すふぉるつぁんど

主に遠藤浅蜊著「魔法少女育成計画」シリーズについて書き残していくブログです。

まいにち魔法少女122日目:ピティ・フレデリカ(白)

 

 本日のまいにち魔法少女です。

 今日はピティ・フレデリカです。うおーーフレデリカ……。

 この人は……もうすごいことになっちゃいましたね! フレデリカについてはちょっとあまりまだ考えがまとまり切っていない部分もあり、間違いなく見苦しい文章になるかと思われますが失礼します。そしてバカみたいに長いです。以下感想。

 

 

 

 ピティ・フレデリカ。初登場はめでたく朗読劇にもなりましたスノーホワイト育成計画」……ではなく、その前に出ていた魔法少女育成計画restart(後)。キークの師匠として「ピティ」という名前だけ出てきていたフレデリカですが、「白」での彼女はついにエピローグにてその「哀れな」名を捨てるに至りました。

 

 

 ただ別にフレデリカはそもそも哀れなフレデリカではない。英語版まほいくでの綴りがこうだったのは知っていましたが、世界内での綴りとしても「Pythie」が正解だったんだ! トコの影響ですっかり哀れなフレデリカだと思っていた。

 

 

 エピローグの彼女については後半で書くとして、プロローグでのフレデリカについて。彼女はまず0・ルールーの魔法の影響下にあります。一目見た瞬間にその凄惨さに「プキン将軍」を誤認し、初手から感傷を身にまとっている。いいですね……。

 

 ここでフレデリカが(激烈に恨まれているし戦闘能力も高い)リップルの所業であるという可能性を検討しなかったのは、勿論ACES以降の彼女がラズリーヌのせいで引きこもりになっていたのを目にしていたからというのもあるのでしょう。とはいえ一度見切りをつけてからそれ以降リップルをチェックしていなかった様子なのは少し不思議ではあるんですけど……。

 ただもうフレデリカにとってリップルは見切りをつけた段階で死んだもののように見えて、「スノーホワイト育成計画」でクラムベリーの髪を捨てた時のような感じで、(髪を捨てるまでは行かずとも)新たな大目標に気持ちを切り替えるためにリップル観察を意図的に一旦打ち切っていたのかもしれない。

 ACESで離別するまでリップルを長い間観察してきたことで、フレデリカならリップルならばこのような殺しはしない」と無意識に確信していてもおかしくはありません。そのリップルへの正しい理解が、フレデリカを「プキン将軍」というミスリードにより強く導いたのではないでしょうか。実際0・ルールーというフレーバーが入っていないとこんな現場にはならなかったわけですし。

 

 

「プキン将軍」を思わせる暴力の気配は、フレデリカにとって随分魅力的なものでは有りましたが。しかし今の彼女はその誘いに乗ることはできません。

 お付きに偉大なる七大悪魔こと大姦婦アスモナを従え、割と慇懃無礼に振る舞われながら(この2人のやり取りだいぶ好き。お互いがお互いをならず者の人格破綻者だと思っている。最高)、フレデリカはかつての自分と今の自分との乖離を自覚します。

 

 以前のフレデリカなら「先がないからどうした」と笑い飛ばしていたはずだ。怖さ、恐ろしさもプキンが持つ魅力の一つだ。どこまでも刺激的で病みつきになる。彼女が本当に生きていたならこれほど楽しいことはない、と喜んでいただろう。

 しかし今のフレデリカは違う。どうしてもやりたいことがある。プキンとのエキサイティングなプレイの果てに生命を落としましたでは困ったことになる。自由なアウトローだった頃とは恐怖に対するスタンスが変化していて、それゆえにプキンの印象が離れてくれないのか。*1

 

 これはかなり重要なフレーズです。「どうしてもやりたいこと」の正体は後々で判明するのですが、やっぱりこうして見ても「白」に至るまでの間でフレデリカが大きく変わっているのは間違いないように思います。

 しっかりした初出としての「スノーホワイト育成計画」でのフレデリカと、「白」のフレデリカは……かなり異なる行動指針のもと動いているし、それが在り方や精神性にも影響している……ように思います。具体的に言うと収監される以前・以後でだいぶ違うし、それ以降も変わり続けていると感じる。

 

 巻は遡ってlimited(後)。脱獄を果たし、レイン・ポゥにトットポップを殺され、自分も殺されかけた直後。フレデリカはテンションマックスで喜びに身悶えしています。

