すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

魔法少女育成計画「赤」読みました

 

 読みました!!!(発売日に)

 興奮もやっと落ち着いてきて文章が書けるようになってきました。もう数日経ってる……! 毎日魔法少女のことばかり考えています。楽しい!

 またいずれ魔法少女ごとの感想をやるので、今回はざっくりとした感想です。以下、魔法少女育成計画「赤」のネタバレしかないのでご注意ください。

 

 

スノーホワイトが(表向き)スノーホワイトという名前を捨てること」、それこそがスノーホワイトサーガの完結」だった……!

 これはもう全然予想だにしていなかった完結の形でした!! 自分は8,9割スノーホワイトが死ぬと思っていたので(悲しい覚悟)、ホムンクルススノーホワイトスノーホワイトを確保した時点であっ終わった……と思い、彼女が憑融した時にもうこれで終わりなんだ……と頭を抱え、最終決戦の場にリップルが突っ込んできて頭が真っ白になり……まさかそこから二人が一人になるとは思わないですよね。思わなかったです。赤い魔法少女になってしまった……!

 

 スノーブラッド。スノーブラッド! この名前から連想されるのは、やっぱり直近の朗読劇「スノーホワイト育成計画」での白雪が血に染まっていく描写です。しかしあの遣る瀬無い描写とは異なり、この血の赤は孤独や虚しさに結びついたものではありません。

 スノーブラッドは、スノーホワイトリップルという二人の魔法少女から構成されている空前絶後魔法少女です。存在の主体としてはスノーホワイト側なのかな。リップルも身体を操作したりできたらリップル操作の方が百発百中魔法の活用が上手いとかそういう面白みがありそう。

 limitedからこっちすれ違いにすれ違ってきた二人が、ついに共に手を取り合って(精神世界上の表現)正義の魔法少女としての活動を続けていく。それは自分がとても見たかった状況ではありました。まさかニ心同体になってるとは思いませんでしたけど……。

 今となって考えてみれば、朗読劇第二弾「スノーホワイト育成計画」での同時上演が「青い魔法少女の自己主張」という、魔法少女の改名をテーマにした短編だったというのも「赤」の展開に対する伏線だったりしたのかなあ。

 

 

 衝撃のラスト、10年超走り続けてきたスノーホワイトの物語の完結、そういったものに目が行きつつも、それ自体には関係ない部分でも「赤」すごく面白かったです!!

 スノーホワイトの物語の完結をやりつつも、これまで「黒」「白」で積み上げられてきた梅見崎中学校の魔法少女たちの生き様が横に置かれるかといえば……全くそんなことはなく。むしろそちらの読み味も負けじとすごくすごくすごく良いんですよね!

 スノーホワイトの物語って、上にも書きましたが10年以上かけて編まれてきた物語で、それに全く引けを取らない中学生&教師たちの輝きがすごい。すごかった。クミクミ周辺のほぼ全てで泣いてたんじゃないかっていうくらい良かった。個人的にやっぱり「白」についても感想記事を書いて振り返っておいてよかったな~と思いました。直前でしっかり読み直して言語化したので感極まり度が高かった。

 

 ただ……ここまで絶賛してはいますが、「赤」は完全無欠で非の打ち所のない完璧な作品……とは言えません。いや展開どうこうの話ではなく……それ以前の、誤植とかそういう話として! 魔法少女育成計画に常に付きまとう問題ではあるんですが、まあ慣れて諦めるのが良いというようなことでもないよねという感じで、今回も今回でそこにはやっぱり引っかかってしまう。

 あんまり長く話すようなことでもないですが、今巻も今巻で誤植や明確に矛盾する描写、おもむろに屋号を改めたマジカルティータイムなど、発売までにもう少しなんとか……なんとか……! と感じてしまうような部分はちょこちょこあり(特に今回のプシュケの実質退場描写で非致命的部位が折られてたのがもし誤植だった場合個人的にかなり読む上でクリティカルに差し支えたのでゔ~ん……/こんな体験を何度か経てきてる結果9章のクミクミ視点初読時にまず誤植だと思って混乱した。愚か)、二版でどこまで変わるのかが待たれるところではあります。普通に誰かが世界を書き換えてマジカルティータイムの名前変えてる伏線だったらどうしよう。

 

 しかしそういうあれこれをさておけるくらい、「赤」が面白かったのも確かです! やっぱり魔法少女育成計画の本編を初読してハラハラしたり、来ると思ってたものが来た時に喝采したり、来るとは全く思ってなかったものが来てひっくり返ったり、描写と描写が「繋がる」瞬間、とんでもない展開が「通る」瞬間に痺れたり。「赤」はそういう、魔法少女育成計画シリーズの楽しさ」を随所で感じたような巻だったと思います……! 良かった!!

 本編や外伝それぞれの「これまで」を思い出すような描写がちょこちょこあったのも面白かった……! 一粒でとんでもなく味わい深い、一つの区切りとしての素晴らしい物語だったと思います!

 

 はい。ひとまず満足しました。すぐにということはありませんが、自分の中でもう暫く経って一段落したら「赤」のまいにち魔法少女もしようと思っています。ではまた後日。