今日は朗読劇の2日目でした!!
こんな日に記事を更新しておいてなんですが朗読劇最後の特報はまだ……頭が追いついてなくて! 一旦今日は……全部さておいてまいにち魔法少女をします。ともかく嬉しさと、ここまで生きていて良かったなあという気持ちでいっぱいなのと、向かい合っている2人を見て塞がっていたとばかり思ってた悲しみが蘇り、それがまた嬉しいやら悲しいやらと言う感じで、グチャグチャです!!
何よりもまず!素晴らしい朗読劇をありがとうございました。第3回の朗読劇を、一切の曇りなく素晴らしいものになるだろうと確信できるということの贅沢さをしみじみと感じています。「いいもの」をありがとうございました。
それはさておき本日のまいにち魔法少女です。今日はプリンセス・デリュージです。初登場はJOKERS、プリンセスシリーズの推定初期モデルとなる魔法少女、ピュアエレメンツの唯一の生き残り。
ACESでは地獄から蘇ったシャフリンハンターとして大暴れしていましたが、それからはじわじわと正気と理性を取り戻し、白ではだいぶ年相応と思えるようなシーンもあったりしてちょっとほっこりしたりしました。以下感想。
プリンセス・デリュージ。ドリィ曰く「元々才能のない人間を素体としている」*1 タイプの人造魔法少女です。青木奈美さんは実際魔法少女の才能はない魔法少女です。
なので魔法のエネルギーソースは薬物から得ていますが、今回はそれを濫用している様子はあんまりはなかったですね。最終戦ではフルバーストしてたけど。
彼女は魔法少女育成計画QUEENSを経て、プフレから自分の遺産と人造魔法少女として必要とする物資を受け継ぎ、 謎めいた魔法の演算装置を手にし、そして 廃人状態になっているシャドウゲールの面倒を見ています。
QUEENSの時も書いたような気がするけど、JOKERSでは抜け殻のようになって7753に保護されていたデリュージが、今はシャドウゲールを保護しているというのが不思議で面白い。「赤」でのシャドウゲールどうなるんだろうなあ……。
デリュージにとってシャドウゲールは「他のなにものにも代えがたい唯一無二の大切なもの」ではないが、他人様からの預かりものではある。もしなにかあれば地獄からプフレが這い上がってくるかもしれない。有り得ないことではあってもそれくらいしそうな魔法少女だった。*2
ついこの間地獄から蘇ったとか言われていた魔法少女が他人相手に地獄から這い上がってきそうとか考えているのもちょっと面白い。 故人・プフレの存在感は、デリュージや3代目ラピス・ラズリーヌを通していまだにひしひしと伝わってきます。
プフレが目指していたという「魔法少女に関するシステムを魔法の国から切り離す」「魔法の国からの脱却」という(シャドウゲールを守るという大目標を達するための小)目標も、緩やかにデリュージに引き継がれているような気がします。
謎めいた演算装置は今のところ 2年F組生徒のパーソナリティを掘り下げるという形で使用されているようですが、今後はどう生かされていくのかな。そしてプフレに関する全ての記憶を失ったシャドウゲールが、手遊び的に作り続けているぽい謎の機械は何かにつながってくるのかというのも気になるところです。
それはともかく白でのデリュージは「ブルーベル・キャンディだった魔法少女」に呼び出され喫茶店・マジカルティータイムに向かいます。
人間の姿で向かったことで尾行していたブレイド・ブレンダとキャノン・キャサリンに気づかなくて3代目ラピス・ラズリーヌをツボらせるというちょっとしたハプニングはあったものの、そこで提示された3代目ラピス・ラズリーヌからの協力要請を、罠かもしれないと承知しつつ、熟考の末了承します。
デリュージにとってのラズリーヌは、かつて荒れ放題だった時の自分を気遣い守ろうとしてくれたブルーベル・キャンディと同じ顔の存在で。
ブルーベルの面影を追おうとしてしまいつつ、ラズリーヌと戦線を同じくするのはオールド・ブルーの言うところの「感傷」が一因となっているのかもしれません。
デリュージは三代目ラズリーヌというなにかの老舗のような呼ばれ方をされている魔法少女のことはよく知らない。だが彼女の中にブルーベル・キャンディがほんの少しでも残っているということことは信じるしかなかった。ブルーベルが泣きついてくる、縋りついてくる姿ならば容易に想像できる。*3
なにかの老舗のようなラズリーヌ、ちょっとじわじわ来る。デリュージの感性もちょこちょこ面白いところがある。実際のところは代替わりが早すぎて老舗感はそれほどないんですけど。
ラズリーヌとデリュージはお互いがささやかな感傷のもと縁を繋いでいて胸がときめきます。やっぱり感傷っていいものだよ……。QUEENSの時はちょっと怯えてましたが、ラズリーヌ側でブルーベルの時の記憶があっさり処理されたりしてなくてよかったなあ。
そしてデリュージは、諸悪の根源たるピティ・フレデリカと向かい合うにあたって、QUEENSにてダークキューティーがデリュージにかけた「お前も主人公だ」*4 という言葉を思い出します。
「──主人公なら……恐れはしない、油断もしない。」*5 との独白からは、一人の狂人の強い信念がこうして他者に伝播して何らかの力の源となっていることを感じさせる。いや主人公について思いを馳せる魔法少女は別にダークキューティ関係者に限らず「白」にもちょこちょこといるんですけど。ともかくすごいことです。
ただ残念ながらこの一戦でのデリュージは、ピティ・フレデリカには力及ばず、畳サイズの魔法の結界に激突して返り討ちという目にあってしまったのですが……。
畳サイズの魔法の結界、強力であることには納得感のあるものの冷静に考えると流石になんなんだよと思うような胡乱な物体で地味に気に入っています。影牢でもやってるんだろうかと思うようなフレデリカのトラップハウスっぷり本当にタチ悪くて好き。これ操作してる時点ではもうなりきりフレデリカだったけど仕込み自体は多分本人がやってるよな……。
デリュージは倒れながらもフレデリカを睨みつけている。身体を震わせるくらいしか動くことができないにも関わらず、視線は射殺さんばかりで闘志が失われていない。まるで獣だ。フレデリカの背筋をぞくぞくとした快感が駆け抜けた。*6
無力化されつつも殺意と闘志は失われず、フレデリカから「獣」と称されているデリュージ。良い!