 

 フレデリカはフレデリカに見切りをつけた。どんな時でも冷めた目で自分と他人を客観視しているフレデリカでは、フレデリカの考える理想の魔法少女になることはできない。これによってフレデリカは理想の魔法少女像を他者に求めていくことになった。

[…]

 今回の仕事は自由へのジャンプ台程度にしか考えていなかったが、一大転機になるかもしれない。この仕事があったからこそ、フレデリカは変われるかもしれない。

 是が非でも生還しなければならなかった。*2

 

 この時点で「生還する」ことへの強い欲求が伺えるのは今に通じるものを感じる。ただこの時点では、文脈上フレデリカ自身が「理想の魔法少女」となることを構想していたのではないかと考えられます。

 しかしフレデリカが最終的に行き着いたのは(後述しますが)永久に「理想とする魔法少女の誕生を夢見」られる存在でした。やっぱり自分が理想の魔法少女になるのは無理があると冷静に考え直したのかもしれない。理性的だ。

 

 少し目標地点の変化はあれど。このlimited時点でフレデリカ自身が「フレデリカは変われるかもしれない」と感じたことによってこそ、「白」のクライマックスで彼女は三賢人になれたのかもしれませんね。自分の限界を拡張することは強い魔法少女における必須スキルと言えますし。殻を破った結果があのあれなのだとしたらだいぶすごい。フレデリカならそれくらいは行き着きかねない(精神性として)。

 

 

「白」での彼女に話を戻すとして。それからのフレデリカはリップルに協力者をことごとくボコボコにされたり、テプセケメイをお守りにしたスノーホワイトに教室単位で水晶ピーピングを拒否られてたり、アスモナに冷たい目で見られたり、決死の覚悟で訪問したクミクミがホムンクルスになってることに腹を立ててたり(自分もしっかり非道行為やる時はやるのに他人がやってると普通に怒ってる棚上げっぷりが好き)、気付いたらエイもながバックレてたり(ここで言及されていた「かなり不確定な存在である隠し玉」*3  ってなんなんだろう。カナのことだろうか?不確定すぎるかなそれは……)、色々ツイてないようなことも多かった印象です。こう振り返っても地味にというか派手にリップル&ルールーが暴れすぎている。

 

 しかし……ままならないことばかりでも、フレデリカは全然へこたれてません。ホムンクルス化していない2班魔法少女に指示を飛ばしたり、初代ラピス・ラズリーヌを相手にお互いを人質にして殺し合いの担保としているかと思ったら実は二人共そうでもなかったり(ここ高度な読み合いすぎて好き。「性格が悪い者同士、理解度はまあ高いと思いますよ」*4 とのお言葉の通り通じ合っている。これで本気の不倶戴天なんだなあ……)、アスモナを照れさせてたり、トラップハウスの設置してたり、デコイフレデリカを用意してたり、色々せっせと準備して最後の最後の局面まで場を運んでいます。

 

 

 そして……そして。デコイフレデリカが無念の中で溜息を吐こうとしているのを尻目に、ピティ・フレデリカは……否、三賢人の現身であるカシキアカルクシヒメ「移転した新本拠地の最奥の部屋」のスツールに腰掛けていました。

 

 かつてピティ・フレデリカは考えた。自分は常に魔法少女の傍にいたい。魔法少女の成長を喜び、理想とする魔法少女の誕生を夢見、そのためには強大な敵として立ちはだかりたい。だが残念ながらピティ・フレデリカには寿命がある。永久に魔法少女と共にあるというわけにはいかない。魔法少女刑務所に収監されたことで彼女は死を身近に感じ、死ねば終わり、魔法少女の未来を見ることも叶わない、という思いを強くした。

[…]

 それはフレデリカが目指していたものだった。魔法の国が滅び、あるいは初代ラズリーヌのような者に滅ぼされ、魔法少女がいなくなることも本意ではない。三賢人であれば、魔法の国が滅びないよう指導する立場を得、そして魔法少女達を見守り続け、彼女達の壁になることができる。一粒で何度も美味しい。*5

 

 これ……これなんだよなぁ……。恐れ入りますがここから暫くは……あまりポジティブではない文章になります。

 書かないでおこうかなとも思ったんですが、書かないでいると自分自身の感情すら数年後普通に忘れ去っていることに気付いたので……「赤」以前の自分はこういう感想を抱いていたということを記録に残しておきます。

