すぴのんとアルマの少なくとも一方は死亡している」のが真実であるという情報のもと動いているはずなので、ジェリーマリーに白羽の矢が立ったのは「ひょっとしてアルマが生きていて反乱軍側に手を貸していたら困る」という事情があったために他ならず。ジューベ様の思慮深さに敬服する一方で本当に酷いなあとしみじみ感じ入ります。そう思うとジューベ様の事情に現状一番詳しそうなパペタが結界入りするのはあまりなさそうと見ていいのかな?

 

 

 ジェリーマリーの死あれこれについても重要なのですが、久美・晶・芽留兎の会話には他にも面白い情報が散見されます。

 ウェンが少し前までは人間の学校に通っていたこと、メルティペインにも「魔法の国を叩き潰す」という目的の一致があることなども情報としては真新しいですが――やはりここの会話で重要なのは晶の欠落でしょうか。

 晶と馨の2人はちょっと何か大事なものが欠落しています。その原因は12話で示されたわけですが……そこまで会話を積み重ねたわけでもない久美に「おかしい」とわからせるほど明らかな人間性の欠けが二人にあるとすると、その欠落部分を作っていた記憶や想いはかなり大きかったんだろうなあ……。

 

 ステラ・ルル、晶、セラセラの三人の関係は12話までで何となく察せられるところがありますが、こうなってくるとわからないのは芽留兎ことメルティペインの立ち位置です。彼女が反乱軍に与している理由にも何かしら重たいものがありそうです。セラセラの魔法の使用回数的に恐らくメルティペインの事情にはセラセラは関与していなさそうですが。「欠け」ていない上で壊れたリーダーの動かす計画に付き合っているとすると、それはまた多少の恐ろしさを感じます。

 

「セラセラだけじゃない ステラ・ルルもメルティペインも かなり珍しく有用な種類の魔法を持っている」とは晶様の弁です。ここで自分自身についての発言が省かれているあたり、晶が魔法少女ではない可能性もありうるのか!? と読んでて思いました。いやあ晶様の魔法少女姿見たいんですけど……。

 ただ晶がもし魔法少女だった場合、今まで徹底的に魔法少女に変身してこなかったからには、ここで自分が魔法少女であるというところを意図的に伏せておくことにそこまで違和感は無い……かなぁ。そもそも晶は別に珍しい魔法持ちの魔法少女ではないという可能性もあるし……。晶様の魔法少女姿見たいのでがんばって粘っています。うう。

 

 

 一方そのころミースはまだ切り札たる魔法少女の素質を持った人間を探して飛び回っています。謎の塊だったこの妖精も多少過去が開示されました。

 彼(彼女?)は元々「ジェルミナール」という魔法少女とコンビを組んでいて、それが『魔法の国』側の事情によって一方的に解消。任務が終わる時期は未定で、ジェルミナールに会うこともできない状態。ひどい。ひどいんですが……

 正直なところ、このミースの回想で「ジェルミナールのためにも 絶対 魔法の国をひっくり返してやる」に繋がるのはちょっと思考が飛び過ぎでは!? という気持ち。多分まだこの回想以降にミースを反乱軍入りさせる決定的な出来事があったのではないでしょうか。じゃないとジェルミナールのためにすぴのんとファンとジェリーマリーが死んだことになり、ミースはその魔法少女の死を「必要な犠牲」と割り切れるほどに突き抜けた精神はしていないように見えるんですよね。この辺りは以降の掘り下げが気になるばかりです。ジェルミナールはどんな魔法少女だったんだろう。

 

 そしてミースが見た巨大な「影」の正体とは。不可視の何かがF市周辺にやってきてたりするんだろうか……。この影についてはジューベさんは恐らく関与してないっぽいので、監査の人の仕業か、それか人間性の欠如した集団こと人事が先手を打って何かやっているのか。もしかしたらそのどちらでもないかもしれない。この影一体この先どう関わってくるんでしょうね。

 

 

 さて場面は飛んで研究部門サイド。今日のジューベ様の魔法真贋は「反乱軍の最大の目的は魔法の国からの独立である」がNOだったということ。反乱軍は魔法の国潰す! という気持ちでいっぱいなので独立は確かに違いそうです。

 ここでパペタの人形魔法が解けたことによりジェリーマリーの死が確定。ここのパペタさんの表情が心なしか暗いのは「殺されるまで思ったよりかかった」ことが影響しているのかな。ファンの時は50分かからなかったそうなのでそこまで思い入れを持つ間もなく(覚悟が緩むこともなく)の魔法解除でしたが、1日程度右手のジェリーマリーを眺めた上での死だと多少来るものがあったのかもしれません。

 パペタは初登場時の印象よりも人間性があるような描写が増えていき、対照的にジューベさんはどんどん非人間的な方向に突き進んでいるように思います。「使える手駒がかぎられているのが痛い」って。ジェリーマリーは手駒だと完全に言い切るその姿勢はもはや潔い。

 

 そこでついに人事の介入が入ります。いやー人事。これまでの人事所属の魔法少女といえばとにもかくにもヤバい人揃いなので(例外:7753)12話登場の彼女のヤバさにもこれから期待していきたいですね。初登場12話で既にただのいい子じゃなさそうだなというのがはっきりわかっているあたりが信頼と実績の人事部門という感じです。被った猫の皮15秒くらいで剥がれてましたからね。

 

 11話感想としてはこんなところで。そういえばそろそろ月末ですが2月の月刊魔法少女育成計画はどんな感じになるでしょうかね。以上。