ちょうど朗読劇を見たばかりなので、スノーホワイト育成計画におけるスノーホワイトとリップルが「一匹の獣のように」*7 と呼称されてたのとか、リップルについては本当に今回とピッタリ重なるようなふうに「まるで獣だった」*8 と表現されてたのを思い出しました。良い。
デリュージも大暴れ極まっていたACESから時は経てど猛々しさ自体は喪失してはいなかった。三代目ラピス・ラズリーヌの感情操作による復讐意欲の増幅(推定)を施されずとも、デリュージはもうすっかり闘志を我がものとしている。うーーん戦いを繰り返す中で強くたくましくなっている……。それはもうそれを挫くフレデリカが気持ちよくなってしまうのも仕方ない。
結果としてデリュージはフレデリカに敗北はしたのですが。ただそれでも、ブレンダ、キャサリンと共闘し、ラグジュアリーモード、ラグジュアリーモード・バーストを経て、今回初披露となったラグジュアリーモード・フルバーストを発動しつつ、 三賢人の現身素体 3体&フレデリカと渡り合ったというのは恐るべきことです。
breakdownではクリーチャーめいた大暴れを見せつけたフランキスカ・フランチェスカと比較した時のカスパ派の現身素体は相当に脆弱というのはありますが、それにしたってもすごい。
大姦婦アスモナと三代目ラピス・ラズリーヌの激突では気温を極度に下げることでアスモナの胞子の発育を妨げるというアシストを見せていました。
氷点下で活動できるキノコもあるにはあるみたいですけど、それでも勢いよく育つというわけにもいかないだろうし、かなりいい手助けになってそうです。ラズリーヌ諸共めちゃくちゃ寒そうですけど。気温を下げるというのはいろんな魔法少女に通りの良さそうな攻撃手段なのもいい。
最終的には敗北したデリュージはあわやフレデリカに首の骨を折られるというところでしたが、ここでフレデリカに復讐するためにやってきたリップルが戦闘に介入したことによりそれは何とか避けられました。
リップルとデリュージのこれまでの縁は無きに等しい(ACESでの敵対関係としてのニアミスはありますが)わけですけど、「白」でのあのラストシーンから2人がどういうやり取りしたりするのかは今から気になってます。
リップルからしたらデリュージはぱっと見その辺りにいる青い魔法少女と同じようなカラーリングだし、あまり良い印象は持っていないであろうオールド・ブルー派閥の単なる一員にしか見えなかったりするのかな?
リップルとデリュージ、どちらからしてもピティ・フレデリカを倒したならば梅見崎中学校に向かいたいというのが新庄でしょうが、しかし実はフレデリカは倒されてなどなく、本体は三賢人の現身を乗っ取って元気いっぱいです。
このフレデリカとかち合っちゃうのか、無事に中学校側に向かうことができるのか、どうなんだろう。まずデリュージはバターナイフとシャンデリアにのされてるブレンダとキャサリン救出しないとだし……。
というわけで好きなセリフ。リップルに引き続きデリュージもよくよく寡黙な魔法少女なんですが、マジカルティータイム訪問時コスプレ希望か聞かれての「あ、いえ……結構です。それより連れが先に来て……」*9 が好き。
魔法少女オタクや魔法少女に限らずオタク気質の多い魔法少女界隈ですが、デリュージは言葉の端々からあんまりオタクっぽさがないのを感じる。でもマジカルデイジーは見てるのがちょっとギャップを感じる。
好きなちょっとした描写。ブレンドとキャサリンに対する態度を同年代へ対するものへ変えてみたり、年下へのものに戻してみたりしているときの、「人間関係について悩むというのは生まれついての性質のようなもので、割り切って生きようと心に決めたところでなかなか直せるものではない。」*10 いう独白が好きです。嬉しい! デリュージのこういうところが大好き!
こちらもリップルに通じるところがありますが、精神状態が他者の手に左右されてた魔法少女がそれでも本人らしいと感じるような振る舞いを見せる瞬間が好き。
以上。そういえばデリュージの新しいSDイラストはスノーホワイトと立ち姿が似通っているのが印象的でした。ではまた明日。
*1:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.29 宝島社,2022.2.10(ebook)
*2:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.29 宝島社,2022.2.10(ebook)
*3:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.287 宝島社,2022.2.10(ebook)
*4:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画QUEENS No.3045 宝島社,2019.8.23(ebook)
*5:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.289 宝島社,2022.2.10(ebook)
*6:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.306 宝島社,2022.2.10(ebook)
*7:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画episodesΣ P.234 宝島社,2022.4.8(ebook)
*8:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画episodesΣ P.237 宝島社,2022.4.8(ebook)