 

 

 ここを読んだ時の自分は……誤解を恐れず正直に言ってしまうと……定命から逃れようとしたフレデリカにガッカリしたんですよね。随分わかりやすい、というか、……言ってしまえばどこかで見たことがあるような感情だった。「死ねば終わり」も、「ずっと見ていたい」も……。陳腐に近い行動原理でありながら異様な個性を発揮してしまうこと、その知性や行動力などのポテンシャルで本当に三賢人になってしまうという前代未聞の偉業を達成することがフレデリカの魅力といえば……そうなんですよね。そうなんですけど、そちらについては後述。

 不滅を求める人間というのは、不滅という概念が大きすぎて必然的にありきたりな理由に合流するものなのかもしれませんが。刑務所に入ってドロドロ体験をしたことで生への執着が強くなった、というのはとても納得できる感情の動きですが! だからといってそれがすごく美味しいとは限らない。このカシキアカルクシヒメを見た時の感情については、魅力的なラスボスが舞台装置的に巨大化しちゃった時のものに近かった。

 

 陳腐な行為も堂々とやってしまうのがフレデリカで、それもまた面白い……というのは、自分の中にある「好き」なので、行動の種類としては「好き」に近いんですよね。それがまた難しくて……。

 ただあまりにも行為の次元が飛び出すぎていたのと、以下に書くところのしっくり来なさがあり、どうしてもこの行為の壮大さほどには好きの感情がついていかなかった。ので、そのギャップを今も持て余しているというのが現状です。

 

 

 そもそもフレデリカ(や他の視点描写)では三賢人とは不滅なものとされていますが、読んでいて実際のところ「滅びを避け続けている」という印象があんまりないので……自分の中でそこの収まりが特に悪いんですよね。

 魂が同一でもグリムハートのような「道具」でしかない、知性もない、見下している周囲からも滑稽なものとして扱われているような存在に成り果てたとして、それは「滅んでいない」と本当に言えるんでしょうか? 滅びはなくてもついでに尊厳もなくなってないか?

 とりわけ、QUEENSにて正真正銘三賢人現身であるカナことラツムカナホノメノカミの鎖を引き、足蹴にし、粗雑に扱ってきたのは吉岡本人では?! というところ、かなり考えるのが難しい。自分はそうはならないとどうして思えるんだろう……。

 

 でもその程度のこと、定命の存在としてこのまま滅びることと比べれば、今のフレデリカにとっては些事でしかないのかもしれません。

 もしもこの先で現身乗り換えを繰り返し、最終的に道具みたいな扱いをされる魔法少女になってしまって、かつての吉岡みたいな人間に使い潰されようとしていても……それまで自分という概念が魔法少女を見守り続けられたらそれでいいと考えているのだろうか。まあ一般魔法少女時代と比較すれば相対的に不滅と言えるかな……いや不滅ではないでしょう。不滅ではないんですけど。

 

 

 しかしまあ動機部分がそんなに自分にとってピンと来なくても、そこに至るまでの手段が楽しければ面白いんですよ。手段が楽しければ……!!

 しかし……フレデリカの「手段」のかなり重要な部分を占めるのは故人プキンの固有魔法たる「相手の考えを変えられる」剣です。現身であるカナを2年F組の生徒とし、自分のデコイとして現身候補の魂をフレデリカだと誤認させる。「白」で種明かしされたそのとんでもない所業は、どちらもプキン剣の力によるものでした。

 

 そしてlimitedからこっち、フレデリカはプキン剣を本当に本当に活用しています。というか物語における大きなどんでん返しどころにフレデリカ所有プキン剣の存在が5回も来ている(そんなことがあっていいのか?!)(お薬は嫌いなリップル、ピエロやってるリップル、幸子殺しちゃったリップル、カナの洗脳、デコイフレデリカ)。死んだ他人からの借り物にしては……暴れすぎていて……流石に手段としては「もう見た」の感が強い!

 なお悪いことに「黒」ではホムンクルスプキンがテティを洗脳してたりもして、もう本当にプキン魔法は頻出のものすぎる。ので……魔法のかかり描写としても手段としてもそんなに……ワクワクはしなかった。その前段階としてフレデリカがあの場所にまでに至るものが省略されまくっている。JOKERSでのフレデリカはプフレの依頼で人造魔法少女リークに関与し、スタンチッカ左手操縦でゲームの楽しさを知り、プフレをスノーホワイトとかち合わせること自体はシャドウゲールの行動で失敗するという行動の規模としては小規模で個人的なもので。ACESでもメインで裏糸引してたのは初代側という印象でした。そこからQUEENSになると急に吉岡でカナのお付きなんですよね……。どうやって吉岡としてカスパ派ほぼ乗っ取って(カスパ派が腑抜けていたのでフレデリカが乗っ取ることができたという理屈は何度か言及されてますが、そのカスパ派の様子が全くといっていいほど描写されてないので……結局のところよくわかってない)カナを支配してたのかも、そこから何考えて人事に戻ってきてクリオについたのかも、ジューべの「刷新」をどう乗り越えたのかも、人事から追い出されたはずなのにそこからどうもう一回人事の上の派閥であるカスパ派を牛耳ったのかも、どうやって恐らくは世界初となるであろう自分の魂を抜いて三賢人の現身に自分の魂を移し替える技術を手にしたのかも、なんであんなに現身の素体を連れ回してたり蹴り飛ばしたりとか過剰に手酷く扱ってたのかも、全部……「今のところは」よくわからない! カナを刑務所に連れて行ってたのは履歴を消すためという理由付けがされており、刑務所の管轄がカスパ派ということでその辺は多少なるほどね……になりましたが……。

 

 フレデリカが三賢人となるまでの過程での「楽しそう」な部分が割と伏せられてしまっており、よくわからないので「赤」が出てその説明が読める(か読めないかはっきりする)まで考えるのをやめようと思ってたけど(賢明な判断)「赤」は発売されないし(嫌いなもの:発売延期なので発売されるのが本当に嬉しい)、それにしても要所で開示される解決ソースがプキン剣なことに代わり映えがなさすぎるという部分の現状の感想に何か変化があるとはあまり……思いにくいし、そもそも水晶玉の固有魔法を持ってるフレデリカが自分をピティ・フレデリカだと誤認して彼女の記憶すら我がものとできるくらいにプキン剣を活用できているなら物語的にステラ・ルルの存在自体が否定されてるんじゃないかとか(つまりこの違和感はピティ・フレデリカにステラ・ルルが回収されているんではないかと思わなくもないですが、F2Pは完結してないし、F2Pが完結していないのでこの辺のことは考えたくない)、こう、「フレデリカがここに至るまでの道のり」がどうしてもピンとこず、あまり彼女のラストシーンに入り込めな……かったんですよね、初読時の自分は……。本当にあくまで自分の感想なんですけど……。

 

 思い返してみればlimitedで色々すっ飛ばして立場を獲得してたプフレの時もえ!? とならなくはなかったんですが、limitedでの同時並行裏糸引きっぷりは読む楽しさがあり、それこそが彼女の昇進の説得力、物語的位置エネルギーとなっていた……と思います。それはそれとして物凄く!?!?にはなったんですが。

 そういう「フレデリカならこれくらいやる」と思わせるような「手段」におけるパワーは、三賢人を乗っ取る納得感までに至っていたのか……というと、自分は(バカバカしい注釈ですが自分の感想です)初読時パッとそうは思えず、だからこそ入り込めなかった……と思います。

 こうして振り返ってみるとF2Pが完結してなくて赤が発売延期したのがちょっとこう色々諸々よくなかったのではないかと思わなくもありません。こういう蟠りとか1ヶ月後に「赤」が読めてたら「続き物」としてその辺を楽しめてたと……思うんですけど。なんか三賢人フレデリカが楽しそうにしてたらその辺のわだかまりもなあなあに楽しくなっちゃってた確信があるし……。

 

 

 はい。モダモダした自分の感想終わり。

 実のところ今に至るまで「白」への感想を書いて残してなかったのも、あまりポジティブな感じでフレデリカの感想の結びを書くことができないという理由が一部にあったんですけど(発売未定の状況でこの辺を言語化するのはやりたくないことだった)、しかし……今となっては間違いなく「赤」は発売されます! なので、来月には「この先のフレデリカ」が読めるという確信を持って「ここから」の話ができます!!

 

 そもそもの話として、三賢人になることについてはギョッとしたものの、それ以前のフレデリカが突拍子もつかなくて愉快であることに変わりはないんですよね。予想もつかない行動や「アイデア」そのものの面白さ、襲撃するにあたってあえて創立祭その日を外してくるという傍迷惑さは読んでいて楽しくなってしまう。

 ところどころで見せる、砕けた物言いと優雅な仕草の同居している様子などは「スノーホワイト育成計画」から変わらず引き継がれているフレデリカの魅力だと思います。カシキアカルクシヒメが「スツールの上に立ち」お辞儀めいたポーズを決めているというちょっとシュールな様子からもそういう好きの片鱗がある。

 

 なので、案外「赤」でも「これだよこれ!」と思うようなフレデリカの魅力溢れる愉快な振る舞いが見れる……のではないかと思います。

「赤」でスノーホワイトの物語が終わるなら……いよいよフレデリカとスノリプ近辺との決着が付く日も近いのではないかな。もう三賢人になっちゃったのはどうしようもないことなんだし、だったら「本来」はリップルに復讐されておしまいだったかもしれない一般魔法少女としてのエンディングを否定したカシキアカルクシヒメだからこそ、というような世紀の大暴れを、そして壮絶な決着を見せてほしい。今の感情はそれに尽きます! いや「赤」が発売される世界になって本当に良かった……。

 

 

 好きなセリフについて。

 アスモナから「我々は『敵』ということですか」と問われ、笑顔で答えた「そうですよ。『公共の敵』です」*6が好きというか印象的でした。ダークキューティーと呼応しそうなセリフ。フレデリカ自身の嫌いなものが「魔法少女の敵」というのもちょっとおもしろい。

 しかし公共の敵さんが三賢人になってるのはどうしたものなんだろうか。アスモナはフレデリカが三賢人になっちゃったのご存知なのかな……。

 

 ところで朗読劇の余韻にまだ満ち満ちているので全然通例無視でもう一個好きなセリフ書くんですけど、アスモナにアーデルハイトのパーソナリティについて尋ねた時の「ええ、ええ、私見で構いませんからお聞かせくださいな」*7が好き。具体的に言うと安野希世乃さんのあのお声で聞きたい感じで好き (朗読劇アーカイブは2023年10月末まで視聴できます:朗読劇「魔法少女育成計画」第2弾 スノーホワイト育成計画 | OPENREC.tv (オープンレック))。フレデリカのこういうちょっとお上品にヘラっとするところやっぱり大好きだな……。

 

好きなちょっとした描写。

「というわけで、恐らくはここが襲撃されるはずです」

 テーブルの向こうに座るアスモナは、相槌を入れず、頷きさえせず、ただフレデリカを見返していた。心底あきれ果てた、という内心を隠そうとしていなかった。ゆっくりと首を横に振り、眼鏡の位置を整え、深々と溜息を吐いた。

「大人のやることですか」

魔法少女のやることです」

魔法少女であればなにをしても許されるわけではない」*8

 ここのオールド・ブルー-ピティ・フレデリカ間の通じ合いからの子供の屁理屈みたいなやり取り大好き。これ好きなセリフその3では?フレデリカのセリフが好きすぎるな……。

「というわけで」という流れで視点と視点が接続されるの、地味にレアで面白かったです。魔法少女であればなにをしても許されるわけではない」というアスモナの言葉はその通りですねすぎる。

 

 

 以上。本当に凄まじく長くなってしまった……。長いこと胸のうちにあった感想をこの機会に整理できてよかったです。肯定的でない感想というのはあんまり……見ていて楽しいものではないでしょうし、それを差し引いてもやっぱりまとまってなくて見苦しい文章だったと思いますが……。

 しかしこうして文章にすることで、「それはそれとして楽しみ」の感情が自分の中で全然偽りではないことに気付きました。三賢人フレデリカ、ぜひともその新たな御身で拍手喝采したくなってしまうような大事を成してほしい。ではまた明日。

 

*1:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.12 宝島社,2022.2.10(ebook

*2:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.53 宝島社,2022.2.10(ebook

*3:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.233 宝島社,2022.2.10(ebook

*4:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.231 宝島社,2022.2.10(ebook

*5:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.307 宝島社,2022.2.10(ebook

*6:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.97 宝島社,2022.2.10(ebook

*7:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.116 宝島社,2022.2.10(ebook

*8:遠藤浅蜊 魔法少女育成計画「白」P.230 宝島社,2022.2.10(ebook